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先に答え: 規模の大きな余震は最初の1週間、特に2〜3日に集中します(気象庁)。回数は経過日数に反比例して減り、2日目に約半分、10日目に約1/10。ただし完全になくなるまでには何年もかかる場合があり、「ゼロになる日」を待つのではなく、頻度が下がったら点検を経て平時の備えに戻るのが現実的な区切り方です。目安として気象庁は、最大震度5弱以上の余震の頻度の見通しが月1回程度を下回るまで、地震活動の見通しの情報提供を続けるとしています。
大きな地震のあと、揺れが何度も続くと「いつまで続くのか」と不安になります。気象庁の資料には、この問いに使える数字がはっきり書かれています。
警戒の山は「最初の1週間」、特に「2〜3日」
最初の2〜3日がもっとも危険で、1週間は大きな余震を前提に行動する——これが基本線です。この期間は、傾いた家に長居しない・倒れかけた家具に近づかない・海岸に近づかないなど、「本震でぎりぎり耐えたもの」が次の揺れで壊れる想定で動きます。12
前震・本震・余震のちがいと、地震活動の3つのパターン
用語を整理しておくと、この後の話が読みやすくなります。3
余震が起こる理由も、気象庁が次のように説明しています。4
そして地震活動の進み方には、3つのパターンがあります。
| パターン | 中身 |
|---|---|
| 本震−余震型 | 最初の地震が一番大きく、それより小さい地震(余震)が続く。最も多い型 |
| 前震−本震−余震型 | 最初の地震のあとに、それより大きな地震(本震)が来る。先行した地震は後から「前震」と呼ばれる |
| 群発的な地震活動型 | 抜きん出て大きな地震がなく、活発になったり穏やかになったりしながら一定期間続く |
「本震」が本震とは限らない
3つのパターンの何が問題かというと、どのパターンなのかは終わってみないと分からないという点です。67
2016年の熊本地震では、最初のM6.5の約28時間後にM7.3が発生しました。いま経験した揺れが「本震」なのか「前震」なのかは、活動が終わるまで誰にも分かりません。「大きいのは終わった」という判断を最初の数日にしないことが、この事実から導かれる行動です。8
減り方には法則がある
反比例のカーブは、最初は急に減り、あとはだらだらと続きます。10日目から20日目にかけては半分にしか減りません。「余震がいつまでも続く」と感じるのはこの減り方のせいで、感覚としては長引いていても、活動としては順調に減衰していることが多いのです。
過去の大地震では、余震はどれだけ続いたか
「何年もかかる場合がある」を、気象庁の解説ページにある実例で確かめます。
| 地震 | 実際の経過(気象庁の解説より) |
|---|---|
| 兵庫県南部地震(1995年・阪神・淡路大震災) | 余震活動は20年以上たっても続き、2か月に1回程度、震度1以上の余震を観測 |
| 新潟県中越地震(2004年) | 本震の約4日後にM6.1、2週間以上たってからもM5.9の比較的大きな余震 |
| 東北地方太平洋沖地震(2011年・東日本大震災) | 余震は長さ500km・幅200kmの広範囲。本震から1年以上を経ても余震活動が継続 |
| 熊本地震(2016年) | 最初のM6.5の約28時間後にM7.3が発生し、活動域がさらに拡大 |
- 気象庁(東北地方太平洋沖地震について「余震の回数は徐々に減少していますが、本震から1年以上を経ても余震活動が続いていることが分かります。」)
数字だけ見ると不安になりそうですが、読み方は逆です。**「震度1以上が2か月に1回」は、生活に影響するレベルではありません。**余震が観測され続けること自体は異常ではなく、警戒を要する「規模の大きな余震が頻発する期間」は、どの地震でも最初の1週間前後に集中しています。
気象庁が「余震に注意」と言わなくなった理由
ニュースで「余震に注意してください」という言い方をあまり聞かなくなったことに気づいた方もいるかもしれません。これは2016年の熊本地震がきっかけです。15
- 地震調査研究推進本部「大地震後の地震活動の見通しに関する情報のあり方」(2016年8月19日)(概要資料で、熊本地震を受けた課題として「『余震』という言葉が、より強い揺れは生じないと受け取られた。」と整理)
「余震」という言葉には「本震より小さい揺れ」という含みがあり、熊本地震ではM6.5の後にさらに大きなM7.3が来ました。この経験から、呼びかけは「最初の大地震と同程度の地震に注意」を基本とする形に見直されています。言葉が変わっただけで、警戒すべき中身はこの記事で見てきたとおりです。
「終わり」の公式な区切りはあるのか
「もう安心です」という発表を待ちたくなりますが、それは出ません。16
代わりに使えるのが、気象庁が大地震の後に発表する「地震活動の見通し」の情報です。17
- 気象庁(見通しなどの情報は「地震発生の約1~2時間後から記者会見や気象庁ホームページなどで公式に発表され」る)
つまり、**気象庁がその地震について見通しの情報提供を続けている間は「警戒を続ける期間」、発表が落ち着いてきたら「平時の備えに戻していく期間」**という読み方ができます。安全宣言の代わりになる、実用的な区切りです。
期間別・やることの整理
| 期間 | 警戒度 | やること |
|---|---|---|
| 最初の2〜3日 | 最大 | 危険な建物・崖・海岸に近づかない。同規模以上の地震を想定して行動 |
| 〜1週間 | 高 | 大きな余震前提の生活。就寝場所は落下物のない場所に(寝室の家具配置) |
| 1週間〜 | 中 | 建物の安全確認(地震後の自宅の安全確認)を経て生活再建へ |
| 減衰後 | 平時 | 倒れなかった家具の固定を見直す(備えの見直しチェック) |
余震の期間中は、本震で緩んだ家具がわずかな揺れで倒れます。突っ張り棒の効果で扱ったとおり、固定は「一度やったら終わり」ではなく揺れのたびに点検するものです。エレベーターは閉じ込めのリスクが続くので、エレベーター閉じ込め時の対処も家族で共有しておいてください。また、警戒期間の目安である最初の1週間を在宅で乗り切る備蓄の考え方は「7日分」という備蓄目安の根拠で整理しています。
よくある質問
余震は本震より必ず小さいのですか?
いいえ。気象庁は、最初の大地震と同等もしくはそれ以上の規模の地震が発生する可能性に注意が必要としています。2016年の熊本地震では最初のM6.5の約28時間後にM7.3が発生しました。いま経験した揺れが本震か前震かは、活動が終わるまで分かりません。
余震はなぜ起こるのですか?
大地震で岩盤が破壊された震源域とその周辺では、地下の力のつりあいが不安定になり、それを解消するために引き続き地震が発生すると考えられています(気象庁)。本震で崩れたバランスの調整が続いている状態で、活動自体は時間とともに減っていきます。
東日本大震災の余震はいつまで続きましたか?
気象庁の解説ページでは、東北地方太平洋沖地震(2011年)の余震は長さ500km・幅200kmの広い範囲で発生し、回数は徐々に減少したものの本震から1年以上を経ても余震活動が続いたとされています。余震が完全になくなるまでには何年もかかる場合があり、兵庫県南部地震(1995年)では20年以上たっても震度1以上の余震が2か月に1回程度観測されています。
1か月たっても揺れが続くのは異常ですか?
異常とは限りません。余震の回数は経過日数に反比例して減るため、最初は急に減り、あとはだらだらと続きます。本震の規模が大きいほど余震期間は長くなり、完全になくなるまで何年もかかる場合があると気象庁も示しています。回数が減り続けているかどうかが目安になります。
いつから片付けや生活再建を始めていいですか?
最初の1週間は大きな余震を前提に行動し、それ以降に自宅の安全確認を経て段階的に進めるのが本文の表の整理です。傾いた建物や倒れかけた家具の近くでの作業は、期間にかかわらず避けてください。
まとめ
- 大きな余震は最初の1週間、特に2〜3日に集中する。この期間は本震と同じ警戒で動く
- 地震活動には3つのパターンがあり、どれになるかは終わるまで分からない。最初の地震と同等かそれ以上の地震が後から来る可能性を前提にする
- 余震の回数は経過日数に反比例して減る。2日目に約半分、10日目に約1/10
- 過去の大地震では、東日本大震災で1年以上、阪神・淡路大震災では20年以上、余震が観測され続けた。ただし生活に影響する頻度の期間は最初に集中する
- 安全宣言は出ない。気象庁の「地震活動の見通し」の発表状況が、平時に戻すタイミングの実用的な目安になる
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
気象庁「大地震後の地震活動(余震等)について」2026年9月1日確認
↩ 本文へ被害が発生するような規模の大きな地震(本震)が発生した時は、その後、1週間程度のうちに規模の大きな余震(場合によっては本震を超える規模の地震)の発生することが多い傾向にあります。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へまた、中でも最初の2~3日程度は規模の大きな地震が発生することが特に多いため注意が必要です。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へその震源近くでは、最初に発生した大地震よりも規模の小さい地震が引き続いて発生することが多く、これを余震といいます。この場合、最初に発生した一番大きな地震のことを本震といい、このような地震活動のパターンを『本震-余震型』といいます。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へ大地震の震源域(岩盤が破壊された領域)やその周辺では、地下の力のつりあいの状態が不安定になり、それを解消するために、引き続いて地震が発生すると考えられています。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へ地震活動のパターンには、この他に『前震-本震-余震型』と『群発的な地震活動型』があります。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へ発生している地震活動がどのパターンであるかは、その地震活動が終わるまでは判別できません。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へこのため、最初の大地震と同等もしくはそれ以上の規模の地震が発生する可能性もあることにも注意が必要です。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へ大きな余震による揺れは、場所によっては本震の揺れと同じ程度になることがあります。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へ本震発生後1日目に発生した余震の数を基準にすると、1日あたりの余震の数は概ね経過日数に反比例して減少していきます。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へすなわち、2日目には約2分の1に、10日目には約10分の1に減ります。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へまた、本震の規模(マグニチュード)が大きいと、余震が収まるまでの期間が、一般的には長くなります。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へまた、1週間後以降も余震は続きます。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へなお、余震は、完全になくなるまでには何年もかかる場合があります。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へ例えば、平成7年(1995年)兵庫県南部地震の余震活動は20年以上経った現在でも続いており、2ヶ月に1回程度、震度1以上の揺れを観測する余震が発生しています。
気象庁「気象庁が発表する大地震後の地震活動の見通し」2026年9月1日確認
↩ 本文へ平成28年(2016年)熊本地震では、最初の規模の大きな地震後に発表した余震発生確率の値(パーセンテージ表現の確率値)が、通常の生活の感覚からすると、かなり低い確率であると受け取られ、安心情報であると受け取られた可能性があることが課題となりました。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へ気象庁では、原則として、大きな地震はこれ以上発生しませんという内容の情報(安全宣言)を出すことはありません。
気象庁2026年9月1日確認
↩ 本文へ気象庁では、最大震度5弱以上の余震の発生する頻度の見通しが月に1回程度を下回るまで、今後の地震活動の見通しや防災上注意すべきこと等について情報提供を続けることにしています。