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名簿は市町村が作る義務がある
自力で避難するのが難しい家族がいる場合、支援の枠組みが法律で決まっています。1
根拠は災害対策基本法です。2
つまり、名簿づくりは家庭が申し出て初めて始まるものではありません。ただし、対象の範囲や把握の方法は市町村ごとに違うため、該当しそうなのに載っていないことは起こり得ます。まずは自分の市町村の窓口(防災担当・福祉担当)で確認するのが最初の一歩です。
個別避難計画は「誰がどう連れて逃げるか」を決める
名簿は対象者の一覧です。実際の避難は、それだけでは動きません。34
名簿の作成が義務であるのに対し、個別避難計画は努力義務です。この差は実務に効きます。名簿には載っているが計画は未作成、という状態が普通にあり得るということです。
家族としては、「名簿に載っているか」と「計画があるか」を分けて確認する必要があります。
相談に行く前にまとめておく情報
窓口で聞かれる内容は、家庭側で整理しておくと話が早く進みます。
本人について
- 移動の状態(歩ける距離、階段の可否、車いす・杖の使用)
- 意思疎通の方法(聞こえ方、見え方、認知の状況)
- 医療的な条件(在宅酸素、透析、インスリン、要冷蔵の薬)
- 服薬の内容(お薬手帳のコピー)
薬の備えは持病の薬は何日分備えるかにまとめています。
環境について
- 住まいの階数、エレベーターの有無
- 日中と夜間で、家にいる人が変わるか
- 近隣で頼れる人がいるか(自治会、民生委員、親族)
避難先について
- 指定避難所までの距離と経路
- 福祉避難所の有無と、そこへ行く条件
- 親族宅など、避難所以外の選択肢があるか
福祉避難所は「直接行ってよい場所」とは限らず、市町村の運用によって扱いが変わります。行き先を決めておくことと、その行き先に自分が入れるのかを確認しておくことは別です。
家族側でやっておくこと
制度に載せる作業と並行して、家庭内の準備が要ります。
- 発災時に誰が迎えに行くかを決める(第1候補と第2候補)
- 連絡が取れない前提の集合場所を決める
- 持ち出す物を、支援者でも分かる形にまとめる
- 移動に使う道具(車いす、担架代わりの物)を確認する
支援者が持ち出す場合、中身が分からないと運べません。1つの袋にまとめ、外側に中身を書いておきます。
中身の考え方は防災リュックの中身、避難所へ持っていく最低限は避難所の持ち物リストにまとめています。
連絡と情報の手段も決めておく
音や声での伝達が届きにくい場合、情報の入り方から準備が要ります。聴覚に障害がある家族の情報取得は聴覚障害と防災情報、安否確認の手順は災害用伝言ダイヤル171の使い方を参照してください。
まとめ
- 名簿の作成は市町村の義務(災害対策基本法第49条の10)
- 個別避難計画は令和3年の法改正で市町村の努力義務
- 「名簿に載っているか」と「計画があるか」は分けて確認する
- 相談前に、移動・意思疎通・医療・服薬・住環境を整理しておく
- 福祉避難所は行き先の確保と入れる条件の確認を分けて考える
- 迎えに行く人、集合場所、持ち出す袋は家庭側で決めておく
- 支援者が運ぶ前提で、袋の外に中身を書く
介護が必要な家族の備えは介護が必要な家族の防災、離れて暮らす親の備えは離れて暮らす親の防災にまとめています。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府「避難行動要支援者名簿・個別避難計画」2026年7月24日確認
↩ 本文へ市町村は、自ら避難することが困難な避難行動要支援者の名簿を作成することが災害対策基本法により義務化されている
内閣府(防災担当)「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」2026年7月24日確認
↩ 本文へ災害対策基本法第49条の10は、市町村長に対し、自ら避難することが困難な要配慮者について避難行動要支援者名簿の作成を義務付けている
内閣府「避難行動要支援者名簿・個別避難計画」2026年7月24日確認
↩ 本文へ個別避難計画の作成は、令和3年の法改正により市町村の努力義務となった
内閣府(防災担当)「避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針」2026年7月24日確認
↩ 本文へ令和3年の法改正により、避難行動要支援者ごとの個別避難計画の作成が市町村の努力義務として規定された