女性の非常用持ち出し袋の中身|衛生用品と防犯の備えを内閣府の資料から
根拠: 内閣府男女共同参画局「災害対応力を強化する女性の視点〜男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン〜」(2026年8月6日確認) ほか3件(記事末に一覧)
本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれています。
一般的な防災リストには載っていないものがある
防災リュックの中身を紹介する記事は多くありますが、生理用品や防犯グッズまで具体的に踏み込んだものは多くありません。国はこの点について、独立した資料を出しています。
- 内閣府男女共同参画局「災害対応力を強化する女性の視点〜男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン〜」(令和2年5月に内閣府男女共同参画局として決定)
この記事は、そのガイドラインに付属する備蓄チェックシートを土台に整理します。
公的な「女性用品」リスト
備蓄チェックシートの「女性用品」欄には、次の品目が挙げられています。
- 生理用ナプキン(普通、長時間向け等)
- おりものシート
- サニタリーショーツ
- 防犯ブザー
- ホイッスル
- 中身が見えないゴミ袋
- 女性用下着(各種サイズ)
出典: 内閣府男女共同参画局「備蓄チェックシート」(PDF)
同シートは「備蓄の品目や数量について、女性と男性のニーズの違い、妊産婦や子育て家庭のニーズに配慮することが必要です」とし、量については「個人によってニーズは異なりますが、一人あたり最低3日間の量を備蓄することが望まれます」としています。
防犯ブザーとホイッスルが「女性用品」として国の資料に明記されているという点は、知っておく価値があります。若年女性向け、妊産婦向けの欄にも同じく防犯ブザー・ホイッスルが記載されています。
なぜ使い捨て下着なのか
チェックシートは理由まで書いています。
避難所では物干し場がなかったり、断水により洗濯できない可能性もあるため、使い捨て下着やおりものシートがあると衛生を保つために便利です
洗えない前提で考える、というのがポイントです。中身が見えないゴミ袋がリストにあるのも、使用後の処理を人目に触れずに行うためです。持ち出し袋には、この2つを必ず入れておいてください。
防犯を備える理由
ガイドライン本文は、避難所での被害について踏み込んで記述しています。1
同資料は、熊本地震や九州北部豪雨災害の際に、発災後すぐに性暴力防止のポスターを避難所に掲示し、防犯ブザーを配布して女性用個室トイレやシャワー室に配置した経緯にも触れています。行政側の運営上の課題であると同時に、個人の備えとしても防犯グッズが位置づけられているということです。
自治体レベルでも同様の案内があります。八潮市(埼玉県)は「避難所での生活で自分の身を守るための防犯グッズを用意しましょう」としています(八潮市「女性向け災害用備蓄のすすめ」)。
「もらいに行きづらい」問題
ガイドラインは、支援物資が届いても受け取れなかった実態を記録しています。
女性用下着や生理用品が届いても配布担当が男性であったため、女性はもらいに行きづらいということがありました。
これは支援が来ても自分の手元に届くとは限らないということです。避難所に物資があるかどうかに関わらず、最低3日分を自分の持ち出し袋に入れておく理由がここにあります。
持ち出し袋の中身(女性視点で足すもの)
基本のリストに、次を足す構成が現実的です。
| 分類 | 足すもの |
|---|---|
| 衛生 | 生理用ナプキン(数日分)、おりものシート、使い捨て下着、中身が見えないゴミ袋 |
| 防犯 | ホイッスルまたは防犯ブザー(すぐ鳴らせる位置に) |
| 保温・目隠し | 大判のストール、レインポンチョ(着替えの目隠しにも使える) |
| 衛生管理 | ウェットティッシュ、ドライシャンプー |
基本のリスト側は防災リュックの中身リストにまとめています。
女性向け持ち出し袋の総チェックリスト(基本15点+女性視点8点)
上の表を、袋に詰めるときにそのまま数えられる形に直したのがこのリストです。まず基本の15点をそろえ、そこに女性視点の8点を足します。
基本の15点(性別を問わない持ち出し袋の土台)
- 飲料水(500mlペットボトルを数本)
- 非常食(加熱せずそのまま食べられるもの)
- 携帯トイレ
- 懐中電灯またはヘッドライト
- モバイルバッテリー(ケーブル込み)
- 携帯ラジオ(電池式または手回し)
- 救急セット・常備薬
- 現金(小銭を含む)
- 身分証・健康保険証のコピー
- 軍手
- マスク
- アルミブランケット
- ウェットティッシュ
- 歯みがき用品(歯みがきシートでも可)
- タオル
女性視点で足す8点(内閣府の備蓄チェックシートの「女性用品」欄をもとに構成)
- 生理用ナプキン(最低3日分)
- おりものシート
- 使い捨て下着(サニタリーショーツ)
- 中身が見えないゴミ袋
- 防犯ブザーまたはホイッスル(すぐ鳴らせる位置に)
- 大判のストール
- レインポンチョ(雨具兼、着替えの目隠し)
- ドライシャンプー
各品目の分量や詰める順番は防災リュックの詰め方と順番も参考にしてください。
重さと容量の目安
持ち出し袋は、中身の充実度より背負って歩き続けられるかが先です。特に水と食料は重量の大半を占めるため、体力に不安がある場合は本数を減らし、その分を在宅備蓄側に回してください。詰め終えたら一度背負って家の周りを歩き、重いと感じたら削る、が確実な確認方法です。
必要なリュック容量は中身の量から逆算できます。上の23点を入れる前提での容量はリュック容量計算ツールで計算でき、考え方は防災リュックは何リットル必要かで解説しています。
揃え方
ホイッスルは持ち出し袋の中ではなく、すぐ手が届く位置に付けておくのが要点です。袋の底では意味がありません。リュックは、上で計算した容量と、詰め終えたときの総重量を背負えるかどうかで選んでください。
こんな人に女性や一人暮らしで、寝具まで含めた持ち出しセットが欲しい
選ぶ理由シュラフ付き47点の1人用。防災士店長が中身を組んだ寒さ対策込みのセット
セットを買う場合も、生理用品と使い捨て下着は自分で足す前提で考えてください。中身の見極め方は防災セットのおすすめ比較を参照してください。
まとめ
- 内閣府の備蓄チェックシートには、生理用品・使い捨て下着に加えて防犯ブザー・ホイッスルが明記されている
- 洗えない・干せない前提で使い捨てを選ぶ。中身が見えないゴミ袋もセットで
- 支援物資が届いても受け取りにくい実態がある。最低3日分は自分で持つ
- ホイッスルは袋の底ではなく、すぐ鳴らせる位置に付ける
備え全体の優先順位は防災グッズで本当に必要なものリストで確認できます。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府男女共同参画局 ガイドライン本文(PDF)2026年8月6日確認
↩ 本文へ災害時には、また、避難所などのプライバシーを守ることが難しい環境において、性暴力が起こることがあります
性暴力は、若い女性だけでなく、高齢者や子供(男児を含む)、男性も被害に遭うことがわかっています
暴力の被害を訴えるのは、平常時でも難しい上に、『非常事態』だからということで、平常時より被害者が声を上げにくい環境となります