広域避難場所とは|指定緊急避難場所・指定避難所との違いを整理
根拠: 内閣府「令和3年版 防災白書「指定緊急避難場所と指定避難所の確保」」(2026年8月15日確認) ほか3件(記事末に一覧)
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「広域避難場所」「一時避難場所」「指定避難所」——似た言葉が並ぶせいで、いざというときにどこへ向かえばいいのか分からなくなります。混乱の原因は名前の似かたではなく、それぞれ目的が違うことにあります。
法律上の分類は2つ
災害対策基本法にもとづく区分は、大きく2種類です。1
前者が指定緊急避難場所(命を守るために逃げ込む先)、後者が指定避難所(その後に滞在する先)です。この2つは目的が違うため、同じ場所が両方を兼ねることもあれば、別々のこともあります。
「広域避難場所」はどこに位置づくか
広域避難場所は、法律上の名称というより自治体が使ってきた運用上の呼び名です。市街地大火など、広い範囲に危険が及ぶ災害から逃れるために設けられた、大規模な公園・緑地・大学のグラウンドなどが指定されています。
役割としては、上の分類でいう「命の安全を確保するために緊急に避難する場所」の側です。したがって、
- 火が迫ってきた・広範囲に危険がある → 広域避難場所へ
- 危険が去った後、自宅に戻れない → 指定避難所へ
という順になります。呼び名や指定は自治体ごとに異なるため、自分の市区町村がどの名前で何を指定しているかを確認しておくことが実際には一番効きます。2つの違いをさらに詳しく見る場合は避難所と避難場所の違いにまとめています。
一時(いっとき)集合場所との関係
多くの自治体では、広域避難場所へ移動する前に近所でいったん集まる「一時集合場所」を設けています。町会単位の公園や学校の校庭が使われることが多く、集まって安否を確認してから、まとまって広域避難場所へ向かうという流れです。ここも自治体ごとに運用が違います。
要配慮者向けの避難先は別にある
高齢者や障害のある人など、一般の避難所では生活に支障が出る人のための避難先も制度化されています。
- 内閣府「福祉避難所の確保・運営ガイドライン(平成28年4月、令和3年5月改定)」(「福祉避難所の受入対象者として想定されているのは、法律上「要配慮者」ということになる」「災害対策基本法施行令第20条の6第1号から第4号までに定める基準にのみ適合する施設を「指定一般避難所」、同条第1号から第5号までに定める基準に適合する施設を「指定福祉避難所」として公示することとした」)
詳しくは福祉避難所とはにまとめています。
事前に確認しておくこと
避難先は、危険が迫ってから調べるものではありません。2
確認しておく項目は次の3つです。
- 自宅がどの災害でどれくらいの危険があるか(ハザードマップの見方)
- 災害種別ごとの避難先(洪水と地震で行き先が変わることがある)
- そこまでの経路を昼と夜の両方で
警戒レベルと避難のタイミングは警戒レベルの意味に、家族で決めておく段取りはマイ・タイムラインの作り方にまとめました。
向かうときの服装と荷物
千葉県が、避難時の身なりを具体的に示しています。3
荷物の分け方は一次持ち出しと二次持ち出しの分け方を参照してください。
持ち出し用に用意しておくもの
避難先が分かっていても、両手が空く荷物にまとまっていなければ動けません。防災セットを起点に、家族構成に応じて足すのが手早い組み方です。ホイッスルは、瓦礫や暗所で自分の位置を知らせるために軽量で入れやすい装備です。
まとめ
- 法律上の区分は「指定緊急避難場所(命を守る)」と「指定避難所(その後に滞在する)」の2つ
- 広域避難場所は前者の側で、市街地大火など広範囲の危険から逃れるための大規模な場所
- 一時集合場所 → 広域避難場所 → 指定避難所、という順で動く運用が多い
- 呼び名と指定は自治体ごとに違う。自分の市区町村の表記で確認する
- 災害種別によって行き先が変わることがあるため、平時にハザードマップで確認しておく
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府「令和3年版 防災白書「指定緊急避難場所と指定避難所の確保」」2026年8月15日確認
↩ 本文へ津波や洪水等による危険が切迫した状況において、住民等の生命の安全の確保を目的として住民等が緊急に避難する施設又は場所
避難した住民等を災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在させ、又は災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させることを目的とした施設
内閣官房「防災気象情報と警戒レベル」2026年7月24日確認
↩ 本文へレベル2の段階でハザードマップ等により避難行動を確認することとされている
千葉県「避難のときの注意点」2026年9月1日確認
↩ 本文へヘルメットや帽子で頭を保護
荷物は両手が空くリュック
けがを防ぐため、夏でも長袖・長ズボン
持ち物は最小限にして、リュックなどに入れ、両手が使えるようにして、避難してください