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ハザードマップを開くと、似た名前の記号が2種類出てきます。「避難場所」と「避難所」です。名前が似ているだけで、役割はまったく違います。
定義そのものが分かれている
災害対策基本法では、この2つは別の施設として定義されています。まず、緊急に逃げ込む先が指定緊急避難場所です。1
一方、指定避難所は滞在するための場所です。2
前者は危険が迫った瞬間、後者は危険が過ぎた後の話です。目的が違うので、同じ建物が両方を兼ねることもあれば、まったく別の場所になることもあります。
| 指定緊急避難場所 | 指定避難所 | |
|---|---|---|
| 目的 | 生命の安全の確保 | 一定期間の滞在 |
| タイミング | 危険が切迫した状況 | 危険がなくなるまで、または家に戻れないとき |
| 場所の例 | 高台、公園、広場、津波避難ビル | 学校、体育館、公民館 |
「災害の種類ごとに指定されている」のが見落とされやすい
指定緊急避難場所は、災害の種類ごとに指定されます。洪水では使える場所が、土砂災害では使えないことがあります。近所の学校だから大丈夫、という覚え方だと外します。
確認の手段はハザードマップです。3
事前に見ておく理由も同じページに書かれています。4
地図の読み方はハザードマップの見方で手順化しています。
警戒レベルと対応させて覚える
風水害では、行政から出る情報が5段階の警戒レベルで整理されています。動くタイミングもここで決まります。
- 政府広報オンライン(内閣府)「「警戒レベル4」までに危険な場所から全員避難!5段階の「警戒レベル」を確認しましょう」(「大雨や台風による洪水・土砂災害・高潮等に備え、防災情報は危険度に応じた5段階の「警戒レベル」で伝達され、警戒レベル3で高齢者等の避難、警戒レベル4で対象地域住民全員の避難が呼びかけられる」)
このとき向かう先が指定緊急避難場所です。そこから先、家が使えないと分かった段階で指定避難所の話になります。段階の詳細は警戒レベルの意味にまとめました。
移動そのものが危ないこともある
暴風雨のなかを歩いて向かう前提だと、服装と荷物が結果を分けます。5
そして、取りに戻る行為は明確に止められています。8
両手が空くことが条件なので、袋を提げていく形は選べません。
夜間や停電下だと足元が見えません。手に持つ懐中電灯だと傘や手すりに手を使えなくなるため、頭に付ける形が向いています。
持ち物の絞り方は避難所への持ち物、最低限は何かを参照してください。
外出先で被災したときは別の枠組みになる
自宅から避難する場合と違い、出先で足止めされた場合に向かうのは一時滞在施設です。これも避難所とは別に整理されています。9
開設のタイミングにも注意が要ります。10
詳しくは一時滞在施設の使い方にまとめています。
避難所に行かない選択肢も併せて持つ
建物が無事なら、指定避難所へ移らず自宅にとどまる判断もあります。その場合に必要な備えは在宅避難で必要なものリスト、避難所に入った後の食事の実態は避難所の食事はどうなるかで扱っています。
まとめ
- 指定緊急避難場所は「生命の安全の確保」、指定避難所は「一定期間の滞在」が目的
- 同じ建物が兼ねることもあるが、別の場所であることも多い
- 指定緊急避難場所は災害の種類ごとに指定される。ハザードマップで種類別に確認する
- 風水害では警戒レベル4までに全員避難。向かう先は指定緊急避難場所
- 移動時はスニーカーとリュックで両手を空ける。忘れ物を取りに戻らない
- 出先で足止めされた場合は一時滞在施設。開設情報が出てから動く
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府「令和3年版 防災白書「指定緊急避難場所と指定避難所の確保」」2026年8月15日確認
↩ 本文へ津波や洪水等による危険が切迫した状況において、住民等の生命の安全の確保を目的として住民等が緊急に避難する施設又は場所
内閣府「令和3年版 防災白書「指定緊急避難場所と指定避難所の確保」」2026年8月15日確認
↩ 本文へ避難した住民等を災害の危険性がなくなるまで必要な期間滞在させ、又は災害により家に戻れなくなった住民等を一時的に滞在させることを目的とした施設
国土交通省「ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう〜身のまわりの災害リスクや避難場所の確認が地図上で簡単にできます〜」2026年8月6日確認
↩ 本文へ身のまわりの各種災害リスクをまとめて確認できるとともに、以下のような情報を地図上に重ね合わせて簡単に確認することができます
国土交通省「ハザードマップポータルサイトを活用して災害に備えよう〜身のまわりの災害リスクや避難場所の確認が地図上で簡単にできます〜」2026年8月6日確認
↩ 本文へ災害から命を守るためには、身のまわりでどのような災害リスクがあるか、どこへどのようなルートで避難すればよいのかなどを事前に確認し、備えておくことが重要です
千葉県「避難のときの注意点」2026年9月1日確認
↩ 本文へ避難する時は、大雨や暴風の中を避難所へ歩いて向かう可能性があります
千葉県「避難のときの注意点」2026年9月1日確認
↩ 本文へ靴はスニーカー(長靴は水が入ると動きにくいので避ける)
千葉県「避難のときの注意点」2026年9月1日確認
↩ 本文へ持ち物は最小限にして、リュックなどに入れ、両手が使えるようにして、避難してください
千葉県「避難のときの注意点」2026年9月1日確認
↩ 本文へもし、忘れ物をしても、家へ戻るのは危険ですので、絶対に止めましょう
東京都「東京都防災ホームページ「一時滞在施設などの情報」」2026年8月8日確認
↩ 本文へ大地震が発生した後、およそ72時間は、救命救助活動を通じて1人でも多くの命を救うことが最優先となります。そのためには、帰宅困難者の一斉帰宅を抑制し、大渋滞により救急車等が到着できないといった状況を防止することが重要です。
東京都「東京都防災ホームページ「一時滞在施設などの情報」」2026年8月8日確認
↩ 本文へ大地震が発生した際には、受入可能となった一時滞在施設の情報を、東京都や各区市町村、駅前滞留者対策協議会等から速やかに発信します。ただし、事前に情報を公表している施設についても、施設の被害状況により、帰宅困難者の受入れができない場合があります。発災時には、一時滞在施設の開設に関する情報が発信されてから行動してください。