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結論:「防災用」ではなく、保護帽の区分から選ぶ
職場に備えるヘルメットを探すと、「防災用」「オフィス用」といった商品カテゴリが並びます。しかし選定の基準になるのは商品の呼び名ではなく、法令にもとづく保護帽の区分です。1
この2つは想定している事故が違います。
| 区分 | 想定する状況 | 職場の地震対策での位置づけ |
|---|---|---|
| 飛来・落下物用 | 上から物が落ちてくる | 地震時に必要なのはこちら。天井材・照明・棚の落下 |
| 墜落制止用 | 人が高所から落ちる | 高所作業がある職場で別途必要 |
オフィスや店舗で地震に備えるなら、まず飛来・落下物用を満たすものを選びます。両方に対応した製品もあります。
個人用の選び方は防災ヘルメットと防災頭巾の違い、折りたたみ式の比較は折りたたみ防災ヘルメットの選び方で扱っています。この記事は事業所として備える場合に絞ります。
規格に適合しているかの見分け方
つまり製品に表示があるかどうかが確認方法です。購入時はカタログの説明文だけでなく、実物の表示を確認してください。ラベルには区分(飛来・落下物用/墜落時保護用)が記載されます。2
購入前にカタログで見る場合は、次の点が書かれているかを確認します。
- 適合している区分が明記されているか
- 型式検定に関する表示があるか
- あごひもが付属しているか(落下時に脱げては意味がない)
職場ならではの条件
1. 人数分あるか
来客や外部業者を含めた最大在館人数で考えます。社員数と在館人数は一致しません。
2. 置き場所が席から近いか
倉庫にまとめて置くと、揺れている最中には取りに行けません。各自の足元またはデスク周りに分散させるのが基本です。個人の机まわりの備えは職場のデスクに置く防災グッズで扱っています。
3. 収納形状
常時かぶるものではないため、収納性が導入の可否を左右します。
| 形状 | 利点 | 弱点 |
|---|---|---|
| 一般的な球体型 | かぶるまでが速い | 場所を取る。積み重ねる形になる |
| 折りたたみ式(平たくなる) | 引き出しやロッカーに入る | 組み立てる動作が1つ増える |
| 防災ずきん一体型 | 首まわりも覆える | かさばる |
取り出してからかぶるまでの動作数を実際に試してから決めてください。揺れている最中に説明書を読む余裕はありません。
4. サイズ調整の幅
不特定の人がかぶる前提なので、調整幅の広い製品を選びます。ダイヤル式の調整機構があると装着が速くなります。
なぜ職場でヘルメットが要るのか
負傷の原因は物の落下と転倒に集中しています。3
オフィスは天井材・照明器具・書棚・複合機など、頭上と周囲に重量物が多い環境です。ヘルメットは負傷を減らして自力で避難できる状態を保つための装備という位置づけになります。
なお非常持出品のリストでもヘルメットは挙げられています。4
帰宅困難者対応まで含めた職場の備えは職場の防災と帰宅困難で扱っています。
更新の考え方
樹脂製のため、紫外線と経年で強度が落ちます。製造年月の表示を確認し、メーカーが示す交換の目安に従って更新してください。窓際やロッカーの上など日光が当たる場所に置いている分は、傷みが早く進みます。
導入時に台帳を作り、製造年月・数量・配置場所を記録しておくと更新の判断が機械的になります。
まとめ
- 選定基準は商品名ではなく、労働安全衛生法にもとづく保護帽の区分
- 地震対策で必要なのは飛来・落下物用。墜落制止用は高所作業向けで目的が違う
- 適合の確認は製品の型式検定合格標章の表示で行う
- 数は社員数ではなく最大在館人数。置き場所は各自の席の近く
- 折りたたみ式は収納に優れるが動作が1つ増える。実際に試してから決める
- 樹脂は経年で劣化する。製造年月を台帳で管理して更新する
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
厚生労働省「保護帽の規格」2026年7月24日確認
↩ 本文へ労働安全衛生法にもとづき、飛来・落下物用と墜落制止用の区分で保護帽の規格が定められている
厚生労働省(同上)2026年7月24日確認
↩ 本文へ規格に適合した保護帽には型式検定合格標章が表示される仕組みがある
内閣府「広報ぼうさい 特集3 地震に備える」2026年9月1日確認
↩ 本文へ近年発生した大きな地震でけがをした人の原因は、約30%から50%が家具類の転倒・落下・移動によるものでした
総務省消防庁「非常用持出品チェックシート」(PDF)2026年8月11日確認
↩ 本文へ避難用具のカテゴリには懐中電灯・携帯ラジオ・予備の乾電池・ヘルメット・防災ずきんが挙げられ、懐中電灯はできれば一人に一つ用意したいものとしている