家族構成別

高齢者の防災グッズで必要なものは?薬・眼鏡・補聴器から持ち出し袋まで

根拠: 東京都「東京くらし防災「体力・体調に不安がある人の備え」」(2026年7月24日確認) ほか3件(記事末に一覧)

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先に答え: 高齢の家族に優先して用意するのは、(1)常備薬とお薬手帳、(2)予備の眼鏡・入れ歯・補聴器の電池、(3)背負える重さに抑えた持ち出し袋、(4)夜間に足元を照らす明かりの4つです。一般的な防災グッズ一覧に足すのではなく、この4つを先に決めてから残りを足します。

高齢者に先に用意する4つ

一般向けの持ち出し袋との違いは、本人でなければ代えのきかない品が含まれる点です。

優先順位品目決めておくこと
1常備薬・お薬手帳何日分を持ち出すか、どこに置くか
2予備の眼鏡・入れ歯・補聴器の電池予備の保管場所と電池の規格
3持ち出し袋本人が背負える重さに収めたか
4明かり夜間に足元を照らせるか

選ぶ基準は3つです。第一に、本人が自分で扱えるか。スイッチが小さい、ふたが固いといった品は、いざというときに使えません。第二に、軽いか。重い袋は持ち出しをためらう原因になります。第三に、普段の生活動線に置けるか。寝室から玄関までの間に置いていないと、夜間の避難で持ち出せません。

明かりは、懐中電灯より据え置きのランタンが扱いやすい場面が多くなります。片手がふさがらず、部屋全体が見えるため、散乱した床を歩くときの転倒を避けやすくなります。乾電池式なら充電操作が不要で、本人が扱えます。

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LEDランタン 電池式(据え置きで部屋全体を照らすタイプ)

こんな人に充電式は残量が不安

選ぶ理由乾電池のみで動く割り切り設計

1. 薬とお薬手帳を「すぐ持ち出せる場所」に

持病がある場合、薬の確保が最優先です。東京都は、7〜10日分の薬とお薬手帳を持ち出せるようにしておくことを示しています。あわせて、老眼鏡・入れ歯・補聴器、口腔ケア用品、健康保険証のコピーを常に携帯する物として挙げています。

薬は寝室の枕元や持ち出し袋の外ポケットなど、暗い中でも手が届く場所に置きます。何日分を備えるかは持病の薬は何日分備えるかを参照してください。

根拠: 東京都「東京くらし防災「体力・体調に不安がある人の備え」」(「薬を服用している場合は、発災時にすぐに持ち出せるように。7〜10日分の薬とお薬手帳はマストです」)

2. 眼鏡・入れ歯・補聴器は「予備と電池」で考える

眼鏡や補聴器は、壊れたり置き場所が分からなくなったりすると生活と情報収集の両方が止まります。古い眼鏡を予備として持ち出し袋に入れておく、補聴器の電池を規格ごとに数個ストックしておく、といった形で「代わり」を確保します。

補聴器の電池は小さく、他の防災用品にまぎれます。専用の小袋にまとめ、袋の外側に規格を書いておくと取り違えを防げます。眼鏡とコンタクトの備えは防災用の予備眼鏡とコンタクトで扱っています。

根拠: 東京都「東京くらし防災「体力・体調に不安がある人の備え」」(「常に携帯する物として常備薬・お薬手帳、老眼鏡・入れ歯・補聴器、口腔ケア用品、健康保険証のコピーなどが挙げられている」)

3. 持ち出し袋は「背負える重さ」で上限を切る

高齢者の持ち出し袋で起きやすい失敗は、家族が良かれと思って詰め込み、本人が背負えなくなることです。神奈川県は、リュックに入れる重さの目安を男性15キロ・女性10キロ程度としています。高齢の本人が持つ袋は、この目安よりさらに軽く設定します。

一次持出品は最小限にし、残りは自宅に置く二次持出品へ回します。実際に一度背負ってもらい、玄関まで歩ければ合格、途中で下ろすなら中身を減らす、という確認をしておくと確実です。中身の選び方は非常持ち出し袋の中身を参照してください。

根拠: 神奈川県くらし安全防災局「非常持出品の準備(重さの目安)」(「リュックなどに入れる重さの目安は、男性で15キロ、女性で10キロ程度です」)

4. トイレは「座れるか」で選ぶ

在宅避難では自宅のトイレが使えなくなる場面があります。高齢の家族の場合、しゃがむ姿勢が取りにくいことがあるため、便器にかぶせる袋タイプに加えて、座面のある折りたたみ式を用意しておくと選択肢が増えます。

便器が使えない場所でも座って用を足せる自立式の便座は、和式しかない避難先や、便器そのものが破損した場合の備えになります。介助が必要な場合の使い方は高齢者の簡易トイレ介助にまとめています。

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折りたたみ自立式の簡易トイレ(座面付き)

こんな人に便器が使えない場所でも座って用を足したい

選ぶ理由折りたたみの自立式便座。和式や便器なしの場所でも使える

食料は「食べられる形」で備える

かむ力や飲み込む力が落ちている場合、一般的な非常食では食べにくいことがあります。農林水産省は、乳幼児や高齢者、慢性疾患・食物アレルギーのある人に向けた家庭備蓄の情報をガイドブックとしてまとめています。普段食べている柔らかい食品を多めに持つ形が基本です。

普段の食事に近い品を備えるほど、災害時の食事の負担が減ります。回し方は非常食のローリングストックを参照してください。

根拠: 農林水産省「農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(ガイドブック一覧)」」(「乳幼児、高齢者、慢性疾患・食物アレルギーの方などに向けて、家庭備蓄を行う際に必要な情報、災害時における食事の注意点などをとりまとめた」)

物より先に「名簿」を確認しておく

自力での避難が難しい場合、市町村が作成する避難行動要支援者名簿への登録が支えになります。名簿の作成は災害対策基本法により市町村に義務づけられており、個別避難計画の作成も市町村の努力義務とされています。

物をそろえる前に、住んでいる市町村の窓口で登録状況を確認しておくと、避難の支援体制が具体的になります。手続きは避難行動要支援者名簿と個別避難計画で扱っています。

根拠: 内閣府「避難行動要支援者名簿・個別避難計画」(「市町村は、自ら避難することが困難な避難行動要支援者の名簿を作成することが災害対策基本法により義務化されている」)

よくある質問

Q. 離れて暮らす親に何から送ればよいですか? A. 明かりと薬の置き場所づくりが先です。送る前に置き場所を決めておかないと使われません。離れて暮らす場合の進め方は高齢の親の防災を参照してください。

Q. 介護が必要な場合との違いは? A. 介助が前提になると、おむつや移動の支援など必要な品が変わります。介護が必要な家族の防災で扱っています。

Q. 大人用おむつは何日分備えますか? A. 使用回数から逆算します。大人用おむつは何日分備えるかにまとめています。

まとめと次の一歩

高齢者の防災グッズは、薬とお薬手帳・予備の眼鏡や補聴器の電池・背負える重さの持ち出し袋・夜間の明かりの4つから決めます。物をそろえたら、市町村の避難行動要支援者名簿を確認して支援の体制まで整えてください。離れて暮らす家族の進め方は高齢の親の防災へ進みます。