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寝室だけは「身を守る動作」ができない
地震のとき、机の下に隠れる・頭を守るといった行動は、起きていればとれます。総務省消防庁も、揺れへの対応をこう説明しています。1
問題は、眠っている間は最初の数秒で動けないことです。目が覚めた時点で家具はもう倒れています。だから寝室は、行動でなく配置で守るしかない部屋になります。
内閣府によれば、けがの原因の多くが家具に関係しています。2
配置を決める3つの線引き
寝室の点検は、次の3点を順に見ていくと漏れません。
1. 家具が倒れて届く範囲に、寝る場所を入れない
背の高い家具は、高さの分だけ倒れると考えます。タンス、本棚、ハンガーラック、姿見。それぞれの高さを測り、その距離の内側に頭や体が入らない位置に寝具を移せるかを確認してください。動かせるのが数十センチでも、頭の位置が倒れる範囲から外れるなら意味があります。
家具の位置を動かせないなら、家具側を固定するしかありません。
2. 頭上と真上に「落ちてくる物」を置かない
倒れる家具だけでなく、上から落ちる物も寝室では危険です。総務省消防庁は照明器具についてこう説明しています。3
同じ資料は、額縁や壁掛け時計にも触れています。4
ベッドの真上にペンダントライト、頭側の壁に時計や額——寝室ではよくある配置ですが、いずれも頭部の真上から落ちてきます。枕の位置の真上には何も置かないを基本にしてください。
3. 出口までの経路を家具でふさがない
倒れた家具がドアの前をふさぐと、部屋から出られなくなります。ドアと寝具を結ぶ線上に、倒れうる家具を置かないのが原則です。とくにドアの内開き・外開きの向きによっては、倒れた家具1つで開かなくなります。窓側に逃げられるかも合わせて確認してください。
窓ガラスが割れると、逃げ道が一面ガラスになります。
枕元に置くもの、置かないもの
配置を直したうえで、手を伸ばせば届く場所に最低限の物をまとめます。東京都は、夜間の停電についてこう書いています。5
置くものは次の4点が中心です。
- 明かり: 停電時に部屋の状況を確認する。両手を使いたい場面が多いのでヘッドライトが扱いやすい
- 靴またはスリッパ: 割れたガラスの上を歩かずに済ませる
- 笛(ホイッスル): 閉じ込められたときに居場所を知らせる。声は長く出し続けられない
- 眼鏡: 普段かけている人は、これがないと以降の行動が難しくなる
同じ資料は、ヘッドライトの利点をこう説明しています。6
枕元に置く前提なら、軽さと手探りで点けられるスイッチかどうかが使い勝手を左右します。
足元の保護は、散乱したガラスを踏まないための備えです。
普段のスリッパでも素足よりは安全ですが、底の硬さがあるほど踏み抜きに強くなります。選び方の詳細は別記事にまとめています。
一方、枕元に置かないほうがよいものもあります。ガラス製品、重い本、金属の置物など、落ちて頭に当たる物は棚に上げず、床に近い位置へ移してください。
子ども部屋と高齢者の寝室は優先度が高い
同じ寝室でも、自力で逃げるのに時間がかかる人の部屋から先に手を付けます。子どもは寝入りが深く、高齢の家族は起き上がりに時間がかかります。二段ベッドの上段は天井までの距離が近く、頭の位置の真上に棚や照明がないかを特に確認してください。
明かりの電池規格は、家族分をそろえるときに効いてきます。
まとめ
- 寝室は行動で守れない部屋。配置で守る
- 倒れて届く範囲・頭上の落下物・出口までの経路の3点で点検する
- 枕元には明かり・靴・笛・眼鏡。ガラス製品や重い物は上に置かない
- 照明は直付けが安全。額縁や壁掛け時計も固定対象(総務省消防庁)
- 子ども・高齢の家族の寝室から先に着手する
家具側の固定方法は本棚の転倒防止と固定方法、器具の選び分けは転倒防止マットとストッパーの効果も参考にしてください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
総務省消防庁「地震に自信を―あなたを守る次の行動」2026年7月24日確認
↩ 本文へ地震発生直後は丈夫な机の下に隠れてその脚を握り、クッションなどで頭を保護しながら揺れが収まるのを待つ
内閣府「広報ぼうさい 特集3 地震に備える」2026年9月1日確認
↩ 本文へ近年発生した大きな地震でけがをした人の原因は、約30%から50%が家具類の転倒・落下・移動によるものでした
総務省消防庁「防災危機管理eカレッジ「8.照明器具等の落下防止」」2026年8月6日確認
↩ 本文へ照明器具は、天井や壁に直接取り付けるタイプのものが安全です
1本のコードでつってあるだけの照明器具は、チェーンとヒートンを使って数ヶ所をとめましょう
総務省消防庁「防災危機管理eカレッジ「8.照明器具等の落下防止」」2026年8月6日確認
↩ 本文へその他、額ぶち、壁掛け時計なども固定しましょう
東京都「「日常備蓄」で災害に備えよう」2026年8月6日確認
↩ 本文へ夜間の発災で停電した場合、暗闇の中、壊れた家具やガラスが散乱する部屋を歩くことは非常に危険です
東京都「「日常備蓄」で災害に備えよう」2026年8月6日確認
↩ 本文へ両手が空くヘッドライトは、料理や物を運ぶなど作業をする時に有効な照明です。家族各々が外出する時にも使うので、家族の人数分を用意しましょう