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「軍手があれば十分」ではない理由
防災グッズのリストに手袋が入っていると、家にある軍手を入れておけばいいと考えがちです。しかし地震後に片付けや避難で触れるものは、割れたガラス・折れた金属・崩れた瓦など鋭利なものが多く、一般的な軍手では切れてしまうことがあります。
地震によるけがの原因の多くは「家具の転倒・落下」
内閣府は、地震でけがをした人の原因について具体的な割合を公表しています。1
家具が倒れたり落下したりすると、ガラス製品・食器・家電などが同時に破損し、床に鋭利な破片が散らばります。揺れが収まった後の行動でも、この散乱物に触れる場面は避けられません。2
出口を確保する、家の中を移動する、いずれの行動でも散乱物の上を歩いたり手をついたりする可能性があります。手袋はこの場面のためのけが予防具として位置づけられます。
なお、倒れた家具で扉が開かない・部屋から出られないという状況までを想定するなら、手袋だけでは足りません。こじ開ける道具を家庭に置くかどうかは防災用バールは家庭に必要かで判断材料を整理しています。
耐切創タイプと軍手の違い
| 種類 | 特徴 | 向く場面 |
|---|---|---|
| 一般的な軍手 | 綿製で通気性はよいが、鋭利なものに弱い | 土いじりなど日常の軽作業 |
| 耐切創手袋 | 特殊繊維でガラス片・金属片による切創を防ぐ設計 | 地震後の片付け、ガラス片が散乱した床の移動 |
| 革製手袋 | 耐久性は高いが厚みがあり細かい作業がしにくい | 瓦礫の運搬など力を使う作業 |
避難用リュックに入れる1双としては、薄手で装着したまま細かい作業ができる耐切創タイプが扱いやすいバランスです。
探すときの手がかりは、商品説明に耐切創レベルが数値で書かれているかです。「丈夫」「切れにくい」だけの表記では比べようがありません。あわせて、手のひら側にすべり止めがあるかを見ます。割れた食器や瓦を持ち上げる作業では、滑って落とすことが二次的なけがにつながります。
家族の人数分をそろえるなら、玄関の持ち出し袋と車に分けて置きます。散乱物に触れる場面は、家の中とは限りません。
選ぶときに確認すること
- 耐切創レベルの表示があるか:数値やレベル表記がある製品は性能の目安になります
- サイズが手に合っているか:大きすぎるとフィット感が悪く、細かい作業がしにくくなります
- 滑り止め加工の有無:割れたガラスや金属を持ち上げる際、手のひら側の滑り止めがあると安全に扱いやすくなります
まとめ
- 地震によるけがの約30〜50%は家具の転倒・落下が原因で、その周辺には鋭利な散乱物が生じやすい
- 揺れが収まった後の避難行動でも散乱物に触れる場面は避けられない
- 一般的な軍手ではなく、耐切創レベルが表示された手袋を選ぶと安全性が高まる
家具の転倒対策は家具の転倒防止、突っ張り棒だけで足りるか、窓ガラスの飛散対策は窓ガラスの飛散防止フィルムは必要か、備え全体の優先順位は防災グッズで本当に必要なものリストを参照してください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
内閣府「広報ぼうさい 特集3 地震に備える」2026年9月1日確認
↩ 本文へ近年発生した大きな地震でけがをした人の原因は、約30%から50%が家具類の転倒・落下・移動によるものでした
総務省消防庁「地震に自信を―あなたを守る次の行動」2026年7月24日確認
↩ 本文へ揺れがおさまったら出口を確保するために扉を開け、あわてて外に飛び出さない