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買って置くところで止まっている
簡易トイレは、備蓄リストに従って買った時点で対策が終わったように見えます。しかし子どもがいる家庭では、そこからもう一段あります。
東京都は、備蓄品の扱いについてこう呼びかけています。1
大人であれば、袋の説明を読めばその場で使えます。子どもは違います。便器の形が変わり、水が流れず、袋の中に用を足すという状況は、経験がなければ受け入れられません。災害当日に初めて向き合わせると、我慢する方を選びます。
我慢が体調に直結する
排泄を我慢すると、水分や食事を控える方向に進みます。これは体調の悪化につながります。2
1日5回という回数は、大人と子どもで大きくは変わりません。子どもが1回も使えないまま数日を過ごすことは、現実的な選択肢になりません。
平時にやる練習の手順
練習は1回で足ります。次の手順で、実際に使うところまでやります。
- 家族全員で袋を開ける: 中身(便袋・凝固剤・防臭袋)を全部出して並べる
- 設置を子どもにやらせる: 便器に袋をかぶせる作業を親がやらず、子どもの手でやらせる
- 実際に1回使う: 練習用に1セットを消費します。「もったいない」と思うところですが、ここが本番になります
- 凝固剤をかけて縛るところまでやる: 固まる様子を見せると、次から抵抗が下がります
- どこに置くか一緒に決める: 使用済みの袋の置き場所を子どもにも共有します
3を省くと練習になりません。東京都の資料も、実行のところに条件を置いています。3
練習で1セット消費する前提なら、回数の多いセットを選んでおくと躊躇せずに済みます。
子どもがつまずくところ
練習をすると、子どもによって引っかかる場所が違うことが分かります。
| つまずき | 対処 |
|---|---|
| 便座が高くて足が届かない | 踏み台を用意する。足が浮くと力めません |
| 音や気配が気になる | 扉を閉める、隣で待つなどのルールを決めておく |
| 流れないことに抵抗がある | 固まる様子を先に見せる。「流さないトイレ」として名前をつける |
| 袋が動くのが怖い | 袋を二重にして、外側を便座で挟んで固定する |
1つ目の踏み台は、練習しないと気づきません。普段の洋式トイレでは足が届いていても、袋をかぶせると座面がわずかに上がります。
年齢による線引き
- 未就学児: 親が設置し、子どもは座るだけにします。練習の目的は「怖くない」と分かることです
- 小学生: 設置から後片付けまで自分でやらせます。親が不在のときに1人で使える状態が目標です
- 中学生以上: 大人と同じ手順で問題ありません。使用済みの袋の保管場所まで共有します
避難所に行く場合は、トイレの環境がさらに変わります。個室の仕切りが必要になる場面もあります。
まとめ
- 備蓄は買って置くだけでは足りず、一度実際に使うところまでやる
- 子どもは災害当日が初めてだと使えず、我慢する方を選ぶ
- 練習は1回で足りる。設置から凝固・後片付けまで子どもの手でやらせる
- 便座が上がって足が届かなくなるため、踏み台の要否を確認する
- 年齢によって、座るだけ・全部やらせるの線を引く
種類の違いは携帯トイレと簡易トイレの違い、必要数は携帯トイレは何回分必要か、臭いの扱いは簡易トイレの臭い対策にまとめています。子ども用の持ち出し袋は子どもに持たせる防災リュックを参照してください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
東京都「東京くらし防災」(38ページ)2026年8月3日確認
↩ 本文へ買って置いておくだけでなく、実際に使ってみましょう
神奈川県「携帯トイレを備蓄しましょう」2026年8月3日確認
↩ 本文へ1日の排泄の平均回数は1人5回と言われています。携帯トイレは最低3日分、可能であれば7日分を備蓄しましょう
東京都「東京くらし防災」(38ページ)2026年8月3日確認
↩ 本文へ震災が起こることを想定して一度は作り、実際に使ってみましょう