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南海トラフ地震臨時情報は、テレビで速報が流れても「で、自分は何をすればいいのか」が分かりにくい情報です。実際には発表されるキーワードごとに求められる行動が決まっていて、期間も区切られています。気象庁の資料に沿って、キーワード別の行動と、その裏側にある確率の話まで整理します。
情報には4つのキーワードが付く
臨時情報は情報名の後ろにキーワードが付く形で発表されます。まず調査が始まったことを知らせる「調査中」が出て、その後に評価結果が出ます。1
M6.8 という線引きには理由があります。2
つまり調査開始の基準は「本命の基準より少し低めに引いてある」ということです。調査中が出たからといって、警戒や注意に進むとは限りません。
「巨大地震注意」には、地震が起きたケースと、地震ではないゆっくりすべりのケースの2つの入口があるということです。
キーワード別に何をするか
気象庁は、キーワードごとにとるべき防災対応の例を示しています。
調査中
巨大地震警戒
巨大地震注意
「特別な備え」の部分は警戒と同じ文言で、事前避難の呼びかけが付かない形になります。
調査終了
| キーワード | 家庭でやること |
|---|---|
| 調査中 | 続報を待ちながら、避難の準備を始める |
| 巨大地震警戒 | 避難が間に合わない立地なら1週間の事前避難。それ以外は持出品を常に携帯 |
| 巨大地震注意 | 持出品の常時携帯と、すぐ逃げられる態勢の維持 |
| 調査終了 | 通常の生活に戻る。ただし切迫性は消えていない |
「特別な備え」の中身は、すぐに逃げられる態勢と非常持出品の常時携帯です。持出品を1袋にまとめていないと、この態勢は作れません。中身の考え方は防災リュックの中身、一次持出と二次持出の分け方は一次持出品と二次持出品の分け方にまとめています。
「1週間」で区切られる理由
警戒・注意の対応期間はどちらも1週間です。これは地震の危険が1週間で消えるからではありません。11
期間の根拠が「人が対応を続けられる限度」だという点は、報道ではあまり触れられません。1週間で解除されても危険が消えたわけではない、という読み方が要ります。
警戒が出た場合の流れも決まっています。12
警戒の1週間 → 注意の1週間、で合計2週間という組み立てです。備蓄を1週間分しか持っていないと、この2週目で足りなくなります。備蓄日数の考え方は備蓄は7日分という根拠で整理しました。
「どれくらい起きやすくなるのか」の数字
臨時情報は「地震が来る」という予知ではありません。相対的に高まった、という評価です。その度合いは数字で示されています。13
注意のケースで百回に1回、警戒のケースで十回に1回。「ほとんど起きない」とも「かなり高い」とも読める数字です。ここを知っておくと、情報が出たときに過剰反応も無反応も避けやすくなります。
情報が出ないまま来ることもある以上、平時の備えが本体で、臨時情報はその上乗せという位置づけになります。
対応が求められるエリアは決まっている
情報が出ても全国一律ではありません。17
この指定地域に住んでいるかどうかで、呼びかけの内容が変わります。自宅の想定震度と津波の想定はハザードマップの見方で先に確認しておくと、情報が出てから調べる手間がなくなります。
すでに揺れて津波警報が出ている場合の優先順位も示されています。18
臨時情報より津波警報が先、という順番です。
解除後にやっておくこと
注意の措置が解除されたあとの位置づけも書かれています。1920
臨時情報が出た1〜2週間で確認したことを、そのまま平時の状態にしておくのが本来の着地点です。家具の固定は家具転倒防止の突っ張り棒、家族の連絡方法は家族の安否確認ルールにまとめています。
なお、大きな地震のあとに続く揺れについても触れられています。21
まとめ
- キーワードは調査中・巨大地震警戒・巨大地震注意・調査終了の4種類
- 調査開始はM6.8以上。本命の基準(Mw7.0)より低めに引いて取りこぼしを防いでいる
- 巨大地震警戒では、避難が間に合わない立地の住民に1週間の事前避難が呼びかけられる
- 巨大地震注意でも「すぐ逃げられる態勢」と「非常持出品の常時携帯」は同じ
- 1週間という期間の根拠は、人が対応を続けられる限度。危険が消える期限ではない
- 警戒の1週間のあと、さらに注意の1週間が続く。備蓄は合計2週間を見ておくと安全側
- 後発地震の頻度は注意で概ね百回に1回、警戒で概ね十回に1回
- 情報が出ないまま突発的に発生することもあるため、平時の備えが本体
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ監視領域内(下図黄枠部)でマグニチュード6.8以上の地震が発生
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へモーメントマグニチュード7.0の地震をもれなく把握するために、マグニチュードの推定誤差を見込み、地震発生直後の速報的に求めたマグニチュードでM6.8以上の地震から調査を開始します
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ想定震源域内のプレート境界において、モーメントマグニチュード8.0以上の地震が発生したと評価した場合
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ監視領域内において、モーメントマグニチュード7.0以上の地震が発生したと評価した場合(巨大地震警戒に該当する場合は除く)
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ想定震源域内のプレート境界面において、通常と異なるゆっくりすべりが発生したと評価した場合
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へ個々の状況に応じて避難等の防災対応を準備・開始し、今後の情報に注意してください
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へ地震発生後の避難では間に合わない可能性のある住民は1週間の事前避難を行いましょう
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へ日頃からの地震への備えの再確認に加え、特別な備え(すぐに逃げられる態勢の維持や非常持出品の常時携帯など)を行い、必要に応じて自主的に避難を行いましょう
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へ地震の発生に注意しながら通常の生活を行いましょう
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へただし、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではないことに留意が必要です
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へ1週間という期間は、人々が対応を続けられる限度等を加味しているため、大規模地震の発生から1週間が経過した後も、地震の発生可能性は当初より低下しているものの、発生の可能性がなくなったわけではありませんので、引き続き巨大な地震・津波に備えることが重要です
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ後発地震が発生しないまま1週間が経過した場合、国は、後発地震に対して警戒する措置を解除し、さらに1週間、後発地震に対して注意する措置をとる旨、呼び掛けられます
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ世界的事例を踏まえると、Mw7.0以上の地震発生後7日以内にMw8クラス以上(Mw7.8以上)の後発地震が発生する頻度は、概ね百回に1回程度(Mw8.0以上の地震発生後にMw8クラス以上の後発地震が発生する頻度は、概ね十回に1回程度)であり、異常な現象が観測される前の状況より十倍(Mw8.0以上の地震発生後の場合は100倍)程度高くなっています
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ現在の科学的知見では、南海トラフ地震の発生時期・発生場所・規模を確度高く予測することはできません
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ南海トラフ沿いで異常な現象が観測されず、本情報の発表がないまま、突発的に南海トラフ地震が発生することもあります
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ地震発生の可能性が相対的に高まったと評価した場合でも南海トラフ地震が発生しないこともあります
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へ高さ3m以上の津波又は震度6弱以上の揺れが発生すると想定される地域などを基に指定された地域
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へなお、既に発生した地震に伴う津波警報等が発表されている地域では、津波への防災行動を最優先とし、避難情報に留意するとともに警報が解除されるまで安全な場所にとどまり続けてください
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へ国から後発地震に対して注意する措置を解除された後であっても、南海トラフ地震発生の切迫性は高い状態にあり、いつ地震が発生してもおかしくないことに留意が必要です
気象庁「「南海トラフ地震臨時情報」が発表されたときの防災対応」2026年8月15日確認
↩ 本文へ家具の固定や避難場所・避難経路の確認など、これまでに再確認した地震への備えを徹底し、日常生活を送ってください
気象庁「「南海トラフ地震に関連する情報」について」2026年8月15日確認
↩ 本文へまた、大規模地震発生後は同程度の規模の地震も含めて地震活動が活発になり、繰り返し強い揺れや津波を伴う地震に見舞われることがあります