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前提は「すぐには合流できない」
単身赴任の備えで最初に決めるのは、発災時に家族と合流できるかです。答えは多くの場合「できない」になります。交通が止まり、道路も鉄道も数日は動きません。
その前提に立つと、二拠点の役割は次のように分かれます。
| 拠点 | 役割 | 備えの中心 |
|---|---|---|
| 赴任先 | 自分1人が数日生き延びる | 水・明かり・トイレ・食料(1人分) |
| 自宅 | 残る家族が生活を続ける | 人数分の備蓄と、大人1人分が欠けた状態での運用 |
見落とされやすいのが自宅側です。普段は自分がやっている作業が、発災時にいないという状態になります。重い水の運搬、家具の復旧、車の運転などです。この穴を埋める準備が、赴任先の備えと同じくらい重要になります。
赴任先に置くもの
赴任先が単身用の住居なら、置き場所が限られます。優先順位は水・明かり・トイレ・食料の順で、まとめて置ける形にすると管理が楽になります。
自宅側で埋める穴
自分がいない状態で家族が困る作業を、先に洗い出します。
- 水の運搬: 給水所から運ぶのは重労働。台車やキャリー付きの給水袋があるか
- 家具の固定: 帰省したときにまとめてやる。発災後に自分が行けない前提で
- 車の扱い: 家族が運転できるか。できないなら車前提の避難計画は成り立たない
- 重いものの移動: 高い場所の物を下ろす、家具の下敷きになったものを出す
- 判断の代行: 避難するかどうかを誰が決めるか
3と5は事前に話しておかないと、当日に止まります。避難の判断を誰がするかを決めておくだけでも動きが変わります。
連絡手段を二重にする
離れているぶん、安否確認の重みが増します。電話はつながりにくくなります。34
決めておくのは次の3つです。
- 第1手段(通信が生きている場合): メッセージアプリなど
- 第2手段(電話がつながらない場合): 災害用伝言ダイヤル・伝言板
- 第3手段(どちらも使えない場合): 集合場所と、そこへ向かう時刻
第3手段まで決めている家庭は多くありません。通信が完全に止まる可能性を織り込むと、ここが最後の砦になります。
電源を切らさない
安否確認も情報収集も、スマートフォンが前提になります。赴任先と自宅の両方に、充電手段を分けて置いておきます。
満充電のまま放置すると劣化するため、月に1回は使って充電し直す運用にします。
帰宅を急がない
発災直後に自宅へ向かうのは、多くの場合むしろ危険です。5
赴任先で安全が確保できているなら、そこに留まるのが原則です。「帰らない」という判断を家族と共有しておくと、当日の焦りが減ります。
まとめ
- 前提は「すぐには合流できない」。二拠点の役割を分ける
- 赴任先は自分1人が数日過ごせる分量。水・明かり・トイレ・食料の順
- 自宅側は「大人1人が欠けた状態」で回るかを点検する
- 連絡手段は3段階まで決める。集合場所と時刻が最後の砦
- 発災直後に自宅へ向かわない。留まる判断を先に共有しておく
家族の連絡方法は災害用伝言ダイヤル171の使い方、帰宅の判断は徒歩帰宅の準備、勤務先での備えはオフィスの帰宅困難対策、一人分の備えは学生の一人暮らしで最低限そろえる防災を参照してください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府「自然災害への備えは万全ですか?」2026年7月24日確認
↩ 本文へ飲料水は一人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間分を備蓄する
農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド(1)」2026年8月6日確認
↩ 本文へ最低3日分〜1週間分×人数分の食品の家庭備蓄が望ましいといわれています
総務省「非常時における通信の概要」2026年7月24日確認
↩ 本文へ地震等の災害が発生した場合、通信が混み合って電話がつながりにくくなります。電気通信事業者各社では、こうした通信の混雑の影響を避けながら、家族や知人との間での安否の確認や避難場所の連絡等をスムーズに行うため、『災害用伝言サービス』を提供しています
総務省「非常時における通信の概要」2026年7月24日確認
↩ 本文へ災害用伝言サービスには、171番に電話をかける『災害用伝言ダイヤル(171)』、携帯電話のネット接続機能を使った『災害用伝言板』、インターネットを使用する『災害用伝言板(web171)』があります
内閣府(防災担当)「帰宅困難者等対策」2026年8月2日確認
↩ 本文へ災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドラインが令和8年1月改定版として公開されている