持ち出し装備

防災グッズでいらなかったものは?買って使わなかった定番と置き換え先

根拠: 神奈川県くらし安全防災局「非常持出品の準備(重さの目安)」(2026年8月9日確認) ほか3件(記事末に一覧)

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先に答え: 「いらなかった」と振り返られやすいのは、(1)重すぎる大容量の持ち出しリュック、(2)屋内で使えない発電機、(3)食べ慣れない非常食、(4)電池の規格がばらばらな照明の4つです。どれも品物が悪いのではなく、自分の住まいと体力に対して使う場面が想定できていないことが理由です。

いらなかったものは「場面が合っていないもの」

買って使わなかったと言われやすい品を、理由と置き換え先で並べると次のようになります。

よく挙がるもの使われなかった理由置き換え先
大容量の持ち出しリュック背負って歩ける重さを超え、玄関に置いたままになる重さの目安に収まる一次持出品と、自宅に残す二次持出品に分ける
発電機屋外専用のため、集合住宅では動かす場所がない電池式の照明とモバイルバッテリー
食べ慣れない非常食味が合わず、手を付けないまま期限切れで処分になる普段食べている食品を多めに買い足す
規格がばらばらな照明単三・単四・充電式が混在し、いざというとき電池が足りない電池の規格をそろえた照明とラジオ

選ぶ基準は3つです。第一に、停電した夜にその場で動かせるか。第二に、平常時にも使って減らせるか。第三に、置き場所が生活の動線から外れないか。この3つを満たす品は無駄になりにくく、逆に1つでも外れると防災用品置き場の奥で眠ります。

たとえば停電時に情報と明かりと充電を1台でまかなえる多機能ラジオは、単機能の懐中電灯を何本も買うより出番が読みやすい買い方です。手回しとソーラーが付いていれば、乾電池の在庫が切れても最低限は動かせます。

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こんな人に停電中にラジオとライトとスマホ充電を別々に用意したくない

選ぶ理由ラジオ・LEDライト・5800mAhの充電を1台に。手回しとソーラーで電池切れに備える

理由1: 持ち出し袋は「背負えなくなった時点」で使われなくなる

一次持出品を詰め込みすぎると、避難時に背負えず置いていくことになります。神奈川県は、リュックに入れる重さの目安を男性15キロ・女性10キロ程度としており、この線を超えたら二次持出品へ回す判断がしやすくなります。詰め方の順番は非常持ち出し袋の詰め方で整理しています。

つまり「いらなかった防災グッズ」の多くは、単体で見ると必要な品です。袋に入れる優先順位を決めずに全部入れた結果、袋ごと使われなくなっているだけのことがあります。中身の考え方は非常持ち出し袋の中身を参照してください。

根拠: 神奈川県くらし安全防災局「非常持出品の準備(重さの目安)」(「リュックなどに入れる重さの目安は、男性で15キロ、女性で10キロ程度です」)

理由2: 発電機は住まいによって「動かす場所」がない

発電機は屋外で使う製品です。東京都の商品テストでは、屋内で使った場合に一酸化炭素中毒の危険があることが示されています。庭やガレージがない住まいでは動かす場所を確保できず、結果として一度も使わないまま置き場所だけを取ることになります。

集合住宅や庭のない住宅であれば、屋内で扱える電池式の照明とモバイルバッテリー、必要に応じてポータブル電源に置き換えるほうが現実的です。両者の違いはポータブル電源と発電機の違いにまとめています。

根拠: 東京都生活文化局消費生活部生活安全課「発電機・木炭等による一酸化炭素中毒の危険性」(「発電機は取扱説明書上必ず屋外で使用する製品であり、屋内使用は一酸化炭素中毒により短時間でも中毒死するおそれがある」)

理由3: 非常食は「食べ慣れていない」と期限切れで捨てる

長期保存の非常食をまとめ買いしたものの、味が合わず手つかずのまま期限を迎えるのはよくある失敗です。農林水産省は、普段の食品を多めに買い置きし、古いものから消費して買い足すローリングストックを勧めています。この方法なら、口に合わなかった品は次から買わないという調整が効きます。

長期保存食をゼロにする必要はありません。普段の食品を土台にして、そこに数日分の保存食を足す順番にすると、捨てる量が減ります。回し方は非常食のローリングストックで解説しています。

根拠: 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(2) ローリングストック」(「普段の食品を少し多めに買い置きしておき、賞味期限を考えて古いものから消費し、消費した分を買い足すことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つための方法」)

理由4: 照明は本数より「電池の規格」で決まる

懐中電灯を人数分そろえたのに使わなかった、という声もあります。東京都は、懐中電灯は向けた方向しか照らせず片手がふさがるため、部屋全体を照らすランタンを部屋ごとに置く使い分けを示しています。停電中に一番長く使うのは室内照明なので、そこが足りないと懐中電灯は補助にとどまります。

あわせて、乾電池の規格をそろえておくと在庫が共有でき、切れたときの融通が利きます。選び方は防災ライトの電池を統一するを参照してください。

根拠: 東京都「「日常備蓄」で災害に備えよう」(「向けた方向しか照らせず片手が塞がってしまう懐中電灯と比べ、部屋全体を明るくできるため室内照明として有用です。家族が同時に使うリビングやキッチン、トイレに1個ずつ用意しましょう」)

逆に「買ってよかった」と残りやすいもの

使われずに残る品と対照的に、消耗して減っていく品は無駄になりにくい傾向があります。代表が携帯・簡易トイレです。断水すると水洗トイレは使えず、排泄は先送りできないため、備えた分がそのまま使われます。

初めて買うなら、まず少量パックで自宅の便器に合うか、においの処理が自分の家で成立するかを試すのが安全な入り方です。回数の計算は簡易トイレは何回分必要かで確認できます。

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よくある質問

Q. 防災セットは買わないほうがいいですか? A. セットが不要なわけではありません。中身を開けて自分の住まいに合わない品を抜き、足りない品を足す前提なら出発点として使えます。判断は防災セットはいらない?を参照してください。

Q. もらった防災グッズが使いにくいときは? A. 贈答品は自分の生活と噛み合わないことがあります。扱いは防災グッズをもらって困ったときにまとめています。

Q. 何から買い直せばよいですか? A. 停電・断水の当日に使うもの、つまり照明・水・トイレの順です。優先順位は本当に必要な防災グッズで整理しています。

まとめと次の一歩

いらなかった防災グッズは、多くの場合「品物の選択ミス」ではなく「場面の想定漏れ」です。停電した夜に動かせるか、平常時に減らせるか、動線上に置けるかの3点で見直すと、買い足す順番が決まります。次は本当に必要な防災グッズで、残す品の基準を確認してください。