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「何時間もつか」は冷蔵庫の性能ではなく開け方で決まる
停電したときに気になるのが、冷蔵庫の中身がいつまでもつのかという点です。この問いに対して自治体が案内している目安は、いずれも「扉を開けない」ことが条件になっています。1
つまり2〜3時間という数字は、冷蔵庫を締め切ったままにした場合の話です。中身を確認しようとして何度か扉を開ければ、その分だけ冷気は失われます。2
停電したらまず「何が入っていたか」を思い出せる範囲でメモし、扉を開ける回数を最小にするのが最初の対策になります。
冷凍室の冷気を冷蔵室に移して使う
警視庁は、冷凍室にあるものを冷蔵室側の保冷剤として使う方法を案内しています。3
冷気は上から下に降りるため、凍ったものを上段に置き、守りたい食品を下段に集める形になります。ただしこの入れ替え作業でも扉は開くので、一度で終わらせる段取りを決めてから開けるのが前提です。
停電が「一晩」で終わらない場合を想定しておく
2〜3時間という目安は、短時間の停電を前提にすればおおむね足ります。問題は復旧が長引く場合です。4
約280時間はおよそ11日間です。この長さになると冷蔵庫の中身を守るという発想は成り立たず、傷みやすいものから順に食べ切る方向に切り替える必要があります。
食べる順番の考え方
停電が長引く前提では、次の順に消費していくと無駄が出にくくなります。
| 順番 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 冷蔵室の生鮮品・要冷蔵の惣菜 | 最も早く温度が上がる。においや見た目に異常があれば無理をしない |
| 2 | 冷凍室の食品(解凍が進んだもの) | 溶けはじめたものから消費する。再冷凍は避ける |
| 3 | 常温保存できる備蓄食 | 最後に回す。冷蔵庫の中身を食べている間は温存できる |
ここで効いてくるのが、日常的に食品を回しておくローリングストックです。冷蔵庫の中身を食べ切ったあとに常温の備蓄が残っていれば、停電が長引いても食事が途切れません。
冷蔵庫を動かし続ける選択肢は現実的か
ポータブル電源で冷蔵庫を動かし続ける方法もありますが、冷蔵庫は連続運転する家電のため、容量の消費が早く進みます。何をどれだけ動かせるかは、機器の消費電力と電源の容量から逆算しないと判断できません。
まとめ
- 自治体が示す「2〜3時間」は扉を開けないことが条件。開閉のたびに短くなる
- 停電したらまず開ける回数を減らし、冷凍室のものを冷蔵室上段に移して保冷剤として使う
- 復旧に約280時間を要した実例があり、長期化する場合は「守る」から「食べ切る」に切り替える
- 冷蔵→冷凍→常温備蓄の順に消費すると無駄が出にくい
備え全体の優先順位は防災グッズで本当に必要なものリスト、必要な備蓄量は備蓄量計算ツールで確認できます。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
名張市「停電時の対処法について」2026年8月2日確認
↩ 本文へ冷蔵庫は開閉しなければ2〜3時間は冷気が保持されます
君津市「停電への備えと停電時に家庭で気をつけること」2026年8月2日確認
↩ 本文へ停電中は冷蔵庫・冷凍庫の温度が上がりやすくなります。食品の傷みを防ぐため、必要以上に扉を開け閉めしないようにしてください
警視庁「停電で冷蔵庫が止まったときは」2026年8月2日確認
↩ 本文へ冷凍庫にあるものを冷蔵庫の上の段に移動して、冷蔵庫の下の段に冷やしたい食品を移せば、その冷気で下の段の食品をしばらく保冷することができます
経済産業省「電力レジリエンスワーキンググループ 台風15号の停電復旧対応等に係る検証結果取りまとめ」2026年8月6日確認
↩ 本文へ2019年の台風15号(令和元年房総半島台風)により関東地方全体で最大約93万戸が停電した
停電の解消(ピーク比99%相当の復旧)までに約280時間を要した