断水でお風呂に入れないとき — 体の拭き方と、優先する部位
根拠: 花王株式会社(メーカーの解説ページ。自社製品の紹介を含む。第三者による検証データではない)「水道が使えないときには? 入浴」(2026年9月4日確認) ほか3件(記事末に一覧)
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断水でお風呂に入れない期間も、体を拭く方法を知っていれば衛生と気持ちの両方をかなり保てます。この記事では、拭く順番と部位別のコツ、用品の使い分け、使う水の目安を、公的資料の範囲で整理します。
結論:全身をあきらめて、部位を絞る
断水中の清潔ケアでつまずくのは、毎回「全身をきれいにしよう」とするからです。水も枚数も足りなくなり、数日で続かなくなります。
優先する部位を決めて、日によって範囲を変えるほうが長くもちます。断水時に何が起きるかは、次のように整理されています。1
汗と皮脂がたまる場所は決まっているので、そこから拭きます。
浴槽の水は「入る」だけでなく「生活用水」としても使う
東京消防庁は、台風・大雨への備えとして次のように案内しています。2
台風接近など事前に予測できる災害では、浴槽に水を張っておくこと自体が備えの一つです。ただし断水が起きてしまうと入浴そのものができなくなるため、体を清潔に保つ別の手段が必要になります。
入浴できない状況でも清潔を保つこと自体は、公的なガイドラインでも重視されています。3
「入浴をあきらめる」のではなく「方法を替える」。この記事の内容はすべてこの一点に沿っています。
断水中に体を拭く手段
- 体拭き用シート: 大判で厚手のものが1枚で拭ける範囲が広く、少ない枚数で済む。ノンアルコールタイプは肌への刺激が少ない
- ドライシャンプー: 頭皮・髪をすすぎなしで洗える製品。入浴できない期間が長引くほど、頭皮の不快感やにおいの軽減に役立つ
- 少量の水+タオル: 浴槽の汲み置き水やペットボトルの水を少量使い、タオルを絞って体を拭く方法。飲用ではなく生活用水として使う水を優先して使う
水とタオルで拭く方法は、公的ガイドラインでも代わりの手段として挙げられています。45
いずれも専用品を平時から備蓄しておく必要があります。断水してから探すという前提では入手できないことを想定してください。
どれを買っておくか
からだ拭きシートは、大判で厚手のものを選ぶと1枚で拭ける面が広く、同じ枚数でも日数がもちます。個包装のものは開封していない分が乾きにくいため、備蓄向きです。ドライシャンプーは、すすぎが不要と明記されたものを選びます。デリケートゾーン用は別に分けるので、ここでは顔・体用と頭皮用の2つを用意します。
こんな人に断水で風呂に入れず、1枚で背中まで拭ける大きさのシートが欲しい
選ぶ理由大判・厚手で1枚あたりに拭ける面が広い。個包装で乾きにくく、開けた分だけ使える
どちらも使用感の好みが分かれるので、備蓄する前に1つだけ試しておくと失敗しません。
体を拭く順番と部位別のコツ
介護や医療の現場で行う清拭とは異なり、ここで扱うのは災害時に自分(または家族)で行う場合の目安です。体調が悪い人や医療的ケアが必要な人の清拭は、自己判断せず専門職の指示に従ってください。
基本の考え方は「汚れの少ない場所から多い場所へ」です。汚れの多い部位を先に拭くと、同じタオルやシートで汚れを他の場所に広げてしまうためです。
- 顔: 目のまわりから拭き始め、頬・口のまわりへ。タオルのいちばん清潔な面を使う
- 首・耳のうしろ: 汗と皮脂がたまりやすい割に忘れやすい場所
- 腕・手: 手指は物に触れる機会が多いので、指の間まで拭く
- 胸・おなか・背中: 汗をかきやすい上半身の中心。背中は手が届く範囲でよい
- 脚・足: 足の指の間は蒸れやすいので忘れずに
- 陰部・おしり: 最後に拭き、ここだけタオルの面を替えるか別のシートを使う
拭き方のコツもいくつかあります。
- タオルは面を折り替えながら使い、汚れた面で拭き直さない
- 強くこすらず、押し当てるように拭く。肌が乾燥しやすい時期は特にこすりすぎない
- 全身を毎回拭けなくても、汗やにおいが気になりやすい「顔・脇・足・陰部」を優先すると、少ない水と枚数でも不快感を減らしやすい
- 拭いたあと体が冷えやすいので、部屋を暖めるか、部位ごとに拭いてすぐ服を着る
赤ちゃんの場合は拭く順番や注意点が大人と異なります。詳しくは断水中の赤ちゃんの体の清潔ケアにまとめました。
デリケートゾーンとおしりまわり
拭き取りケアで後回しにされやすく、かぶれや不快感が出やすいのがこの部位です。専用の手段を分けて持っておきます。6
体拭きシートで代用すると、成分が強くて荒れることがあります。顔・体用とデリケートゾーン用は分けるのが基本です。シートを選ぶときの条件も示されています。7
生理期間と断水が重なると、必要な量も手順も変わります。備蓄の日数の考え方は生理用品の備蓄は何日分?にまとめました。
髪と頭皮を拭くときの注意
髪は力任せに拭くと傷みます。道具にも条件があります。8910
ドライシャンプーの使い方を含む詳細は断水で髪が洗えないときの対処で扱っています。
用品の使い分け表
体を拭く関連の用品は役割が少しずつ違います。どれか一つで全部をまかなうより、部位ごとに使い分けるほうが備蓄の消費も抑えやすくなります。
| 用品 | 主な用途 | 1回あたりの使用量の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| からだ拭きシート | 全身の汗・汚れを拭き取る | 大判なら1〜2枚 | 肌が敏感な人はノンアルコールタイプを選ぶ。使用後のゴミが出る |
| ドライシャンプー | 頭皮・髪のべたつき対策 | 製品の表示に従う | すすがない前提の製品を選ぶ。タオルで拭き取るタイプもある |
| 蒸しタオル(少量の水+タオル) | 顔や体をさっと拭く | 水は洗面器1杯程度から | 加熱にはカセットコンロ等が必要。やけどに注意し、温度を確かめてから使う |
| 水のいらない歯みがき用品 | 口の中の清潔ケア | 製品の表示に従う | シートタイプ・液体タイプなど形状が異なる。詳細は歯磨きの記事を参照 |
※使用量はあくまで一般的な目安で、製品により異なります。パッケージの表示を優先してください。
歯磨きのやり方そのものは断水中の歯磨き|水が使えないときのやり方で、髪を洗えないときの対処は断水で髪が洗えないときの対処で詳しく扱っています。
断水中の清潔ケアに使う水の目安
断水中の水は「飲料水」と「生活用水」に分けて考えます。体を拭くのに使うのは生活用水側で、飲料水を回すのは最後の手段です。
- 蒸しタオル方式なら、洗面器1杯程度の水から始められます。全身を毎日拭こうとせず、優先部位だけの日を挟むと水が長持ちします
- 浴槽の汲み置き水がある場合は、そちらを優先して使います。ただし時間が経った水は雑菌が増えている可能性があるため、顔など粘膜に近い場所には、できるだけ清潔な水を使うほうが安心です
- 手や食器まわりも含めた水のやりくり全体は、断水中の節水と水の使い方で整理しています
普段からの節水の考え方として、東京都水道局は次のように案内しています。11
残り湯は「洗濯や掃除」向けの再利用が基本で、体を拭く水としては汲み置きの新しい水のほうが向いています。
浴槽の水を使う際の注意点
浴槽にためた水は生活用水としての利用が前提で、飲用には向きません。また、マンションなど排水管が損傷している可能性がある建物では、トイレを安易に流さないことも合わせて確認しておく必要があります。
よくある質問
お風呂の残り湯で体を拭いてもいい?
残り湯の再利用は、洗濯や掃除などの用途が基本とされています。入浴後の残り湯は時間とともに雑菌が増えやすいため、体を拭く水としては、汲み置きしておいた清潔な水を優先するほうが安心です。残り湯を使う場合も、顔や傷のある場所は避けるのが無難です。
赤ちゃんの体はどうすればいい?
大人と同じシートで強く拭くのではなく、赤ちゃん用の低刺激なシートやぬるま湯で絞ったガーゼなどを使い、しわの内側やおむつまわりを優先します。手順は断水中の赤ちゃんの体の清潔ケアで詳しく説明しています。
何日おきに全身を拭けばいい?
決まった回数の基準があるわけではありません。水と体力に余裕がある日は全身、余裕がない日は顔・脇・足・陰部などの優先部位だけ、というように日によって範囲を変えるのが現実的です。汗をかいた日やにおいが気になる部位は、間隔を詰めて拭くと不快感を減らしやすくなります。
手洗いができないときはどうする?
体を拭く前後の手指の衛生も課題になります。流水が使えない場面での考え方は断水で手洗いができないときの衛生対策にまとめました。
まとめ
- 浴槽に水を張ることは、台風など事前に分かる災害への備えとして東京消防庁も案内している
- 入浴できなくても清潔を保つことは公的ガイドラインでも重視されており、タオルで拭く・部分的に洗うといった代わりの手段がある
- 拭く順番は「汚れの少ない場所から多い場所へ」。顔から始めて陰部を最後にする
- からだ拭きシート・ドライシャンプー・蒸しタオル・水のいらない歯みがき用品は役割が違うので、部位ごとに使い分ける
- デリケートゾーンは顔・体用シートで代用せず、おしり拭きシートや清浄剤で分けて拭く
- 体を拭く水は生活用水から。洗面器1杯程度の水でも、優先部位を絞れば清潔を保ちやすい
- 専用品は平時から備蓄しておく。浴槽の水は生活用水であり飲用には使わない
備え全体の優先順位は防災グッズで本当に必要なものリストを参照してください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
花王株式会社(メーカーの解説ページ。自社製品の紹介を含む。第三者による検証データではない)花王「水道が使えないときには? 入浴」2026年9月4日確認
↩ 本文へ断水時は、シャワーやお風呂が使えず、汗や皮脂がたまり、全身のべたつきやにおいが発生しやすくなります。
東京消防庁「台風・大雨に備えよう」2026年9月1日確認
↩ 本文へ断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保する
厚生労働省「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」2026年8月9日確認
↩ 本文へ水が十分に確保できない時や入浴設備が整わない場合でも、病気や感染症予防等のために、体を清潔に保つことが大切です
厚生労働省「避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン」2026年8月9日確認
↩ 本文へ清潔を保つ方法としては、温かいおしぼりやタオル等を用いて体を拭いたり、足や手など部分的な入浴もあります
花王株式会社(メーカーの解説ページ。自社製品の紹介を含む。第三者による検証データではない)花王「水道が使えないときには? 入浴」2026年9月4日確認
↩ 本文へ少量の水があれば、タオルや手ぬぐいを使用して拭き取るのもおすすめです。
花王株式会社(メーカーの解説ページ。自社製品の紹介を含む。第三者による検証データではない)花王(同上)2026年9月4日確認
↩ 本文へおしり拭きシートやおしりの清浄剤などで拭き、皮膚を保護します。
花王株式会社(メーカーの解説ページ。自社製品の紹介を含む。第三者による検証データではない)花王(同上)2026年9月4日確認
↩ 本文へボディシートには、子どもでも使えるノンアルコールタイプや、暑い夏におすすめの冷感のあるタイプなど、さまざまあります。肌質や季節に応じて選びましょう。
花王株式会社(メーカーの解説ページ。自社製品の紹介を含む。第三者による検証データではない)花王(同上)2026年9月4日確認
↩ 本文へ目の細かいくしや毛先のとがったブラシは頭皮を傷つけることがあるので使わないでください。
花王株式会社(メーカーの解説ページ。自社製品の紹介を含む。第三者による検証データではない)花王(同上)2026年9月4日確認
↩ 本文へ長い髪はタオルではさんで汚れをたたくように拭き取ります。
花王株式会社(メーカーの解説ページ。自社製品の紹介を含む。第三者による検証データではない)花王(同上)2026年9月4日確認
↩ 本文へこのとき、髪同士が強くこすれ合わないように注意しましょう。
東京都水道局「節水にご協力を」2026年8月2日確認
↩ 本文へ風呂は浴槽の残り湯を洗濯や掃除に再利用する