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本棚には2つの事故がある
本棚の対策は、次の2つを分けて考えます。混ぜると、片方だけやって終わることになります。
| 事故 | 何が起きるか | 対策 |
|---|---|---|
| 本棚そのものが倒れる | 下敷きになる。避難経路が塞がる | 本体の固定 |
| 本が飛び出す | 頭部に当たる。床に散乱して歩けなくなる | 落下防止 |
本は1冊でも重量があり、高い位置から落ちれば十分な力になります。本棚を固定しただけでは、この事故は防げません。
家具類による被害の大きさは、国も示しています。1
1. 本体を固定する
固定の方法は、壁にネジを打てるかどうかで分かれます。2
ネジ止めをする場合、効くのは下地(柱や間柱)がある位置だけです。石膏ボードだけの部分に打っても、地震の力で抜けます。下地の位置は、下地探し器や、コンコンと叩いたときの音の変化で見当がつきます。
ネジを打てない場合の順番は次のとおりです。
- 置き方を変える: 寝る場所・出入口の動線から外す。これは費用ゼロで最も確実
- 背の低いものに替える: 高さがあるほど倒れやすくなります
- 突っ張り棒: 天井側の下地に当てる。効きが下地に依存する
- 粘着マット・ストッパー: 単体では不十分。他の手段と組み合わせる
3の突っ張り棒は、**天井の手前側(壁に近い側)**に付けます。奥に付けると、倒れる方向に対して効きが落ちます。
こんな人に本棚と天井のすき間が広くどの長さを買えばいいか分からない
選ぶ理由伸縮幅を明記した中間サイズ。背の高い本棚・タンス向けの標準解として出す
2. 本の落下を防ぐ
本体を固定しても、揺れれば本は前に飛び出します。対策は次のとおりです。
- 落下防止バー・ベルトを渡す: 棚板の前面に横方向のバーを付ける。最も効果が分かりやすい
- 手前に余白を作らない: 本を棚の奥に寄せると、揺れたときに前へ出る距離が長くなります。手前を揃えるほうが飛び出しにくくなります
- 重いものを下段へ: 大型本・辞書・写真集は最下段へ。重心が下がり、本棚自体も倒れにくくなります
- 上段を空ける: 高い位置に本を置かない。落ちたときの高さがそのまま危険になります
- 扉付きに替える: 扉があれば飛び出しません。ただし、開き扉は揺れで開くことがあるためラッチを付けます
このうち重いものを下段へは、費用ゼロで本体の転倒対策にもなります。今日できる対策としては最も効率が高くなります。
3. 置き場所で決まる部分
固定を完璧にできない場合でも、置き場所を変えるだけで被害は減らせます。
- 寝ている人の頭側に本棚を置かない
- 出入口とその動線上に置かない(倒れると閉じ込められます)
- 廊下や階段の避難経路上に置かない
- 窓際は避ける(ガラスに倒れると被害が重なります)
倒れたあとの部屋を歩くことの危険も、都が指摘しています。3
本が散乱した床は、暗い中では歩けません。寝室にスリッパや靴を用意しておくのは、この状況への備えです。
賃貸でできる範囲
ネジを打てない前提でも、次はすべて可能です。
- 置き場所を動線と寝る位置から外す
- 重い本を下段へ移す
- 上段を空ける
- 落下防止バーを棚板に取り付ける(棚板側なので壁を傷つけません)
- 突っ張り棒(天井に跡が残る場合があるため、当て板を使う)
1〜3は今日中に終わります。費用も許可も要らない対策から先にやるのが、賃貸での正解です。
まとめ
- 本棚の事故は「倒れる」と「本が落ちる」の2つ。分けて対策する
- ネジ止めは下地がある位置にしか効かない
- ネジを打てないなら、置き場所の変更が最も確実で費用ゼロ
- 重い本を下段へ、上段は空ける。これだけで両方の事故に効く
- 突っ張り棒は天井の手前側に付ける
賃貸での固定方法は賃貸で穴を開けずに家具を固定する、突っ張り棒の効かせ方は家具転倒防止の突っ張り棒は効くのか、扉のラッチは食器棚の耐震ラッチ、テレビの固定はテレビの転倒防止ベルトを参照してください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府「広報ぼうさい 特集3 地震に備える」2026年9月1日確認
↩ 本文へ近年発生した大きな地震でけがをした人の原因は、約30%から50%が家具類の転倒・落下・移動によるものでした
東京消防庁「自宅の家具転対策」2026年8月3日確認
↩ 本文へ脚の部分のロックを行うとともに、冷蔵庫の上部をベルトなどで背面の壁と連結することが有効ですが、壁側にネジ止めをする器具の場合は、壁の強度のある部分で行う必要があります
東京都「日常備蓄」パンフレット2026年8月6日確認
↩ 本文へ夜間の発災で停電した場合、暗闇の中、壊れた家具やガラスが散乱する部屋を歩くことは非常に危険です