地震保険の家財 — 建物と別に契約できる。ただし対象外の品目がある
根拠: 一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)「損害保険Q&A すまいの保険 問62 地震保険」(2026年8月23日確認) ほか2件(記事末に一覧)
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地震保険というと建物の話だと思われがちですが、家財だけで契約することもできます。 賃貸住宅に住んでいて建物を持っていない人にとっては、むしろこちらが本体です。
この記事は、家財の契約が何を守るのか、そして何を守らないのかを整理します。
地震保険の対象は建物と家財の2つ
- 日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問62 地震保険」(「地震保険は「被災者の生活の安定に寄与することを目的」とする保険であるため、保険の対象にすることが可能なものは、居住用建物(住居のみに使用される建物および併用住宅)および家財(生活用動産)(注2)に限られています。」)
建物と家財は別々の契約です。両方に掛けることも、どちらか一方だけにすることもできます。持ち家で建物にだけ掛けている場合、家の中のものはまったく補償されません。
なお、地震保険は火災保険とセットで契約する仕組みです。2
つまり家財の地震保険に入るには、家財の火災保険が先に要るということです。賃貸で加入する家財保険がその土台になります。
家財に「含まれないもの」がはっきり決まっている
整理すると3系統です。
| 系統 | 例 | なぜ外れるか(考え方) |
|---|---|---|
| お金そのもの | 通貨、有価証券、預貯金証書、印紙、切手 | 金額の確認が難しく、生活用動産と性格が違う |
| 高額な単品 | 貴金属・宝石・書画・骨とうで1個または1組30万円超 | 少数の高額品で保険金が偏る |
| 自動車 | 自動車 | 別の保険の領域 |
| 記録類 | 稿本、設計書、図案、証書、帳簿など | 価値の算定ができない |
自動車が家財に入らないのは、地震で車が壊れたときに効いてきます。詳しくは地震で車が壊れたら保険は出るかに整理しました。
高額品の線引きも実務的です。1個または1組で30万円を超える貴金属や骨とうは、地震保険では見てもらえません。ふだん使いの家具・家電・衣類・寝具といった「生活用動産」が本体という設計です。
保険金額は火災保険の30〜50%、上限は決まっている
つまり家財の火災保険をいくらで掛けているかが、地震保険の上限を決めます。 家財の火災保険を低く設定していると、地震保険側も自動的に小さくなります。
引っ越しや契約更新のときに、この土台の額を見直さないまま何年も過ぎている、というのはよくある形です。
複数契約している場合の扱いも決まっています。8
重ねて契約しても上限は増えません。
全額は戻らない設計になっている
期待値の調整として、これは書かれているとおりに理解しておく必要があります。9
家財も同じ考え方です。買い直しの費用を全部埋めるのではなく、当面の生活を立て直すための資金という位置づけになっています。10
支払いは損害の区分で決まります。11
一部損に届かない場合は出ません。
- 日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問62 地震保険」(「その内容は次のとおりですが、損害が「一部損」に至らないときや門、塀、垣、エレベーター、給排水設備のみの損害のときには、保険金は支払われません。」)
期限がある — 発生日の翌日から10日
見落としやすい条件です。12
余震で後から壊れた分がどこまで見てもらえるかに関わります。大きな地震のあと、片付けや点検を後回しにしていると、いつ生じた損害か説明できなくなります。 被害の記録は早い段階で写真に残しておくのが実務的です。
地震のあとに自宅を点検する手順は地震後の自宅の安全確認にまとめています。
賃貸か持ち家かで考え方が変わる
| 住まい | 建物の地震保険 | 家財の地震保険 |
|---|---|---|
| 賃貸 | 大家側の話。借主は掛けられない | これが本体。家財の火災保険に付帯する |
| 持ち家 | 建て直しの一部を埋める | 別契約。掛けていなければ家の中は対象外 |
賃貸で「地震保険は関係ない」と思っている場合、それは建物のことだけを見ています。家の中のものを全部買い直す状況を想像したときに、どこまで自力で埋められるかが判断の軸になります。
制度全体としての判断材料は地震保険は必要かに、水災側の考え方は火災保険の水災補償は必要かに整理しています。
まとめ
- 地震保険は建物と家財が別契約。建物だけ掛けていると家の中は対象外
- 家財の地震保険は家財の火災保険への付帯として契約する
- 家財に含まれないものがある。通貨・有価証券・自動車、1個または1組30万円超の貴金属・骨とう、証書や帳簿の類
- 保険金額は火災保険の30〜50%の範囲で、家財は1,000万円が限度。重ねて契約しても上限は増えない
- 全額は戻らない設計。 買い直しではなく生活を立て直すための資金
- 地震等の発生日の翌日から10日を過ぎて生じた損害は対象外。 記録は早めに
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問62 地震保険」2026年8月23日確認
↩ 本文へ地震保険は、建物や家財について、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没・流失による損害を補償する保険です。
財務省「地震保険制度の概要」2026年8月2日確認
↩ 本文へ地震保険は、火災保険に付帯する方式での契約となりますので、火災保険への加入が前提となります
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問62 地震保険」2026年8月23日確認
↩ 本文へ通貨、有価証券、預貯金証書、印紙、切手、自動車
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問62 地震保険」2026年8月23日確認
↩ 本文へ貴金属、宝石、書画、骨とう等で1個または1組の価額が30万円を超えるもの
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問62 地震保険」2026年8月23日確認
↩ 本文へ稿本(本などの原稿)、設計書、図案、証書、帳簿その他これらに類するもの
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問67 地震保険の保険金額の設定」2026年8月23日確認
↩ 本文へ地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額に対して、30%〜50%の範囲内で決めます。ただし、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度額となります。
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問67 地震保険の保険金額の設定」2026年8月23日確認
↩ 本文へ地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額とは別に定めることになっています。
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問67 地震保険の保険金額の設定」2026年8月23日確認
↩ 本文へすでに他の地震保険契約があって追加で契約する場合には、限度額から他の地震保険金額の合計額を差し引いた残額が追加契約の限度額になります
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問67 地震保険の保険金額の設定」2026年8月23日確認
↩ 本文へ上記のとおり保険金額の設定には限度があるので、地震保険の保険金で建物を元どおりに建て直すことはできません。
財務省「地震保険制度の概要」2026年8月2日確認
↩ 本文へ地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的とし、民間保険会社が負う地震保険責任を政府が再保険している
財務省「地震保険制度の概要」2026年8月2日確認
↩ 本文へ損害区分ごとの支払割合は全損100%・大半損60%・小半損30%・一部損5%(平成29年以降の保険始期)
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)日本損害保険協会「損害保険Q&A すまいの保険 問62 地震保険」2026年8月23日確認
↩ 本文へまた、地震等の発生日の翌日から起算して10日を経過した後に生じた損害についても保険金は支払われません。