AEDの使い方を手順で覚える — 倒れている人に居合わせたとき、最初の1分で何をするか
根拠: 東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」(2026年8月20日確認) ほか1件(記事末に一覧)
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AEDは駅にもコンビニにも置かれていますが、「使ったことがある人」はほとんどいません。実際に人が倒れている場面で手が止まるのは、機械の操作が難しいからではなく、どの順番で何をするかが体に入っていないからです。
この記事は、消防機関が公表している手順に沿って、居合わせた人の動きを時系列に並べます。なお、以下は公開資料の要点整理です。手を動かす感覚は文章では身につかないので、消防署等が実施している救命講習を一度受けることをおすすめします。家庭内の訓練の回し方は家族の防災訓練を年1回にまとめています。
手順1:反応を確認する
近づいたら、まず反応の有無を見ます。1
強く揺さぶらないのは、頭や首を痛めている可能性があるためです。肩を叩きながら呼びかけて、目を開ける・応答するといった反応があるかを見ます。
手順2:迷ったら人を呼ぶ。判断を1人で抱えない
ここが最初の分岐で、いちばん時間を溶かしやすい場所です。公表されている手順は、迷った場合も同じ行動を指示しています。2
「反応がないかもしれない」と迷った時点で、応援を呼ぶ側に倒す。これが手順として書かれている、という点が重要です。判断がつかないから様子を見る、が最も危ない選択になります。
依頼するときは、「誰か」ではなく個人を指定します。「青いシャツの方、119番をお願いします」「そこの方、AEDを持ってきてください」のように、指名して役割を割り当てます。人が多い場所ほど、指名しないと誰も動きません。
騒がしい場所や屋外では、声だけでは届かないことがあります。音で人を集める手段を普段から携行しておくと、応援を呼ぶ段階の遅れを減らせます。
手順3:呼吸を10秒以内で見る
- 東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」(「胸と腹部の動きを見て、「普段どおりの呼吸」をしているか、10秒以内で確認します」)
顔を近づけて息を感じ取ろうとすると時間を使います。見るのは胸と腹の動きで、上限は10秒です。
手順4:胸骨圧迫を30回
ここでも「迷った場合」は実施する側に倒れています。人工呼吸については条件が付きます。34
訓練を受けていない場合や、道具がなくためらう場合は、胸骨圧迫を続けるという整理になります。「人工呼吸ができないから何もしない」は、手順が想定している選択肢ではありません。
手順5:AEDが届いたら電源を入れ、音声に従う
AEDは電源を入れると音声で指示が出ます。操作は音声ガイダンスに従うのが基本で、暗記しておくべきなのは次の3点だけです。
電極パッドは肌に直接貼る
服の上から貼らない、位置はパッドの絵のとおり。この2点です。衣服を切る必要がある場面もあるため、AEDのケースに入っているはさみやタオルの有無を、平時に確認しておくと迷いません。56
解析中は誰も触れない
自分だけが離れても足りません。周囲への声かけまでが1セットです。789
ショックボタンは確認してから押す
押す前に一度、周囲を見渡す。この一拍を手順として覚えておきます。10
手順6:電気ショックのあとも終わりではない
ここが誤解されやすい部分です。ショックを1回与えたら終了、ではありません。1112
つまりAEDは「装着して終わる装置」ではなく、心肺蘇生と交互に回し続ける装置です。次の解析まで手を止めず、音声ガイダンスの指示が出るまで圧迫を続けます。
動きを1枚にまとめる
| 順番 | やること | 迷ったときの原則 |
|---|---|---|
| 1 | 肩をたたいて大声で呼びかける | 揺さぶらない |
| 2 | 応援を呼び、119番とAEDを個人指名で依頼 | 迷ったら呼ぶ |
| 3 | 胸と腹の動きを10秒以内で確認 | 顔に近づけない |
| 4 | 胸骨圧迫30回 | 迷ったら始める |
| 5 | AEDの電源を入れ、パッドを肌に貼る | 服の上から貼らない |
| 6 | 解析中は全員が離れる | 声に出して確認 |
| 7 | ショック後すぐ心肺蘇生を再開 | 電源は切らない |
覚えるのは7行です。項目を減らすより、順番を崩さないことのほうが実行率に効きます。
平時にやっておく2つ
通報手段の電池を切らさない
手順2の「119番通報」は、手元の端末が動くことが前提です。停電や災害時に人が倒れる場面も想定すると、通報手段の電源確保は救命の一部になります。
AEDの位置を、生活圏で3か所覚えておく
職場、最寄り駅、自宅から近い公共施設。この3か所で設置場所を目視で確認しておくと、手順2の「AEDを持ってきてください」が具体的な指示になります。「どこかにあるはず」では人は動けません。職場の自席まわりの備えは職場のデスク防災に整理しています。
高齢の家族が同居している場合
倒れる場面に居合わせる可能性が最も高いのは、同居家族です。手順を家庭内で共有しておくと、当日の役割分担が早くなります。とくに、通報する人と圧迫する人を分けられるかどうかで、AEDが届くまでの時間が変わります。
高齢の親の生活環境全体の備えは高齢の親の防災に、介護が必要な場合は介護と防災の備えにまとめています。
まとめ
- 反応の確認は肩を叩いて呼びかける。揺さぶらない
- 迷った場合も応援を呼ぶ。119番とAEDは個人を指名して依頼する
- 呼吸は胸と腹の動きを10秒以内で見る
- 呼吸がない、または迷う場合は胸骨圧迫30回から始める
- 人工呼吸は訓練と意思がある場合。できなければ圧迫を続ける
- 電極パッドは服の上からではなく肌に、絵のとおりの位置に貼る
- 解析中は自分も周囲も傷病者から離れる。声に出して確認する
- 電気ショックの後は心肺蘇生を再開し、音声ガイダンスがあるまで続ける
- 生活圏のAED設置場所を3か所、目で見て覚えておく
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」2026年8月20日確認
↩ 本文へ肩をやさしくたたきながら大声で呼びかける
東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」2026年8月20日確認
↩ 本文へ反応がない場合、反応があるかどうか迷った場合又はわからなかった場合は、大声で応援を求め、119番通報とAED搬送を依頼する
東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」2026年8月20日確認
↩ 本文へ普段どおりの呼吸がない場合、判断に迷う又はわからない場合は、すぐに胸骨圧迫を30回行う
東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」2026年8月20日確認
↩ 本文へ訓練を積み技術と意思がある場合は、胸骨圧迫の後、人工呼吸を2回行う
総務省消防庁「応急手当WEB講習「AEDの基本的な使い方」」2026年8月20日確認
↩ 本文へ傷病者の服の上からではなく、電極パッドに描かれたイラストに従って、肌に密着するように貼り付けます。
東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」2026年8月20日確認
↩ 本文へ電極パッドを胸に貼る位置は電極パッドに書かれた絵のとおりに、皮膚にしっかりと貼ります
東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」2026年8月20日確認
↩ 本文へ心電図解析中は、傷病者に触れてはいけません
総務省消防庁「応急手当WEB講習「AEDの基本的な使い方」」2026年8月20日確認
↩ 本文へ誰かが傷病者の体に触れていると、心電図の解析がうまく行われないことがあります。
総務省消防庁「応急手当WEB講習「AEDの基本的な使い方」」2026年8月20日確認
↩ 本文へ音声ガイダンスに従って、周囲の人にも傷病者から離れるよう伝え、誰も触れていないことを確認してください。
東京消防庁「倒れている人をみたら 心肺蘇生の手順」2026年8月20日確認
↩ 本文へ誰も傷病者に触れていないことを確認したら、点滅しているショックボタンを押します
総務省消防庁「応急手当WEB講習「AEDの基本的な使い方」」2026年8月20日確認
↩ 本文へAEDは、電気ショックの後、2分おきに自動的に心電図の解析を行います。
総務省消防庁「応急手当WEB講習「AEDの基本的な使い方」」2026年8月20日確認
↩ 本文へAEDから音声ガイダンスがあるまでは心肺蘇生を続けます。