基本

家族の防災訓練は年1回で十分?90分でやることリスト

根拠: 東京都「東京くらし防災(38ページ)」(2026年8月3日確認) ほか3件(記事末に一覧)

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防災グッズは一通り買った。備蓄も置いてある。それでも「これで大丈夫か」と言われると自信がない——という状態を解消するのが、家庭の防災訓練です。

学校や職場の避難訓練とは目的が違います。家庭の訓練で確認したいのは、避難経路よりも先に買った物が本当に使えるかです。東京都は備蓄品について「買って置いておくだけでなく、実際に使ってみましょう」と呼びかけています(東京くらし防災(38ページ))。

この記事では、年1回・90分で終わる家庭訓練の手順をまとめます。

年1回で足りるのか

結論から言えば、年1回きちんとやるほうが、月1回の点検だけを続けるより効きます。点検は「あるかどうか」を見るだけですが、訓練は「使えるかどうか」を見るからです。

ただし年1回にするなら、日取りを固定します。防災の日(9月1日)前後の週末、家族の誕生月、年度が変わる4月など、忘れない日に固定してしまいます。日を決めずに「そのうち」にすると、翌年もそのままです。

備蓄品の期限チェックだけは訓練とは別に回します。こちらの回し方は備蓄のローテーション管理で扱っています。

90分の進行

時間配分の目安つきで並べます。全部を1日でやりきる必要はありませんが、通しでやると家族の共通認識が作れます。

0〜10分:揺れている間の動きをやってみる

その場でしゃがんで頭を守る動作を、実際に体でやります。総務省消防庁は「地震発生直後は丈夫な机の下に隠れてその脚を握り、クッションなどで頭を保護しながら揺れが収まるのを待つ」としています(総務省消防庁「地震に自信を―あなたを守る次の行動」)。

家族それぞれの居場所(寝室・子ども部屋・キッチン)から、実際に潜れる場所まで動いてみます。「潜れる机がない部屋」が見つかったら、その場は家具配置の見直し対象です。

続けて、揺れが収まった直後の動きも確認します。同庁は「揺れがおさまったら出口を確保するために扉を開け、あわてて外に飛び出さない」としています(総務省消防庁「地震に自信を―あなたを守る次の行動」)。

10〜25分:家の中を歩いて危険を数える

家族全員で各部屋を回り、「倒れてきそうな物」を指差しで数えます。ここは点検ではなく、家族の目線を合わせる作業です。

内閣府は「近年発生した大きな地震でけがをした人の原因は、約30%から50%が家具類の転倒・落下・移動によるものでした」としています(内閣府「広報ぼうさい 特集3 地震に備える」)。

見つかった箇所は、その場でメモに書き出して後日対応にします。訓練中に固定作業まで始めると90分では終わりません。固定の方法は家具転倒防止の突っ張り棒にまとめています。

25〜45分:非常持ち出し袋を全部出す

リュックの中身を床に全部出します。ここでやることは3つです。

内閣府は非常持ち出し品として「非常持ち出し品として飲料水・食料、貴重品、救急用品、懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池などを準備しておく」としています(内閣府「広報ぼうさい 特集3 地震に備える」)。リストと突き合わせて、足りないものを買い物メモに移します。中身の全体像は防災リュックの中身で扱っています。

背負ってみる工程は省略されがちですが、ここで「重すぎて子どもが背負えない」が判明することが多い部分です。

45〜70分:実際に使ってみる

この記事でいちばん重要な工程です。使ったことがない道具は、持っていないのとほぼ同じだからです。

その年に試すものを2つ選んで、実際に開封して使います。

簡易トイレを1回組み立てる。 便器にかぶせて凝固剤を入れるところまでやります。水を少量入れて固まり方を見ておくと、本番でどのくらいの量に耐えるかの感覚がつかめます。東京都も備蓄品について「震災が起こることを想定して一度は作り、実際に使ってみましょう」と促しています(東京くらし防災(38ページ))。子どもがいる家庭では子どもに簡易トイレを練習させるも合わせて確認しておきます。

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非常食を1食分、その日の昼食にする。 味の好き嫌いは、備蓄を「食べられる量」に修正するための情報です。子どもが食べないものが分かれば、翌年の補充で入れ替えられます。

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食べた分は買い足して元に戻します。この循環そのものがローリングストックです。

70〜90分:連絡と集合のルールを声に出す

最後に、家族の安否確認ルールを口頭で確認します。「学校にいたらどうする」「親がまだ職場だったら」を、実際に言葉にして答え合わせします。決め方そのものは家族の安否確認ルールと集合場所の決め方にまとめています。

水の備蓄量も、この場で人数分の計算を確認しておきます。内閣府は「飲料水は一人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間分を備蓄する」としています(内閣府「自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!」)。

訓練の記録を1枚残す

やりっぱなしにすると、翌年また同じことを一から考えます。終わったら次の3行だけメモに残します。

  1. 今年試した道具(次回は別の道具を試す)
  2. 見つかった不足(買い物リストに移す)
  3. 対応が要る箇所(家具固定など、後日作業)

このメモがあると、翌年の訓練は「前回の続き」から始められます。年1回の見直しの全体像は防災の日にやる見直しチェックも参考にしてください。