災害別

土砂災害警戒区域の調べ方 — 自宅が入っているか確認し、意味を読み解く

根拠: 国土交通省「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等について」(2026年8月21日確認) ほか4件(記事末に一覧)

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家の裏に斜面がある。少し離れたところに崖がある。気にはなるものの、それが法律上の区域に入っているかどうかは調べたことがない——という状態のまま住み続けている家庭は多いと思います。

この記事は、調べる手順と、調べた結果をどう読むかを書きます。区域に入っていた場合、何が変わるのかまで含めて整理します。

2種類ある:警戒区域と特別警戒区域

まず名前が似た2つを分けます。指定の根拠は土砂災害防止法です。

土砂災害警戒区域(いわゆるイエローゾーン)の位置づけです。1

土砂災害特別警戒区域(いわゆるレッドゾーン)は、規制の中身が加わります。2

読み分けると、イエローは「知らせて、避難体制を整える」区域、レッドは「加えて建てることに制限がかかる」区域です。

課される内容も列挙されています。イエローゾーン側です。3

レッドゾーン側です。4

区分主な内容誰が担うか
土砂災害警戒区域危険の周知、警戒避難体制の整備、ハザードマップの配布市町村等
土砂災害特別警戒区域特定開発行為の許可制、建築物の構造規制、移転等の勧告都道府県、市町村

家を建てる・売る・買うときに効いてくるのはレッド側です。イエローは規制ではなく、周知と体制整備が中心になります。

指定するのは都道府県

調べる前に、誰が持っている情報かを押さえておくと迷いません。区域の指定は都道府県が行います。指定の前提として、調査が入ります。5

調査結果は公表されます。6

つまり、基礎調査は済んでいるが指定はまだ、という段階の場所もあるということです。地図で「指定なし」と出ても、調査結果のほうを見ると危険性が示されていることがあります。

調べる手順

手順1:重ねるハザードマップで大づかみに見る

国土交通省のポータルサイトで、複数の災害リスクをまとめて確認できます。7

住所を入れて、土砂災害のレイヤーを表示します。まずここで、イエロー/レッドのどちらに掛かっているか、あるいは掛かっていないかを見ます。地図の読み方はハザードマップの見方にまとめています。

手順2:都道府県の土砂災害情報で正確に見る

ポータルは全国の情報を集約したものなので、指定の正確な範囲と告示の情報は、指定した都道府県の地図で確認します。「(都道府県名) 土砂災害警戒区域」で探すと、砂防担当課が公開している地図に行き着きます。ここでは、区域の境界が敷地のどこを通っているかまで見られることが多くあります。

手順3:境界にかかる場合は窓口で確認する

地図の縮尺では、敷地の一部だけが区域に掛かっているのか判断できないことがあります。この場合は、都道府県の砂防担当課か市町村の窓口に問い合わせます。建築や売買の判断に使うなら、地図の目視ではなく窓口の回答を根拠にするのが確実です。

手順4:市町村のハザードマップで避難先を確認する

区域の有無がわかったら、次は避難です。イエローゾーンでは市町村がハザードマップを配布することになっています。区域そのものより、避難所までの経路が別の区域を通っていないかのほうが実務的には重要です。

区域に入っていた場合に考えること

前兆をどう受け取るか

土砂災害は前触れがあることが示されています。8

気づいたときの行動も書かれています。9

ただし、前兆に頼りきる運用は危険です。10

前兆の具体は土砂災害の前兆にまとめています。

避難のタイミングを警戒レベルに紐づける

前兆を待たずに動くために、情報の側で線を引きます。11

高齢者等はもう一段早く動きます。

家族の行動を時系列に落とす方法はマイ・タイムラインの作り方に、レベルごとの意味は警戒レベルの意味にまとめています。

外に出られない場合の逃げ方

避難所へ向かうことが危険な状況もあります。12

建物の中での逃げ場も示されています。13

崖から遠い側の部屋がどこかを、平時に家族で決めておきます。寝室がその部屋にできるなら、夜間の対応が楽になります。在宅で留まるかどうかの判断は水害時に在宅避難できるかの判定の考え方が使えます。

情報を受け取り続ける手段

大雨のときは停電と通信の混雑が重なります。避難の判断に必要な情報を切らさないために、電池で動く受信手段を一つ持っておくと確実です。

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情報の取り方全体は災害情報の入手手段にまとめています。

区域の外なら安全か

ここは誤読が多い点です。区域は、地形や地質の調査に基づいて指定されています。したがって、盛土や造成の履歴、宅地の水はけといった敷地固有の条件は、区域の内外だけでは表れません14

擁壁の水抜き穴も観察点として挙げられています。15

区域外であっても、斜面が近いなら前兆の観察対象として扱うのが妥当です。

まとめ

出典と根拠

本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。

  1. 国土交通省「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等について」2026年8月21日確認

    土砂災害による被害を防止・軽減するため、危険の周知、警戒避難体制の整備を行う区域
    ↩ 本文へ
  2. 国土交通省「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等について」2026年8月21日確認

    避難に配慮を要する方々が利用する要配慮者利用施設等が新たに土砂災害の危険性の高い区域に立地することを未然に防止するため、開発段階から規制していく必要性が特に高いものに対象を限定し、特定の開発行為を許可制とするなどの制限や建築物の構造規制等を行う区域。
    ↩ 本文へ
  3. 国土交通省「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等について」2026年8月21日確認

    警戒避難体制の整備【市町村等】ハザードマップの配布【市町村等】要配慮者利用施設における避難確保計画の作成等【施設管理者】
    ↩ 本文へ
  4. 国土交通省「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等について」2026年8月21日確認

    特定開発行為に対する制限【都道府県】建築物の構造規制【都道府県または市町村】建築物の移転等の勧告【都道府県】
    ↩ 本文へ
  5. 国土交通省「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等について」2026年8月21日確認

    地形、地質、土地利用状況等を踏まえて、区域指定及び土砂災害防止対策に必要な机上及び現地調査を実施
    ↩ 本文へ
  6. 国土交通省「土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等について」2026年8月21日確認

    基礎調査の結果を公表(住民の危険性の認識と、指定促進のため。)
    ↩ 本文へ
  7. 国土交通省「ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう」2026年8月6日確認

    身のまわりの各種災害リスクをまとめて確認できるとともに、以下のような情報を地図上に重ね合わせて簡単に確認することができます
    ↩ 本文へ
  8. 内閣府「広報ぼうさい 特集2 土砂災害に備える」2026年8月15日確認

    土砂災害が発生する前には、様々な前兆現象が起こる時があります
    ↩ 本文へ
  9. 内閣府「広報ぼうさい 特集2 土砂災害に備える」2026年8月15日確認

    こうした前兆現象に気づいたら、周囲の人にも伝え、直ぐに避難をすることが大切です
    ↩ 本文へ
  10. 内閣府「広報ぼうさい 特集2 土砂災害に備える」2026年8月15日確認

    しかも、その発生を事前に予測することは非常に難しいです
    ↩ 本文へ
  11. 内閣官房「防災気象情報と警戒レベル」2026年7月24日確認

    警戒レベルは1から5まであり、レベル4までに必ず避難することとされている
    ↩ 本文へ
  12. 内閣府「広報ぼうさい 特集2 土砂災害に備える」2026年8月15日確認

    激しい雨や暴風のために、避難場所への避難が困難な場合は、近くの頑丈な建物の2階以上に避難しましょう
    ↩ 本文へ
  13. 内閣府「広報ぼうさい 特集2 土砂災害に備える」2026年8月15日確認

    それが難しい場合は、家の中で、崖や沢筋からなるべく離れた部屋や2階など、より安全な場所に退避しましょう
    ↩ 本文へ
  14. 内閣府「広報ぼうさい 特集2 土砂災害に備える」2026年8月15日確認

    盛土地では、地質・地形が不安定なので、大雨が降ると地盤がゆるみ崩れる危険があります
    ↩ 本文へ
  15. 内閣府「広報ぼうさい 特集2 土砂災害に備える」2026年8月15日確認

    水抜きの穴から濁った水が出始めたら要注意です
    ↩ 本文へ