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被災した年の確定申告には、税負担を軽くする道が2つあります。片方だけを調べて終わりにすると損をすることがあるので、まず「二択である」と知っておくのが先です。
まず二択であることを押さえる
併用ではなく選択です。どちらが有利かは損害額と所得によって変わります。12
それぞれの対象者
線引きは資料に明記されています。
| 方法 | 対象 |
|---|---|
| 雑損控除 | 生活に通常必要な資産に損害を受けた方、災害関連支出をした方 |
| 災害減免法 | 損害額が住宅や家財の価額の1/2以上で、所得金額が1,000万円以下の方 |
災害減免法には所得と損害割合の2つのハードルがあります。どちらかを満たさなければ雑損控除しか選べません。逆に言えば、所得が高い人や損害が半分に届かない人は、迷わず雑損控除を検討することになります。34
雑損控除の計算式
保険金の扱いには順番があります。7
保険で埋まった分は控除の対象から外れる、という当たり前の設計ですが、先に損害金額から引くという順番は覚えておくと計算がぶれません。地震保険は必要かで扱ったとおり、保険と税の軽減は足し算にはなりません。
対象になる「損害の原因」
盗難と横領も対象ですが、除かれるものがあります。11
控除しきれない分は繰り越せる
被害が大きいほど、その年の所得だけでは吸収しきれません。12
繰越があるのは雑損控除の側です。損害が大きい場合、単年の税額だけを比べて災害減免法を選ぶと、翌年以降の控除を捨てることになりかねません。
申告に必要なもの
鍵は領収書です。取壊しや除去の費用、片付けを業者に頼んだ費用は災害関連支出になりますが、領収書がなければ証明できません。災害廃棄物の出し方を進める段階で、支払いの記録を捨てないようにしておきます。13
被災後は書類が散らばりやすく、罹災証明書や領収書をまとめて置ける場所が要ります。持ち出しやすさと保管を兼ねるなら耐火防水ケースが一案です。
保管の考え方そのものは貴重品・印鑑・通帳の持ち出しに整理しています。
まとめ
- 被災した年の所得税は、雑損控除か災害減免法のどちらか有利なほうを選ぶ
- 災害減免法は「損害額が住宅・家財の価額の1/2以上」かつ「所得1,000万円以下」が条件
- 雑損控除の額は2つの計算式のうち大きいほう。保険金はまず損害金額から差し引く
- 詐欺・恐喝による損失は雑損控除の対象外
- 控除しきれない損失は翌年以後3年間(特定非常災害は5年間)繰り越せる
- 災害関連支出の領収書は必ず取っておく
被災後に使える他の制度は罹災証明書の申請手順と被災者生活再建支援金はいくらかにまとめました。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府「被災者支援に関する各種制度の概要」2026年8月18日確認
↩ 本文へ災害により住宅や家財などに損害を受けた場合、確定申告で、1.所得税法に定める雑損控除の方法、2.災害減免法に定める税金の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。
国税庁「タックスアンサー(雑損控除)」2026年8月18日確認
↩ 本文へ雑損控除とは別に、その年の所得金額の合計額が1,000万円以下の人が災害にあった場合は、災害減免法による所得税の軽減免除があり、納税者の選択によりどちらか有利な方法を選べます。
内閣府2026年8月18日確認
↩ 本文へ雑損控除については、災害により生活に通常必要な資産に損害を受けた方、災害に関連してやむを得ない支出(災害関連支出)をした方が対象です。
内閣府2026年8月18日確認
↩ 本文へ所得税についての災害減免法に定める税金の軽減免除については、損害額が住宅や家財の価額の1/2以上で、被害を受けた年分の所得金額が1,000万円以下の方が対象です。
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へ(1) (損害金額+災害等関連支出の金額-保険金等の額)-(総所得金額等)×10%
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へ(2) (災害関連支出の金額-保険金等の額)-5万円
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へ保険金等の額は、まず、損害金額から差し引き、保険金等の額が損害金額を超える場合には、災害(等)関連支出の金額から差し引きます。
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へ(1)震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へ(2)火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へ(3)害虫などの生物による異常な災害
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へなお、詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けられません。
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へなお、損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後3年間(東日本大震災又は令和5年4月1日以後に発生する特定非常災害により生じた損失額については、5年間)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができます
国税庁2026年8月18日確認
↩ 本文へ確定申告書に雑損控除に関する事項を記載するとともに、災害等に関連したやむを得ない支出の金額の領収を証する書類を添付するか、提示してください。