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防災ノートを作ろうとすると、たいてい途中で止まります。書く項目が多すぎるうえに、書き終えた瞬間から情報が古くなっていくからです。
このページでは項目を7つに絞ります。絞る基準は「災害時に、家族の誰が開いても同じ判断ができるか」です。読む人が自分ひとりとは限らない、というのが前提になります。
なぜ「頭の中」ではなく紙にするのか
決めたはずのことを思い出せない、決めた本人が不在、という2つが同時に起きます。紙に落としておく理由はここにあります。
書く7項目
| # | 項目 | 誰のために書くか |
|---|---|---|
| 1 | 家族の連絡先と遠方の中継先 | 電話がつながらない時間帯の自分 |
| 2 | 安否確認の手段(171・web171) | 使い方を覚えていない家族 |
| 3 | 避難場所と、そこまでの経路 | 判断する余裕がない発災直後の自分 |
| 4 | 持病・服薬・かかりつけ | 本人が説明できない状況の医療者 |
| 5 | 保険と口座の「番号だけ」 | 原本を持ち出せなかった自分 |
| 6 | 自宅のリスク(浸水・土砂) | 逃げるか留まるかを決める家族 |
| 7 | 更新した日付 | 半年後の自分 |
1. 連絡先は「遠方の中継先」を1つ入れる
被災地の外に1軒、中継先を決めて番号を書きます。中継先にも「うちの中継役をお願いしたい」と事前に伝えておかないと機能しません。
2. 安否確認の手段は、手順まで書く
サービス名だけ書いても、その場では使えません。「誰の番号を鍵にして録音するか」まで決めて書きます。手順は災害用伝言ダイヤル171の使い方にまとめました。67
体験利用の機会も用意されています。8
ノートに書いた手順が正しいかは、体験利用の日に家族で1回試すと分かります。
3. 避難場所は「経路」まで書く
場所の名前だけだと、夜間や停電時にたどり着けません。通る道を1本決めて書きます。誰がいつ動くかまで決めるならマイ・タイムラインの作り方、合流のルールは家族の安否確認ルールと集合場所の決め方を先に読んでください。9
4. 持病と薬は、本人が話せない前提で書く
ノートには薬そのものは入りません。入るのは「何を飲んでいるか」の情報です。お薬手帳のコピーを1枚挟んでおくのが最も速く、備蓄の日数の考え方は持病の薬は何日分備えるかに整理しました。1011
自力で避難するのが難しい家族がいる場合は、行政側の仕組みもあわせて確認します。1213
登録の有無と担当窓口をノートに書いておくと、家族の誰でも問い合わせられます。詳しくは避難行動要支援者名簿と個別避難計画を参照してください。
5. 保険と口座は「番号だけ」を書く
原本をノートに挟むと、ノートごと失う危険と表裏になります。14
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総務省消防庁「非常用持出品チェックシート」(「貴重品類のカテゴリには「現金 10円玉」「預金通帳」「印鑑」「保険証」「免許証」が挙げられている」)
書くのは番号とコピーまで。原本とノートは別の場所に置きます。分け方は印鑑・通帳・貴重品の持ち出し準備にまとめました。
被災後の手続きでは、住まいの被害を証明する書類が起点になります。1516
「写真を撮る」「30日以内」の2行をノートに書いておくだけで、後の手続きが変わります。手順は罹災証明書の申請手続きにまとめました。
6. 自宅のリスクは、調べた結果を写す
停電中はハザードマップを開けません。浸水想定の深さと土砂災害の区域内かどうかを、一度調べて数字で書き写しておきます。読み方はハザードマップの見方にまとめました。1718
7. 更新日を書く欄を作る
続かない防災ノートは、たいてい「いつの情報か分からない」ことで捨てられます。19
各ページの隅に更新日を書く欄を作り、年1回だけ見直します。防災の日や進級のタイミングなど、日付を固定するほうが続きます。
置き場所は「玄関」ではなく「取り出せる場所」
持ち出し袋に入れる前提だと、袋ごと取り出せなかった時に何も残りません。ノートは次の3か所に分けます。
- 本体 — 自宅の分かる場所に1冊(家族全員が場所を知っている)
- コピー — 持ち出し袋に1部
- 写真 — 各自のスマートフォンに撮影して保存
紙が濡れる・焼けるリスクを下げたい場合は、書類ごと入れられるケースにまとめます。
持ち出し袋そのものの中身は防災リュックの中身に整理しました。
子ども用は「ノート」ではなく1枚にする
子どもに冊子を持たせても、必要な場面では開けません。名前・連絡先・171の3点に絞った1枚を持たせます。書き方は子どもの迷子札の書き方にまとめました。
大人でも、外出時に必要になるのは冊子ではなく最小限の情報です。20
ノート(自宅に置く冊子)と携帯する1枚は、役割を分けて両方作るのが確実です。
まとめ
- 防災ノートは持ち出す物ではなく、家族の誰が開いても同じ判断ができる情報の置き場として作る
- 書くのは連絡先・安否確認の手段・避難場所と経路・持病と薬・保険と口座の番号・自宅のリスク・更新日の7項目
- 連絡先には被災地の外に中継先を1軒決めて入れる。相手に事前に伝えておく
- 安否確認はサービス名でなく「誰の番号を鍵にするか」まで書き、体験利用日に1回試す
- 貴重品は原本を挟まず、番号とコピーだけを書いて原本とは別の場所に置く
- ハザードマップで調べた浸水深と土砂災害区域は、停電時に開けないので数字を書き写す
- 各ページに更新日欄を作り、年1回・日付を固定して見直す
- 本体・持ち出し袋のコピー・スマートフォンの写真の3か所に分けて置く
- 子どもと外出時用は冊子ではなく、名前・連絡先・171に絞った1枚にする
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へ災害は、家族が揃っているときに発生するとは限りません。自宅、学校、職場、出張先等、家族が離れ離れの状態で被災する可能性があります
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へ頭ではわかっていても、いざという時、急には体が動かなかったという経験は誰しもあること
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へ地震などの災害発生時には、被災地への通話が集中し、個人の安否確認だけでなく、消防、警察への連絡などにも支障が起こります
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へ離れた場所に住む家族や親戚、知人の家を連絡先に決め、そこを中継点にして家族の安否確認や連絡をとる方法です
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へこれは、携帯電話やメールを使わない方にも活用いただける方法です
総務省「非常時における通信の概要」2026年7月24日確認
↩ 本文へ地震等の災害が発生した場合、通信が混み合って電話がつながりにくくなります。電気通信事業者各社では、こうした通信の混雑の影響を避けながら、家族や知人との間での安否の確認や避難場所の連絡等をスムーズに行うため、『災害用伝言サービス』を提供しています
総務省「非常時における通信の概要」2026年7月24日確認
↩ 本文へ災害用伝言サービスには、171番に電話をかける『災害用伝言ダイヤル(171)』、携帯電話のネット接続機能を使った『災害用伝言板』、インターネットを使用する『災害用伝言板(web171)』があります
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へこれらのサービスは、年に数回の体験利用期間が設けられていますので、是非実際に使ってみましょう
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へ日頃から、自宅、学校、職場の近くや、通勤通学途中にある避難場所を確認しておきましょう
東京都「東京くらし防災「体力・体調に不安がある人の備え」」2026年7月24日確認
↩ 本文へ薬を服用している場合は、発災時にすぐに持ち出せるように。7〜10日分の薬とお薬手帳はマストです
東京都「東京くらし防災「体力・体調に不安がある人の備え」」2026年7月24日確認
↩ 本文へ常に携帯する物として常備薬・お薬手帳、老眼鏡・入れ歯・補聴器、口腔ケア用品、健康保険証のコピーなどが挙げられている
内閣府「避難行動要支援者名簿・個別避難計画」2026年7月24日確認
↩ 本文へ市町村は、自ら避難することが困難な避難行動要支援者の名簿を作成することが災害対策基本法により義務化されている
内閣府「避難行動要支援者名簿・個別避難計画」2026年7月24日確認
↩ 本文へ個別避難計画の作成は、令和3年の法改正により市町村の努力義務となった
総務省消防庁「非常用持出品チェックシート」2026年8月11日確認
↩ 本文へ10円玉は公衆電話用に。通帳、カード、健康保険証、運転免許証などは番号を控えたメモかコピーを用意しておくとよいでしょう
神戸市「罹災証明書・罹災届出証明の発行(火災を除く)」2026年8月2日確認
↩ 本文へ被害状況を確認できる写真を早めに撮影しておくようお願いします
神戸市「罹災証明書・罹災届出証明の発行(火災を除く)」2026年8月2日確認
↩ 本文へ原則として、災害発生後30日以内に申請
国土交通省「ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう〜身のまわりの災害リスクや避難場所の確認が地図上で簡単にできます〜」2026年8月6日確認
↩ 本文へ災害から命を守るためには、身のまわりでどのような災害リスクがあるか、どこへどのようなルートで避難すればよいのかなどを事前に確認し、備えておくことが重要です
国土交通省「ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう〜身のまわりの災害リスクや避難場所の確認が地図上で簡単にできます〜」2026年8月6日確認
↩ 本文へ洪水、内水氾濫、高潮、津波等による浸水想定区域と浸水深
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へできるだけ、普段の生活に組み込んで、平時に無意識に更新できるものでまかないましょう
内閣府「広報ぼうさい 特集 家族で防災」2026年8月15日確認
↩ 本文へ自分の身元がわかるカード、自分の病名や処方薬を書いたメモや診察券、状況を把握するためのラジオ、閉じ込められたときのためのチョコレートなどの食料やハンカチなど、できるだけ負担にならずに携帯できるものがよいでしょう