地下街で浸水に気づいたら|外に出るか留まるかの判断と、事前に決めておくこと
根拠: 国土交通省「自衛水防(企業防災)について(地下空間の浸水対策)」(2026年8月10日確認) ほか7件(記事末に一覧)
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地下街の怖さは「水」より先に「見えないこと」
大雨のとき、地下街にいると外の様子がわかりません。雨音も聞こえず、通路は明るく、店も普通に営業しています。この「地上が見えない」という条件が、地下空間の浸水リスクを押し上げています。1
挙げられている条件は3つです。地上の状況が把握しにくい・水が一気に流入する・避難経路が限られる。どれも、その場に立ってから対処するのが難しい条件ばかりです。だからこの記事は「地下街にいるときに何をするか」より、「地下街に入る前に何を決めておくか」に重心を置きます。
隣の施設からも水は来る
地下街は単独の空間ではありません。地下鉄の駅、接続しているビルの地下、駐車場が通路でつながっています。2
自分がいる地下街の入口が無事でも、つながっている別の施設の階段から水が入ってくることがあります。「この出入口は高い場所にあるから大丈夫」という見立ては、地下街では成り立ちにくいということです。3
施設側は連携して訓練する前提で計画を作ります。利用者側にできるのは、その計画に沿った誘導が始まったときに素直に従うことと、自分の判断材料を先に持っておくことです。
入る前に決めておく3つ
1. その日、地下街に行っていいのかを警戒レベルで決める
地下街に入るかどうかは、入る前に決めます。判断の物差しは警戒レベルです。45
レベル2は「確認する段階」です。地下街の用事なら、この時点で予定をずらす判断ができます。レベル3・4が出ている地域で地下街に降りるのは、避難とは逆向きの移動になります。
- 政府広報オンライン(内閣府)「「警戒レベル4」までに危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう」(「大雨や台風による洪水・土砂災害・高潮等に備え、防災情報は危険度に応じた5段階の「警戒レベル」で伝達され、警戒レベル3で高齢者等の避難、警戒レベル4で対象地域住民全員の避難が呼びかけられる」)
警戒レベルの意味は警戒レベルの意味と、レベルごとにやることで整理しています。
2. よく使う地下街の「浸水想定」を地図で見ておく
地下街そのものは地図に色がついていないことがありますが、その地下街がある地上の一帯の浸水深は確認できます。地上が浸水する想定の場所なら、その下の空間は水の行き先になります。見方はハザードマップの見方にまとめました。67
内水氾濫の見方は水害のとき在宅避難でいいかの判断も合わせて読むと判断しやすくなります。
3. 出口を2つ覚える
避難経路が限られるのが地下空間の特徴です。いつも使う出口だけでなく、反対側の出口も1つ覚えておきます。覚え方は難しくありません。改札を出たあと、いつもと逆方向の案内表示を一度見るだけです。
地下街にいるときに、雨に気づく方法
地上が見えない以上、情報は端末から取るしかありません。8
地下街は電波が届く場所と届かない場所が混在します。館内アナウンスが入ったら、それが最優先の情報です。自分のスマートフォンが圏外でも、施設側は地上の状況を把握しています。
情報の取り方は災害時の情報入手手段で整理しています。
誘導が始まったら、荷物より階段
階段を上がるときに両手がふさがっていると、手すりが使えません。買い物袋は片手にまとめるか、置いていく判断になります。91011
長靴を避ける理由は、水が入ると重くなって動きにくくなるためです。地下街から地上へ上がる動線は階段が中心なので、この差は大きく出ます。靴の選び方は防災用の靴・スニーカーの選び方にまとめました。
地上に出たあとも、まだ水の中かもしれない
地下街を出たところが冠水していることがあります。12
通勤カバンに全部は入りませんが、明かりだけは携帯する価値があります。地下空間で停電が起きると、窓がないぶん完全な暗闇になります。両手を空けたいので、手持ちより頭に着けるタイプが向いています。
明かりの選び方は防災ライトのルーメンの目安とヘッドライトは防災に必要かで比較しています。
はぐれたときや動けなくなったときに音を出す道具も、カバンに入れておける大きさです。
選び方は大音量ホイッスルの選び方で扱っています。
まとめ
- 地下空間のリスクは「地上が見えない・水が一気に来る・逃げ道が限られる」の3点
- つながっている別の施設から水が入ることがある
- 警戒レベル2の時点で、地下街に行く用事はずらせる
- 出口は2つ覚える。誘導が始まったら荷物より階段
- 通勤カバンにはヘッドライトとホイッスルが入る
判断を現地でしないこと。これが地下街での浸水対策の中身です。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
国土交通省「自衛水防(企業防災)について(地下空間の浸水対策)」2026年8月10日確認
↩ 本文へ地下空間は、地上の状況が把握しにくく、氾濫水が一気に流入する、避難経路が限定される等の理由により、浸水に対して非常にリスクが高い空間です。
国土交通省「地下街等における連携した避難確保・浸水防止計画の作成」2026年8月10日確認
↩ 本文へ地下街等における浸水は、連続する施設との間で連携がとれていない場合、これらの施設から地下街等に浸水し、予期せぬ拡大が生じる可能性があります。
国土交通省「地下街等における連携した避難確保・浸水防止計画の作成」2026年8月10日確認
↩ 本文へ地下街等における浸水の特性を踏まえ、連続する施設(地下街、地下鉄、接続ビル等)で連携して訓練を実施することが重要です。
内閣官房「防災気象情報と警戒レベル」2026年7月24日確認
↩ 本文へ警戒レベルは1から5まであり、レベル4までに必ず避難することとされている
内閣官房「防災気象情報と警戒レベル」2026年7月24日確認
↩ 本文へレベル2の段階でハザードマップ等により避難行動を確認することとされている
国土交通省「ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう〜身のまわりの災害リスクや避難場所の確認が地図上で簡単にできます〜」2026年8月6日確認
↩ 本文へ洪水、内水氾濫、高潮、津波等による浸水想定区域と浸水深
国土交通省「ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう〜身のまわりの災害リスクや避難場所の確認が地図上で簡単にできます〜」2026年8月6日確認
↩ 本文へ災害から命を守るためには、身のまわりでどのような災害リスクがあるか、どこへどのようなルートで避難すればよいのかなどを事前に確認し、備えておくことが重要です
国土交通省「水害から身を守る」2026年8月6日確認
↩ 本文へ『川の防災情報』『XRAIN』などのホームページでは、雨量や水位、洪水予報・警報、ダム放流通知などの情報を随時発信しています
千葉県「避難のときの注意点」2026年9月1日確認
↩ 本文へ持ち物は最小限にして、リュックなどに入れ、両手が使えるようにして、避難してください
千葉県「避難のときの注意点」2026年9月1日確認
↩ 本文へもし、忘れ物をしても、家へ戻るのは危険ですので、絶対に止めましょう
千葉県「避難のときの注意点」2026年9月1日確認
↩ 本文へ靴はスニーカー(長靴は水が入ると動きにくいので避ける)
東京消防庁「台風・大雨に備えよう」2026年9月1日確認
↩ 本文へ懐中電灯、携帯用ラジオ(乾電池)、救急薬品、衣類、非常用食品、携帯ボンベ式コンロ、貴重品など