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台風の前に自転車をどうするか。「倒しておけばいい」とよく言われますが、どこに、どの向きで倒すかで結果がかなり変わります。倒したまま隣の車に寄りかかる、風で滑って動く、といったことが起きるためです。
優先順位は「屋内 → 屋根の下で固定 → 倒す」
- 屋内(玄関・土間・室内)に入れられるなら入れる
- 入れられないなら、屋根のある場所でスタンドを立て、支柱に固定する
- それも無理なら、倒して置く
3が最後なのは、倒すこと自体が目的ではないからです。倒すのは「風で倒れて壊れるくらいなら、自分で安全な倒し方をしておく」という消極的な選択です。
気象庁は屋外の物についてこう案内しています。1
自転車そのものが飛ぶことは多くありませんが、倒れて別の物を壊す、カゴやカバーが飛ぶという形で被害の側に回ります。
倒すときの置き方
倒すと決めたら、次を守ります。
- 建物側に倒す。 道路側・隣家側に倒すと、そのまま迷惑になる
- チェーン側(右側)を上にして左に倒す。 ディレイラー(変速機)を地面に当てない
- 壁際・低い場所を選ぶ。 風が抜けにくい場所のほうが動きにくい
- 車・窓・エアコン室外機の近くを避ける
- 複数台なら重ねず、少し離して倒す。 重ねるとまとめて動く
ハンドルが地面に当たる面はタオルを挟むと傷が減ります。 電動アシスト車はバッテリーを外して屋内に入れてください。濡れる場所に置いたままにしない、というだけで復旧の手間が変わります。
室内・ベランダに入れる場合
玄関に入れるのがいちばん確実です。汚れが気になる場合は、新聞紙や古いレジャーシートを敷いておきます。
ベランダに入れるときは注意が要ります。
- 避難ハッチや隔て板の前をふさがない。 非常時の経路をふさぐことになる
- 排水口をふさがない。 詰まると浸水につながる
- 手すりに立てかけない。 倒れて階下に落ちる
集合住宅の避難経路については、自治体も注意を促しています。2
ベランダ全体の片づけ方はベランダの飛散物対策にまとめています。
駐輪場・屋根のある場所に置く場合
屋根があっても、横風は入ります。
- スタンドを立てたまま、支柱やラックにワイヤーで固定する(盗難防止用のワイヤーがそのまま使える)
- カゴのカバー・レインカバー・チャイルドシートのカバーは外す。面が大きく、いちばん飛びやすい
- サドルカバー・かごネットも外す
カバー類は、外して家の中に入れるのが早いです。飛べば近所の家に当たります。
飛ぶのは自転車より「付属品」
風で飛ぶものの被害は、大きさより面積と軽さで決まります。3
自転車まわりで面積があって軽いのは、レインカバー、かごカバー、荷台のコンテナ、空気入れ、傘立てです。自転車を倒して満足せず、周りの小物を先に片づけるほうが効果があります。
風が強まってからの作業は避けてください。4
前日の作業全体は台風の前日にやることリストにまとめています。
台風のあとに見るところ
- チェーン・ワイヤー・可動部の水分を拭く。 錆はここから出る
- ブレーキの効きを確認する。 濡れた直後は効きが落ちる
- タイヤに刺さり物がないか見る。 飛散したガラス片や釘を踏むことがある
- 電動アシスト車は端子の水分を確認してから通電する
浸水した場所に置いていた自転車は、ハブやボトムブラケットに水が入っていることがあります。異音が出るようなら自転車店で見てもらってください。
まとめ
- 優先順位は屋内 → 屋根の下で固定 → 倒す。倒すのは最後の手段
- 倒すなら建物側へ、左に倒す。変速機を地面に当てない。車と窓の近くを避ける
- ベランダに入れるときは避難ハッチ・排水口をふさがない。手すりに立てかけない
- 駐輪場ではスタンドを立てて支柱にワイヤーで固定する
- 最も飛ぶのは自転車本体ではなくカバー類・かごネット・荷台の小物。先に外す
- 台風のあとは水分を拭き、ブレーキとタイヤを確認する
台風対策シリーズ: 前日にやることリスト / ベランダの飛散物対策 / 台風は上陸すると弱まるのか
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
気象庁「自分で行う災害への備え」2026年9月1日確認
↩ 本文へ風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納する。
横浜市「共同住宅ならではの備えとは?」2026年9月1日確認
↩ 本文へ非常階段や非常扉の場所、ベランダの避難ハッチ(非常脱出口)や蹴破り戸の使い方を確認しましょう。
気象庁「風の強さと吹き方(表)」2026年8月19日確認
↩ 本文へ飛来物によって負傷するおそれがある。
内閣府(防災担当)「首都圏における広域降灰対策検討会(第2回)資料2-4 火山灰の処理」2026年9月1日確認
↩ 本文へ一般的な屋外作業の安全管理と同様、強風時や降雨時等には作業を中断する等の対応をとる必要がある。