災害別

内水氾濫とは|川があふれていないのに浸水する仕組みと備え

根拠: 国土交通省「水害対策を考える 3-3-2 都市部で顕在化する「内水氾濫」」(2026年8月18日確認)

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川のそばに住んでいないのに浸水する——これが内水氾濫です。川から水が来るのではなく、降った雨が出ていけなくなる水害で、都市部ではむしろこちらが主役になっています。

内水氾濫の仕組み:雨水の「行き場」がなくなる

川の水が堤防を越えてあふれるのが外水氾濫。内水氾濫はその逆で、市街地に降った雨が排水しきれずにあふれます。国土交通省は仕組みをこう説明しています。12

大きな川(本川)の水位が上がると、そこへ注ぐ中小河川や下水道が行き止まりになります。降った雨はポンプや水路で川へ送られる設計ですが、送り先が満杯なら逆流するか、地表にあふれるしかありません。マンホールや側溝から水が噴き出すのはこのためです。

都市部では被害額の主役

東京都の水害被害額の80%が内水氾濫です。堤防が立派になるほど外水氾濫は減り、残った内水氾濫が主役になる——都市化で地面が舗装され、雨水が地中に染み込まずに一気に集まることも効いています。34

外水氾濫との違いを整理する

内水氾濫外水氾濫
水の出どころ降った雨が排水できずあふれる川の水が堤防を越える・壊す
起きる場所川から離れた市街地でも起きる川の近く
水の性質比較的浅いが、局地的で突然深く広範囲、流れが速い
予兆からの時間短い(豪雨のさなかに発生)川の水位上昇をある程度追える

内水氾濫の怖さは速さです。川の氾濫危険情報を待っていては間に合わず、豪雨の最中に足元から始まります。短時間豪雨をもたらす現象は線状降水帯とは何かで扱っています。

家庭でできる備え

  1. ハザードマップは「内水」版を確認する。洪水(外水)ハザードマップと内水ハザードマップは別に作られている自治体が多く、川から遠い家こそ内水版が要ります(ハザードマップの見方)
  2. 地下・半地下・アンダーパスを避ける。内水は低いところに集まります。地下空間の危険は地下街の浸水対策を参照
  3. 玄関の簡易止水を用意する。浅い浸水が主体の内水氾濫では、土のうや水のうで玄関・排水口からの浸入を抑える対策が効きます。作り方は簡易水のうの作り方、購入は土のうの通販での買い方
  4. トイレ・風呂の逆流に備える。下水道が満杯になると排水口から逆流します。ビニール袋に水を入れた水のうで排水口をふさぐ方法が上の記事で使えます
  5. 在宅で耐えるか離れるかの基準を決めておく(水害時に在宅避難できるか)

まとめ

出典と根拠

本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。

  1. 国土交通省「水害対策を考える」2026年8月18日確認

    河川は大雨時の増水で、中・下流域の水位が高くなる。
    ↩ 本文へ
  2. 国土交通省2026年8月18日確認

    そのため、本川に合流する都市部などの中小河川(支川)では、支川から本川へ大量の雨水を流すことができずに、地表に水があふれ出る内水氾濫が起こる。
    ↩ 本文へ
  3. 国土交通省2026年8月18日確認

    洪水被害(外水氾濫、内水氾濫)の被害額でみると、内水氾濫は全国では約半分だが、東京都では80%を占める。
    ↩ 本文へ
  4. 国土交通省2026年8月18日確認

    比較的、堤防の整備が進んだ都市部では、内水氾濫が新たな課題となっている。
    ↩ 本文へ