避難所の食事はどうなるか|配給の中身と、自分で足しておく分
根拠: 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1) なぜ家庭備蓄が必要なのか」(2026年8月6日確認) ほか3件(記事末に一覧)
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避難所に行けば食事は出ます。ただし、出るものと自分に必要なものが一致するとは限りません。国の資料は、何を目標に献立が組まれるかまで示しています。
最初の数日は「届くまで」の時間がある
そもそも支援が回り始めるまでには時間差があります。1
だから家庭備蓄の目安も示されています。2
避難所にいても、この立ち上がりの時間は同じように存在します。
配給が目指しているのは「栄養の参照量」
食事提供が回り始めた後、何を基準に献立が組まれるのか。厚生労働省の事務連絡に数値が出ています。
- 厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室「避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の実施について(平成23年6月14日事務連絡)」(「表1「避難所における食事提供の評価・計画のための栄養の参照量」は、1歳以上1人1日当たりでエネルギー1,800〜2,200kcal、たんぱく質55g以上、ビタミンB1 0.9mg以上、ビタミンB2 1.0mg以上、ビタミンC 80mg以上としている」)
ビタミンが名指しされているのは、主食中心の配給になりがちだからです。おにぎりとパンだけでは埋まりません。
献立の考え方にも言及があります。3
これは長期化した段階で目指す姿です。裏を返せば、最初から多様なメニューが並ぶわけではありません。
個別対応は「申し出る」ことが前提になっている
アレルギーや持病がある場合の扱いも書かれています。4
アレルギーについては別立てで触れられています。5
要望があった場合という書き方です。黙っていて自動的に届く仕組みではないため、自分から申し出る前提で考えておく必要があります。それでも届くまでには時間がかかるので、当座の分は自分で持つのが現実的です。アレルギー対応の備蓄は非常食のアレルギー対応にまとめています。
食事管理が必要な人への配慮も、掲示や選択メニューという形で示されています。6
乳幼児や高齢者、慢性疾患のある人向けの備蓄情報は、農林水産省がガイドブックとしてまとめています。7
離乳食の備え方は離乳食の備蓄とベビーフードを参照してください。
「自分で買い足せる」前提も書かれている
事務連絡には、購入できる環境がある場合の記述もあります。8
つまり配給は「全部をまかなうもの」ではなく「不足が出る前提のもの」として設計されています。埋めるのは自分の持ち込み分です。
何を持ち込むか
配給で出やすいのは主食と水です。逆に不足しやすいのは、おかず・野菜・たんぱく質、そして味の変化です。
| 不足しがちなもの | 持ち込みで埋める例 |
|---|---|
| たんぱく質 | 缶詰、レトルトのおかず |
| ビタミン | 野菜ジュース、フリーズドライのスープ |
| 味の変化 | ふりかけ、調味料の小袋 |
| 甘いもの | 羊羹、ビスケット |
主食側を自分で持つ場合、水かお湯で戻せるアルファ米は避難所でも扱いやすい形です。
こんな人に非常食を1種類でそろえると飽きて食べ進まない
選ぶ理由12種類の味が入った尾西のアルファ米。5年保存で、まず味の幅を試すのに向く
戻し方と必要な水の量はアルファ米の作り方と必要な水にまとめました。
調理も水も要らないものを1つ入れておくと、配給の合間を埋められます。羊羹は封を切ってすぐ食べられ、リュックの隙間に収まります。
備蓄を回しながら好みを探す方法はローリングストックのやり方で扱っています。
食べる前後の衛生も見落とさない
水が限られる場所では、食事のたびに手を洗えるとは限りません。9
共用の道具には注意が要ります。10
自分用のタオルとアルコールを持っていくのは、体裁ではなく感染症対策です。持ち物全体の絞り方は避難所への持ち物、最低限は何か、そもそも避難所と避難場所の違いは避難所と避難場所の違いを参照してください。
まとめ
- ライフライン復旧まで1週間以上かかるケースが多く、配給の立ち上がりにも時間差がある
- 食事提供の目標値は1歳以上1人1日当たりでエネルギー1,800〜2,200kcal、たんぱく質55g以上などが示されている
- アレルギー対応は「要望があった場合」に支援する枠組み。自分から申し出る前提で考える
- 自分で購入できる場合は不足しがちな食品を補うことが想定されている
- 持ち込みで埋めるのはたんぱく質・ビタミン・味の変化。主食は自分で持つならアルファ米が扱いやすい
- 共用タオルや手洗いバケツは避けるとされている。自分用の衛生用品を持つ
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1) なぜ家庭備蓄が必要なのか」2026年8月6日確認
↩ 本文へ災害発生からライフライン復旧まで1週間以上を要するケースが多くみられます
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1) なぜ家庭備蓄が必要なのか」2026年8月6日確認
↩ 本文へ最低3日分〜1週間分×人数分の食品の家庭備蓄が望ましいといわれています
厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室「避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の実施について(平成23年6月14日事務連絡)」2026年8月15日確認
↩ 本文へ献立作成に当たっては、食欲不振等を来さないように、利用者のニーズも考慮し、利用者の希望するメニューや暑さに配慮した食べやすいメニューを取り入れるなど、メニューの多様化や適温食の提供に配慮すること
厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室「避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の実施について(平成23年6月14日事務連絡)」2026年8月15日確認
↩ 本文へ高齢者や病者など個別対応が必要な者に係るニーズの把握に努めるとともに、栄養補助食品の活用も含め、適切な支援を行うこと
厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室「避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の実施について(平成23年6月14日事務連絡)」2026年8月15日確認
↩ 本文へまた、アレルギー対応食品の要望があった場合には、適切に支援すること
厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室「避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の実施について(平成23年6月14日事務連絡)」2026年8月15日確認
↩ 本文へ糖尿病や高血圧など食事管理の必要な方が食事の内容や量の調整ができるように、食事のエネルギーや食塩の含有量について簡易な掲示を行ったり、食材やエネルギー量の異なる選択メニューを導入するなど、できる限り工夫すること
農林水産省「農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(ガイドブック一覧)」」2026年9月1日確認
↩ 本文へ乳幼児、高齢者、慢性疾患・食物アレルギーの方などに向けて、家庭備蓄を行う際に必要な情報、災害時における食事の注意点などをとりまとめた
厚生労働省健康局総務課生活習慣病対策室「避難所における食事提供に係る適切な栄養管理の実施について(平成23年6月14日事務連絡)」2026年8月15日確認
↩ 本文へ避難所の食事提供以外に、利用者自身が食品を購入できる環境にある場合には、避難所で提供される食事で不足しがちな食品を推奨するなど、健康管理につながる情報の提供に努めること
厚生労働省「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」2026年8月9日確認
↩ 本文へ使用後は、流水が利用できるときは手指を流水・石けんで洗えるようにし、消毒を励行しましょう
厚生労働省「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」2026年8月9日確認
↩ 本文へトイレへの共用タオルや手洗いバケツの設置は感染症の流行を広げる恐れがありますので、避けましょう