本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれています。
ベランダの物は、自宅ではなく他人の家に飛ぶ
台風対策でベランダが後回しになりやすいのは、「うちのベランダの物が飛んだらどうなるか」が想像しにくいからです。飛散物は自宅の窓を割るだけでなく、隣家や通行人に当たります。
国も、風で飛ぶ物の扱いを明確に示しています。1
示されている選択肢は固定するか、中へ入れるかの2つです。「そのまま置いておく」は入っていません。
風の規模も確認しておきます。2
17m/s は定義上の下限であり、実際の台風はこれを上回ります。「重いから飛ばない」という判断は、体感の風速で決めないほうが安全です。
しかも、予報で見る数字は実際に当たる瞬間の風より小さい値です。3
そしてベランダには、庭にはない条件が加わります。高さです。同じ植木鉢でも、地面に置いてあるのと5階のベランダから落ちるのとでは、当たったときの結果がまったく違います。4
ベランダの片づけは、自分の家を守る作業であると同時に、下を歩く人を守る作業でもあります。ここが庭まわりの対策といちばん違う点です。庭・駐車場側の設備ごとの手当ては台風への備えリストの「家の外まわり」に整理しています。
ベランダの物を3つに仕分ける
作業を早く終わらせるコツは、片づけ始める前に仕分けることです。
| 分類 | 対象 | やること |
|---|---|---|
| 中へ入れる | 洗濯ばさみ、ハンガー、サンダル、園芸用品、小型の植木鉢、すのこ、ほうき | 室内か物置へ。玄関土間でもよい |
| 固定する | 物干し竿、大型プランター、ゴミ箱、宅配ボックス、エアコン室外機カバー | 下ろす・寝かせる・結束する |
| 動かせない | 室外機、給湯器、手すり、避難ハッチ | 周囲から物を除く |
「中へ入れる」が最優先です。小さくて軽い物ほど遠くまで飛び、割れやすいからです。植木鉢は大きい物より、風で転がる小さい素焼き鉢のほうが問題になります。
3分類より先に見る「塞いではいけないもの」
仕分けの前に、そもそも物を置いてはいけない場所があります。集合住宅のベランダは、共用部分であり避難経路でもあるためです。
- 避難ハッチ(下階へ降りる脱出口)の上と周囲
- 隣戸との隔て板(蹴破り戸)の前
- 排水口の上
自治体もこの3点の確認を促しています。5
台風のときだけでなく、火災のときに逃げられるかどうかが同じ場所にかかっています。片づけたあと、元に戻す位置もここを避けてください。
自転車をベランダに入れる家庭も多いですが、手すりに立てかけると倒れて階下に落ちます。置き方は台風のとき自転車はどうするに、ベランダのラティスや目隠しパネルの扱いはラティスの台風対策にまとめています。
具体的にやる順番
1. 物干し竿を外す
竿受けに乗っているだけの物干し竿は、風で持ち上がります。竿は床に下ろし、手すりに結束バンドかロープで結ぶか、室内へ入れます。竿受け自体が取り外せるタイプなら、それも外します。
2. 植木・プランターを下ろす
高い位置の鉢は床へ下ろします。下ろしたうえで、壁側に寄せて並べます。大型で動かせないプランターは、支柱を抜き、風を受ける葉物は室内へ移すか、まとめて縛ります。
3. すのこ・人工芝をはがす
床に敷いてあるだけのすのこ・ジョイントマット・人工芝は、めくれて飛びます。これは見落としやすい項目です。
4. 排水口を空ける
ベランダの排水が詰まると、水がたまって室内側へ入ります。落ち葉、土、髪の毛、砂を取り除きます。この作業だけは、物を片づけたあとにやるほうが効率的です。
5. 手すりの外側を確認する
ハンギングプランター、布団ばさみ、簾(すだれ)、日よけシェードは、外して室内へ。シェードは面で風を受けるため、残すと手すりごと引っ張られる場合があります。
窓側の備え
ベランダを空にしても、飛来物は外から来ます。窓側は別の対策になります。
飛散防止の考え方は2つあります。
- 飛散防止フィルム:ガラスに貼り付け、割れたときに破片が飛び散りにくくする
- 養生テープ:内側からガラスに貼る。フィルムと同様、目的は破片の飛散を抑えることです
養生テープを窓に貼っても、ガラスそのものが割れにくくなるわけではありません。あくまで割れたあとの破片対策として位置づけ、雨戸やシャッターがある家はそちらを閉めることを優先します。テープは屋外に長く貼ると糊が残りやすいため、内側に貼るほうが後始末が楽になります。
台風接近の直前は品切れになりやすい品目です。使い道が窓だけに限られないため、平時に1巻あると持て余しにくくなります。
ベランダ作業を切り上げるタイミング
風が強くなってからのベランダ作業は、それ自体が危険です。作業は風雨が強まる前日か、当日の朝までに終えます。
同時に、屋内側の備えも進めておきます。6
浴槽の水は、断水時のトイレや洗い物に使えます。小さな子どもがいる家庭では、浴室の扉を施錠するなどの配慮とあわせて判断してください。
まとめ
- ベランダの物は「中へ入れる/固定する/動かせない」の3つに仕分けてから動く
- 小さくて軽い物ほど遠くへ飛ぶ。優先は室内への収納
- 物干し竿は下ろす。竿受けも外せるなら外す
- すのこ・人工芝・シェードは見落としやすい
- 排水口は物を片づけたあとに掃除する
- 避難ハッチ・隔て板・排水口の上には物を置かない。台風だけでなく火災のときの逃げ道
- ベランダは高さのぶん、落ちたときの結果が重い。下を歩く人を守る作業でもある
- 養生テープは破片の飛散対策。ガラスの補強とは考えない
- 作業は風が強まる前に終える
台風前の全体の段取りは台風に備える持ち物と行動リスト、窓ガラスの対策は窓ガラスの飛散防止フィルム、室外機の扱いはエアコン室外機の台風対策、賃貸での防災用品の置き場所は賃貸の防災用品の置き場所を参照してください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
気象庁「自分で行う災害への備え」2026年9月1日確認
↩ 本文へ風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納する。
気象庁「台風とは」2026年9月1日確認
↩ 本文へ低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17 m/s(34ノット、風力8)以上のもの
気象庁「風の強さと吹き方(表)」2026年8月19日確認
↩ 本文へ風の吹き方は絶えず強弱の変動があり、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いですが、大気の状態が不安定な場合等は3倍以上になることがあります。
気象庁「風の強さと吹き方(表)」2026年8月19日確認
↩ 本文へ飛来物によって負傷するおそれがある。
横浜市「共同住宅ならではの備えとは?」2026年9月1日確認
↩ 本文へ非常階段や非常扉の場所、ベランダの避難ハッチ(非常脱出口)や蹴破り戸の使い方を確認しましょう。
東京消防庁「台風・大雨に備えよう」2026年9月1日確認
↩ 本文へ断水に備えて飲料水を確保するほか、浴槽に水を張るなどして生活用水を確保する