住まいの安全

耐震補強工事の費用は何で変わる?工事の中身と見積もりの取り方

根拠: 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」(2026年8月17日確認) ほか2件(記事末に一覧)

本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれています。

耐震補強工事の費用を調べると、幅の広い数字ばかりが出てきます。理由は単純で、「耐震補強工事」という1種類の工事があるわけではないからです。壁を増やすのか、基礎を直すのか、屋根を軽くするのか。何をやるかで工事の規模が変わり、そのまま金額に出ます。国土交通省の資料をもとに、工事の中身と費用の決まり方を整理します。

なお、この記事は工事そのものの話です。工事の前段にある耐震診断の費用と補助制度は耐震診断の費用にまとめています。

工事が必要になるかどうかは診断の評点で決まる

見積もりの前に、そもそも工事が要るかどうかの判定があります。1

診断は数値で結果が出ます。この数値が1.0を下回った分だけ補うのが補強工事なので、どれくらい足りないかで工事の量が決まります。「うちはいくらかかるか」は診断が終わるまで確定しません。逆に言えば、診断を受けずに見積もりだけ取ることには無理があります。

計画を立てるのも専門家の仕事です。2

補強工事は4系統に分かれる

国土交通省は工事の方法を並べて示しています。3

見積書の項目はだいたいこの4系統に分類できます。

系統何をするか費用に効く要素
筋かいを入れる、構造用合板で壁を増やす補強する壁の枚数。内装をどこまで剥がすか
基礎ひび割れ補修、鉄筋コンクリートの増し打ち基礎の現状。床下に入れるかどうか
接合部金物で柱とはりをつなぐ対象箇所の数。壁を開ける必要があるか
屋根屋根材を軽いものに替える屋根の面積。既存の屋根材の処分

壁の補強

補強する壁が1枚か10枚かで、工事の量も工期も変わります。見積書を見るときは、まずここの枚数を確認します。45

基礎の見直し

補修で済む場合と、作り直しに近い工事になる場合があります。678

同じ「基礎の工事」という言葉でも、ひび割れ補修と増し打ちでは規模がまったく違います。見積書で基礎の項目が大きいときは、どちらの話なのかを聞くと内容がはっきりします。

接合部の金物

部材そのものは大きなものではありませんが、取り付けるために壁を開ける必要があるかどうかで手間が変わります。壁の補強と同じ場所でまとめてやると、開けたり閉じたりを一度で済ませられます。9

屋根の軽量化

建物にかかる力そのものを減らす方向の工事です。壁を増やすのが「耐える力を足す」だとすれば、こちらは「かかる力を減らす」ことになります。屋根の葺き替えが将来必要なら、そのタイミングと合わせると足場の費用が一度で済みます。1011

費用が住宅ごとに変わる要素

金額に幅が出るのは、次の要素が家ごとに違うためです。12

古さ・大きさ・構造・工事の方法の4つが変数として挙がっています。この224万円という数字はあくまでモデルケースで、同サイトに記載されているもの(2026年8月17日時点の記載)です。自宅の条件に置き換えると上下します。

「相場はいくらか」という問いより、「自宅は4系統のうちどれをやる必要があるのか」を診断結果から確認するほうが、金額の見当が早くつきます。

建て替えと比べたときの位置づけ

古い家の場合、建て替えという選択肢も出てきます。13

生活面の負担も違います。1415

仮住まいが要るかどうかは、工事費とは別に生活費として効いてきます。見積もりを取る段階で「住みながらできるか」を必ず質問項目に入れておくと、総額の比較がしやすくなります。

見積もりが出るまでの順番

工事費が確定するのは工程のかなり後ろです。16

診断 → 計画 → 設計 → 見積もり → 工事、という並びなので、最初の相談から金額が見えるまでには時間がかかります。相談先も示されています。17

業者を自分で探す前に自治体の窓口へ行くと、補助制度と業者情報を一度に確認できます。18

工事を待つあいだにやっておくこと

診断から工事までは月単位の時間がかかります。その間の地震に対しては、道具だけで完結する対策が先に効きます。

家具の固定は工事とは無関係に今日から進められます。方法は家具転倒防止の突っ張り棒、寝室のレイアウトは寝室の家具配置にまとめました。窓は窓ガラスの飛散防止フィルムの考え方で対応できます。

PR
養生テープ 飛散防止テープ 50mm×50M 5巻セット

こんな人に台風前に窓が心配

選ぶ理由飛散防止フィルムの代替にはならない前提で紹介

敷地の外周も同時に見ておくと二度手間になりません。ブロック塀の点検項目は危険なブロック塀の見分け方に整理しています。建物が損傷した場合の金銭面の備えは地震保険は必要かを参照してください。

工事中に一時的に家を離れる可能性も踏まえ、持ち出す物をまとめておくと動きやすくなります。

PR
防災セット SHELTER プレミアム 1人用(防災士・災害備蓄管理士監修)

こんな人に中身を自分で選ぶ自信がなく、監修付きの1人用セットが欲しい

選ぶ理由防災士と災害備蓄管理士が監修した1人用。期限管理の案内付き

まとめ

出典と根拠

本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。

  1. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    評点が1.0未満の場合、耐震改修が必要になります
    ↩ 本文へ
  2. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    耐震診断の結果に基づき、目的に応じた耐震改修を建築士が検討します
    ↩ 本文へ
  3. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    耐震改修の方法には、屋根材を軽くする、壁を補強したり柱に新たな筋かいを施す、柱やはりを補強する、家を支える基礎を見直すなどの方法があります
    ↩ 本文へ
  4. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    柱と柱の間に斜めに筋かいを入れたり、構造用合板を使って地震に強い壁を増やしたりします
    ↩ 本文へ
  5. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    これによって、地震時に起きる家をゆがませるような力を抑えることができます
    ↩ 本文へ
  6. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    家全体を支える基礎も大切です
    ↩ 本文へ
  7. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    ひび割れの原因をなくし、ひび割れを補修することで中の鉄筋のサビの進行を抑えます
    ↩ 本文へ
  8. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    既存の基礎が弱い場合には、鉄筋コンクリートを増し打ちして、基礎を強くし、上にのる壁や筋かいの力を支えます
    ↩ 本文へ
  9. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    金物によって、柱やはりをしっかりつなげ、地震の力で外れてしまわないようにします
    ↩ 本文へ
  10. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    重い家であるほど、地震の力が強く作用します
    ↩ 本文へ
  11. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    軽い住宅にすることで、家にかかる負担を小さくできます
    ↩ 本文へ
  12. 国土交通省「住まいの耐震化「補助金・支援制度について」」2026年8月15日確認

    耐震改修に係る費用は、住宅の古さ、大きさ、構造、工事の方法などによって変わりますが、例えば、築50年、2階建て、延べ面積約100㎡の木造住宅を改修すると、224万円ほどかかるというモデルケースがあります
    ↩ 本文へ
  13. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    耐震改修は、地震に強い家に建て替える場合と比較すると工期も短期間で費用も少なくてすみます
    ↩ 本文へ
  14. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    住みながら工事できるケースもあるので生活の変化や負担もそれほど大きくありません
    ↩ 本文へ
  15. 国土交通省「住まいの耐震化 家族を思う、強い家」2026年8月15日確認

    必要なケースもありますが、家の外側から壁や基礎を補強するなど住みながら一部ずつ進められるケースもあります
    ↩ 本文へ
  16. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    耐震改修工事にかかる費用を算出します
    ↩ 本文へ
  17. 国土交通省「住まいの耐震化「耐震改修の進め方」」2026年8月17日確認

    また、専門業者や支援制度の紹介やアドバイスを受けることができるため、まずはお住いの地方公共団体の相談窓口に相談することも考えられます
    ↩ 本文へ
  18. 国土交通省「住まいの耐震化 家族を思う、強い家」2026年8月15日確認

    トラブルなく安心して耐震改修が行えるよう、専門業者はしっかりと調べたうえで依頼しましょう
    ↩ 本文へ