カーポートの台風対策|基準風速で選ぶ考え方とサポート柱の使いどころ
根拠: YKK AP株式会社(メーカー公式。第三者による検証データではない)「カーポートに必要な耐風圧強度・耐積雪性能」(2026年8月28日確認) ほか4件(記事末に一覧)
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カーポートは、車を守るはずのものが飛ぶ側に回ることがある構造物です。屋根が面で風を受け、しかも柱が片側にしかない片流れタイプが多いためです。台風の前にできることと、そもそもの選び方を分けて整理します。
まず「どの風速まで想定された製品か」を知る
カーポートには、地域ごとの想定風速に対する設計の目安があります。
- YKK AP株式会社(メーカー公式。第三者による検証データではない)「カーポートに必要な耐風圧強度・耐積雪性能」(「日本国内では、過去の台風記録などに基づき、地域ごとに「基準風速(V0)」が定められています。カーポートには、その風速に対してどれだけ耐えられるかの目安(耐風圧強度)があります。」)
その「基準風速」は建築基準法まわりの告示で定められた値です。1
つまり、自分の地域の基準風速と、設置してあるカーポートの対応値を突き合わせるのが出発点です。新設・建て替えを考えているなら、ここが最も効く判断になります。すでに建っているものは値を変えられません。
注意しておきたいのは、この数字が「これ以下なら壊れない」と言い切れる保証ではないことです。気象庁は同じ風速でも被害が一様でないと書いています。2
そして予報の平均風速は、実際に当たる瞬間の風より小さい値です。3
サポート柱は「使う前提」で置いてある
多くの片流れカーポートには、強風時だけ立てる着脱式の柱がオプションで用意されています。買ったまま物置にしまってあると意味がありません。
- 台風予報が出た前日までに立てる。当日の強風下では作業しない
- 立てる位置と固定方法を普段から確認しておく(初回に説明書を読む)
- 積雪地域では冬にも使う。年に何度か出番がある部品として扱う
自宅のカーポートに設定があるかどうかは、製品名で取扱説明書を探すか、施工した業者に聞くのが確実です。
屋根パネルを外すべきか
「台風前に屋根パネルを外す」という方法はよく語られますが、製品によって想定が違います。外す前提で作られているものもあれば、外すこと自体が想定されていないものもあります。
- 取扱説明書に着脱の記載があるかを先に確認する
- 記載がなければ自己判断で外さない。留め具を壊すと戻せなくなる
- 外したパネルの置き場所を決めてから外す。地面に置いたままだとそれ自体が飛ぶ
外したパネルを庭に立てかけて、それが飛んで窓を割る——という筋書きは実際に起こりえます。飛ぶ物を減らすのが目的なのに、増やしては本末転倒です。4
車をどこに置くか
カーポートは屋根であって、シェルターではありません。強い台風の予報が出ているなら、車の避難先を先に決めるほうが確実です。
- 立体駐車場・屋内駐車場に移す(浸水想定区域では上階が使えるか確認する)
- 高台の安全な場所に移す
- どうしても動かせないなら、飛来物が当たる方向(風上側の物置・隣家の屋根など)から離す
浸水のおそれがある地域では、置き場所の選択がそのまま被害の分かれ目になります。車が水に浸かったときの扱いは水没した車からの脱出と車が冠水したときの保険にまとめています。
壊れたときの費用
カーポートは建物の付属物として、火災保険の風災補償で扱われることがあります。5
対象に含まれているか、金額の条件がどうなっているかは契約ごとに違います。 証券を手元に置いて保険会社・代理店に確認してください。車両側の損害は自動車保険の車両保険の領域で、建物の保険とは別です。
- 一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)「損害保険Q&A くるまの保険 問15 車両保険」(「この「偶然な事故」とは、交通事故だけではなく、衝突、接触、墜落、転覆、物の飛来、物の落下、火災、爆発、盗難、台風、洪水、高潮など、あらゆる偶然な事故で、被保険者の過失によって発生した偶然な事故も含みます。」)
まとめ
- カーポートは基準風速(V0)に対する対応値で選ぶ。新設・建て替えのときが最大の分岐点
- 対応値は保証ではない。同じ風速でも構造物の状態で被害が変わる
- 予報の平均風速に対し、瞬間風速は1.5〜3倍になりうる
- サポート柱は前日までに立てる。当日の強風下で作業しない
- 屋根パネルの取り外しは取扱説明書に記載がある場合だけ。外したパネルの置き場所も決める
- 強い台風では車の避難先を先に決める。カーポートはシェルターではない
- 費用は火災保険の風災補償が関わることがある。対象と条件は契約次第
台風対策シリーズ: 前日にやることリスト / フェンスが倒れたら / エアコン室外機の台風対策
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
YKK AP株式会社(メーカー公式。第三者による検証データではない)「カーポートに必要な耐風圧強度・耐積雪性能」2026年8月28日確認
↩ 本文へ基準風速は建設省(現国土交通省)告示第145号で定められたもので、その地域における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて30m/s~46m/sまでの範囲内において国土交通大臣が定める風速
気象庁「風の強さと吹き方(表)」2026年8月19日確認
↩ 本文へ風速が同じであっても、対象となる建物、構造物の状態や風の吹き方によって被害が異なる場合があります。
気象庁「風の強さと吹き方(表)」2026年8月19日確認
↩ 本文へ風の吹き方は絶えず強弱の変動があり、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度になることが多いですが、大気の状態が不安定な場合等は3倍以上になることがあります。
気象庁「自分で行う災害への備え」2026年9月1日確認
↩ 本文へ風で飛ばされそうな物は飛ばないよう固定したり、家の中へ格納する。
一般社団法人日本損害保険協会(損害保険会社の業界団体。政府機関ではない)「風水雪災等による損害を補償する損害保険」2026年8月28日確認
↩ 本文へ台風や暴風などの風災による損害や、大雪などの雪災による損害について、一定額以上に達するものであれば補償の対象としています。