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片付けを始める前に、写真だけは撮っておく
被災したあと、多くの人が最初にするのは片付けです。ところが手続きの側から見ると、片付けは証拠を消す作業でもあります。被害の程度を証明する罹災証明書は、現地の調査結果に基づいて交付されるためです。1
安全が確保できてからで構いませんが、片付けや修理に手を付ける前に撮るという順番だけは崩さないようにします。
何を撮るか
京都市は撮影すべき対象を具体的に挙げています。2
整理すると次の3種類です。
| 撮るもの | 目的 |
|---|---|
| 建物の全景(周囲4面) | どの建物か、全体としてどう壊れたかを示す |
| 表札 | その建物が申請者の住家であることを示す |
| 被害箇所の寄り | 損傷の内容と範囲を示す |
スマホで撮る場合、撮影日時は自動で記録されますが、日付が分かる形で撮るという案内に沿うなら、当日の新聞や日付表示のある画面を一緒に写す方法もあります。
罹災証明書とは何を証明する書類か
罹災証明書は、自然災害で住家が受けた被害の程度を市区町村が証明する書類です。
- 神戸市(同上)(「自然災害によって住家に被害を受けた場合に、被災者からの申請に基づき住家の被害家屋調査を実施し、調査結果に応じて被害の程度を証明するもの」)
被害の程度は損害割合で区分されます。
| 区分 | 損害割合 |
|---|---|
| 全壊 | 50%以上 |
| 大規模半壊 | 40%以上50%未満 |
| 中規模半壊 | 30%以上40%未満 |
| 半壊 | 20%以上30%未満 |
| 準半壊 | 10%以上20%未満 |
| 一部損壊 | 10%未満 |
出典: 京都市防災ポータルサイト(同上)
区分が1段階変わると受けられる支援が変わるため、調査の根拠となる写真と記録が効いてきます。
申請から交付までの流れ
- 市区町村の窓口(または電子申請)に申請する
- 職員が住家の被害認定調査を行う
- 調査結果に基づいて罹災証明書が交付される
京都市では区役所・支所の窓口に加えてマイナポータルからの電子申請にも対応しています。被害が軽微な場合は、調査を待たずに済ませる方法もあります。
- 神戸市(同上)(自己判定方式は「実地調査を行わず、申請者が撮影した写真により判定を行うため、短期間で罹災証明書を受け取ることができる」)
申請の期限にも注意が必要です。
- 神戸市(同上)(「原則として、災害発生後30日以内に申請」)
**申請先・期限・様式は市区町村ごとに異なります。**平時に自分の住む自治体のページを一度開いて、窓口の部署名だけ確認しておくと、被災後に迷いません。
民間の保険金請求には基本的に使わない
よくある誤解として、保険金の請求に罹災証明書が要ると考えられている点があります。
- 京都市(同上)(「民間保険会社の保険金の請求については、り災証明書は基本的に不要」)
民間の火災保険・地震保険は保険会社の側で損害を調査します。罹災証明書が必要になるのは、被災者生活再建支援金や応急仮設住宅など、公的な支援制度を使うときです。
- 京都市(同上)(「公的な被災者支援制度などを利用する際に、必要となる場合があります」)
ただし、片付け前に撮った写真そのものは保険会社への説明にも使えます。撮影は「行政向け」と分けずに、まとめて残しておくのが結果的に無駄になりません。
→ 地震保険は必要か|火災保険では地震の火災が補償されない仕組みから考える
まとめ
- 片付けは証拠を消す作業でもある。安全確保後、手を付ける前に写真を撮る
- 撮るのは建物の全景(周囲4面)・表札・被害箇所の3種類。撮影日が分かる形で残す
- 被害の程度は全壊から一部損壊まで損害割合で6区分され、支援の内容に直結する
- 申請先は市区町村。軽微な被害は写真による自己判定方式が使える自治体もある
- 民間保険の請求には基本的に不要。必要になるのは公的な支援制度を使うとき
被災直後に何から動くかは大きな地震のニュースのあとに、家の備えを見直すチェックリスト、在宅で過ごす前提の備えは在宅避難で必要なものリストにまとめています。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
神戸市「罹災証明書・罹災届出証明の発行(火災を除く)」2026年8月2日確認
↩ 本文へ被害状況を確認できる写真を早めに撮影しておくようお願いします
京都市防災ポータルサイト「り災証明書・被災証明書について」2026年8月2日確認
↩ 本文へ建物の全景写真(周囲4面)を撮ります
表札の写真を撮ります(掲げている場合)
被害を受けた部位について、その内容が明らかになるよう写真を撮ります
写真の撮影日がわかるように撮影してください