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結論:2人用の防災リュックは「2つに分ける」が原則
「2人用」と書かれた防災リュックには、大きなリュック1つに2人分を詰めた商品と、リュック2つがセットになった商品の2種類があります。結論から言うと、特別な事情がなければ2つに分けるほうが動かせます。理由は重さです。
神奈川県は、非常持出品としてリュックなどに入れる重さの目安を示しています。1
2人分をまとめて1つに入れると、その1つを背負う側だけが2人分の重量を負うことになります。目安を超えれば、階段や瓦礫の上で足が止まります。2人で運ぶ前提なら合計25キロ前後まで使えるのに、1つにまとめた瞬間に上限が15キロに縮む——これが1袋構成の一番大きな弱点です。
市販の防災セットを買うか自分で組むかで迷っている段階なら、防災セット2人用のおすすめ比較で中身の考え方を先に確認してください。
2人分の必要量(リュックに入る量と入らない量)
まず、2人で何がどれだけ要るのかを出します。人数と日数で機械的に決まる部分です。
| 項目 | 3日分(2人) | 7日分(2人) |
|---|---|---|
| 飲料水 | 18L | 42L |
| 食料 | 18食 | 42食 |
- 水(1人1日3リットル・最低3日分、できれば1週間分): 内閣府「自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!」(「飲料水は一人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間分を備蓄する」)
- 食料(大人1人あたり3日分で9食): 農林水産省「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」(PDF)(「大人1人あたり、3日分であれば9食、1週間分であれば21食を確保することが例として示されている」)
水18リットルは約18キロです。この時点で、2人分の水はリュックに入る量ではないと分かります。神奈川県は持出品を2段階に分ける考え方を示しています。2
リュックに入れるのは一次持出品だけ。水と食料の大半は自宅に置く二次持出品です。この線引きは一次持出品と二次持出品の分け方で詳しく整理しています。世帯人数が2人でない場合は、計算ツールで自分の必要量を先に出しておくと迷いません。
2人分そろえるもの、2人で1つでいいもの
2つに分けると決めたら、次は品目の振り分けです。ここを間違えると「片方のリュックだけ役に立つ」状態になります。
総務省消防庁のチェックシートは、避難用具について次のように書いています。3
別行動になった瞬間に困るものは、2人分そろえます。
| 分類 | 品目 | 理由 |
|---|---|---|
| 2人分そろえる | 懐中電灯・飲料水・食料・携帯トイレ・常用薬・メガネ・下着・マスク・軍手 | 同時に使う、または体に付くもの |
| 2人で1つ | 携帯ラジオ・救急セット・ランタン・工具・給水袋・ロープ | 同時に2つは要らない |
共用品を片方に寄せすぎると、そのリュックだけが重くなります。重い共用品(ラジオ・救急セット・給水袋)は交互に振り分け、2つの袋の重量差を3キロ以内に収めるのが実務的な目安です。
袋そのものの選び方について、消防庁の防災危機管理eカレッジは次の点を挙げています。4
容量の考え方は防災リュックは何リットルが目安か、詰める順番は防災リュックの詰め方と順番にまとめています。
2人用の構成パターン別・向き不向き
パターンA:2人用セット(リュック2つ入り)
- 向く人:同居の2人世帯。中身の選定と期限管理をまとめて任せたい人
- 向かない人:中身を自分で細かく組み替えたい人
防災セット SHELTER プレミアム 2人用(防災士×災害備蓄管理士監修)
こんな人に2人分をまとめて、中身の重複なくそろえたい
選ぶ理由SHELTERプレミアムの2人用。1人用と同じ監修で、夫婦・同居2人向け
防災セット 2人用(サバイバル60点)
点数が多く、2つの持ち出し袋に分けて振り分けやすい構成です。
こんな人に2人分の持ち出し袋を最初から中身入りでそろえたい
選ぶ理由60点入りの2人用。リュックごと用意して置き場を決めるだけ
パターンB:1人用セット×2
- 向く人:共働きで平日は別の場所にいる2人。職場と自宅に分けて置きたい人
- 向かない人:共用品の重複を避けて総重量を抑えたい人
同じ「2人分」でも、こちらは各自のリュックが単体で完結します。片方が自宅にいなくても、もう片方は最低限の装備を持って動けます。
HIH 防災セット 1人用(ハザードリュック)
こんな人に何を揃えればいいか分からず、最初の1セットを決めきれない
選ぶ理由36点が最初から入った1人用。福島県企業の開発で、まず1人分を確保する入口向け
パターンC:リュックだけ2つ買って中身は自分で組む
- 向く人:すでに水・食料・常用薬がある人。袋だけが足りない人
- 向かない人:何を入れるかの判断から任せたい人
DITRAIL 防災リュック(大容量・軽量・単品)
袋のみの単品なので、2つ買って夫婦で1つずつ持つ構成が組めます。
中身は防災リュックの中身リストを土台にすると組み立てやすくなります。雨天時の扱いは防災リュックの防水とレインカバーを参照してください。
こういう選び方は失敗しやすい
- 大型リュック1つに2人分を集約する: 背負う側が重量の目安を超え、2人分すべてが動かせなくなります
- 点数の多さだけで比べる: 綿棒や絆創膏で点数が増えている場合があります。水・携帯トイレ・防寒具の有無で見てください
- 共用品を片方に寄せる: 重量差が大きいと、軽いほうを持つ人が余力を残したまま歩くことになります
- セットを買って自宅の備蓄をやめる: リュックは一次持出品です。水18リットル・携帯トイレの必要数は自宅側で別に確保します
買った後にやる2つのこと
- 中身を全部出し、2人それぞれの必需品(常用薬・メガネ・コンタクト・モバイルバッテリー)を足す。2人暮らしの備蓄全体は2人分の備蓄リストで確認できます
- 2つとも実際に背負い、数分歩いてどちらが何を持つかを決める。決めた配分をメモにして袋の内側に入れておくと、当日の判断が減ります
置き場所については、神奈川県が次の点を挙げています。5
2つに分けたなら、置き場所も2か所に分けてください。寝室と玄関のように離しておくと、片方が家具の下敷きになってももう片方が取り出せます。
よくある質問
大きいリュック1つのほうが安く済むのでは?
袋が1つで済む分だけ安くなる商品はあります。ただし、非常時に背負えなければ意味がありません。重さの目安を超えないか、2人分を入れた状態で一度背負って確かめてから判断してください。
2人用と1人用×2はどちらが軽いですか?
共用品を重複させない2人用のほうが合計は軽くなります。一方で1人用×2は各自のリュックが完結するため、別々の場所で被災したときに強くなります。日中の行動範囲で選び分けてください。
子どもがいる場合も同じ考え方でいいですか?
配分の考え方は同じですが、子ども自身に持たせる量は体格で決まります。子どもの防災リュックの中身を別に用意し、大人側の2つには子どもの分の水と食料を振り分けてください。
まとめ
- 2人用は2つに分けるのが原則。1つにまとめると重さの目安(男性15キロ・女性10キロ程度)にすぐ届く
- リュックに入れるのは一次持出品だけ。水18リットル・18食の大半は自宅に置く二次持出品
- 懐中電灯・水・食料・携帯トイレ・常用薬は2人分。ラジオ・救急セット・工具は2人で1つ
- 共用品を交互に振り分け、2つの袋の重量差を3キロ以内に収める
- 置き場所も2か所に分け、片方が取り出せなくなる事態に備える
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
神奈川県くらし安全防災局2026年8月9日確認
↩ 本文へリュックなどに入れる重さの目安は、男性で15キロ、女性で10キロ程度です
神奈川県くらし安全防災局2026年8月9日確認
↩ 本文へ非常持出品には、一次持出品と二次持出品の2つがあります
避難するときに最初に持ち出すものです。あまり欲張りすぎないことが大切です
総務省消防庁「非常用持出品チェックシート」(PDF)2026年8月11日確認
↩ 本文へ懐中電灯はできれば一人に一つ用意したいもの
総務省消防庁「防災危機管理eカレッジ 非常持出品の準備」2026年7月24日確認
↩ 本文へ非常持出品は普段からなるべく燃えにくい素材のリュックサックなどに入れ、最小限の量を用意しておく
神奈川県くらし安全防災局2026年8月9日確認
↩ 本文へ過去の地震災害では、家屋が倒壊して、非常持出品を取り出せないケースも多くありました
取り出しやすく、災害の影響を受けにくい場所に置くようにしましょう