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結論:4人分は「量の合計」と「背負える重さ」の2つで決まる
四人家族の防災グッズを検索すると品目リストが無数に出てきますが、そのままそろえると「持ち出せない重さ」になります。この記事では、リストの前に必要量と重さの上限を先に出し、そのうえで4人分のそろえ方を3択に絞ります。
4人家族の防災グッズは、品目リストを眺めても決まりません。決まるのは次の2つを出したときです。
- 4人分の必要量の合計(水・食料・トイレは人数×日数で機械的に増える)
- 持ち出せる重さの上限(リュックに入れる重さの目安は男性15キロ・女性10キロ程度)
この2つを突き合わせると、「全部は持ち出せない」ことがすぐ分かります。だから防災グッズは、避難時に持ち出す分と、自宅に置いておく分の2段構えで考えます。市販の防災セットは前者だけを埋めるもので、4人分の備えはセットを買っただけでは完成しません。
4人家族に必要な量の一覧
まず合計量を確認します。人数×日数で決まる部分です。
| 項目 | 3日分(4人) | 7日分(4人) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 飲料水 | 36L | 84L | 内閣府 |
| 携帯トイレ | 60回分 | 140回分 | 内閣府 |
| 食料 | 最低3日分 | できれば7日分 | 農林水産省 |
出典:
- 水(1人1日3リットル・最低3日間、できれば1週間): 内閣府「自然災害への備えは万全ですか?チェックしてみよう!」
- トイレ(排泄回数は1日5回が平均・携帯トイレはまず3日分を目標): 内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定)
- 食料(最低3日分〜1週間分×人数分): 農林水産省「災害時に備えた食品ストックガイド」
水だけで3日分36リットル、7日分なら84リットルです。2リットルのペットボトルに換算すると3日分で18本、7日分で42本。この時点で、水は持ち出す前提の量ではないと分かります。
上の表にない人数構成(3人・5人以上など)の場合も、計算ツールに人数を入れれば水・食料・トイレの必要量をまとめて出せます。
人数別の詳しい内訳は水の備蓄は何リットル必要?と簡易トイレは何回分必要?で確認できます。
「4人分」が要るもの、家族で1つでいいもの
次に、品目ごとに4倍すべきかを分けます。ここを分けないと、同じ物を4つ買って重さだけが増えます。
人数分そろえたいもの
総務省消防庁の非常用持出品チェックシートは、避難用具のカテゴリで**懐中電灯を「できれば一人に一つ用意したいもの」**としています。停電下では各自が別行動を取る場面があるためです。1
同じ考え方で、体に付くもの・同時に使うものは人数分そろえます。懐中電灯、飲料水、食料、携帯トイレ、常用薬、下着や衣類、マスク、歯みがき用品などがこれにあたります。
家族で1つでよいもの
一方、同時に1つあれば足りるものを4つ買うのは重量の無駄です。携帯ラジオ、救急セット、工具類、予備電池のまとめ買い分、ランタンなどは、家族単位で数を決めて構いません。
この振り分けが、後述する「1人用を4つ」と「2人用を2つ」のどちらを選ぶかの判断材料になります。
重さの上限から配分を決める
必要量が出たら、次は持ち出せるかどうかです。神奈川県くらし安全防災局は、リュックなどに入れる重さの目安を男性で15キロ、女性で10キロ程度としています。あわせて、非常持出品を一次持出品と二次持出品の2つに分ける考え方を示しています。2
同ページは一次持出品を「避難するときに最初に持ち出すもの。あまり欲張りすぎないことが大切です」と説明し、二次持出品を「避難した後で少し余裕が出てから安全を確認して自宅へ戻り、避難所へ持ち出したり、または自宅で、避難生活を送る上で必要なもの」と位置づけています。
大人2人の家庭なら、一次持出品として動かせるのは合計25キロ前後が上限です。水3日分36リットル(約36キロ)は、この時点で入りません。 水と食料の大半、トイレの7日分は二次持出品、つまり自宅に置く側に回ります。
子どもがいる場合はさらに下がります。子どもの体力に応じて持てる量は変わるため、購入後に実際の重さで背負って数分歩き、家族で配分を決めておいてください。大人2人に重い荷物を寄せ、身軽に動ける人を1人残す配分にしておくと、当日に迷いません。
なお同ページは、過去の地震災害では家屋が倒壊して非常持出品を取り出せないケースも多かったとして、取り出しやすく災害の影響を受けにくい場所に置くよう促しています。4つのリュックを1か所にまとめて奥にしまうより、分散させたほうが安全です。
持ち出し袋の中身そのものの優先順位は防災リュックの中身リストで整理しています。
4人分の揃え方:3つの選択肢
「4人用セット」を探しても、1人用・2人用ばかりで見つかりません。各社が最初から4人分をひとつのリュックに詰め込む設計をしていないためです。1つの大型リュックに家族全員分を詰めると、持ち出せる人が1人しかいない場面で全員分が動かせなくなります。前項の重さの制約からも、4人分は複数のリュックに分けるのが前提になります。
選択肢A:1人用セットを4つ揃える
同じ中身のセットを4つ用意する方法です。1人1つのリュックになるため、家族がバラバラになった場合でも各自が最低限を持てます。子どもも自分の分を自分で持てる年齢なら、この方式が管理しやすくなります。前項の「人数分そろえたいもの」が自動的に4つになる反面、ラジオなど共用でよいものも4つになります。
HIH 防災セット 1人用(ハザードリュック36点)
福島県の企業が開発した、標準的な構成の1人用セットです。
- 向く人:4つ同じものを揃えて管理をシンプルにしたい人。子どもにも自分のリュックを持たせたい人
- 向かない人:寝具まで含めて在宅避難の備えを1つで完結させたい人
こんな人に何を揃えればいいか分からず、最初の1セットを決めきれない
選ぶ理由36点が最初から入った1人用。福島県企業の開発で、まず1人分を確保する入口向け
選択肢B:2人用セットを2つ揃える
大人2人+子ども2人など、2組のペアに分ける方法です。共用品が2つで済む分、1人用を4つ買うより中身の重複と総重量を抑えられます。前項の振り分けと相性がよいのはこちらです。
防災セット SHELTER プレミアム 2人用(防災士監修)
防災士と災害備蓄管理士が監修し、期限管理アプリが付いたセットです。これを2つ用意し、「親+乳幼児」「親+小学生以上の子ども」のように分けると、体力差に合わせた重さの調整もしやすくなります。
- 向く人:共用品の重複を減らしたい人。監修の有無を重視する人
- 向かない人:1セットあたりの単価を抑えたい人
こんな人に2人分をまとめて、中身の重複なくそろえたい
選ぶ理由SHELTERプレミアムの2人用。1人用と同じ監修で、夫婦・同居2人向け
選択肢C:大容量の空リュックに自分で中身を選んで詰める
市販セットを使わず、リュックだけを買い、中身は自宅にあるものや個別に買い足したもので構成する方法です。二次持出品を自宅備蓄で固めたうえで、一次持出品だけを自分の判断で選びたい家庭に向きます。
DITRAIL 防災リュック 大容量(単品)
中身が入っていない、リュック単体の商品です。
- 向く人:すでに水・食料・トイレを自宅備蓄で揃えていて、持ち出し用に振り分けたい人。セットの中身に無駄を感じる人
- 向かない人:何を入れればいいか分からず、まず一通り揃ったものが欲しい人
各セットの中身の比較は防災セットのおすすめ比較で個別に見比べられます。
4人家族の持ち出し品リスト(人数分/共用の別つき)
一次持出品として最初にそろえる品目を、数の決め方つきでまとめます。
| 品目 | 数 | 理由 |
|---|---|---|
| 懐中電灯 | 4個(1人1個) | 停電下で各自が別行動になるため |
| 飲料水(持ち出し分) | 500ml×4〜8本 | 移動中の分。備蓄本体は自宅側 |
| 食料(持ち出し分) | 1日分×4人 | 残りは二次持出品 |
| 携帯トイレ | 20回分(1人5回×1日) | 3日分60回は自宅側に |
| モバイルバッテリー | 2個(2人に1個) | 充電を分け合う前提 |
| 携帯ラジオ | 1個 | 共用でよい |
| 救急セット・常用薬 | 薬は人数分、セットは1個 | 薬だけは代替が利かない |
| マスク・歯みがき用品 | 4人分 | 衛生用品は個人ごと |
| 子どもの必需品(おむつ・母子手帳等) | 該当人数分 | セットには入っていない |
このリストはあくまで一次持出品です。量で決まる備蓄(水36リットル・トイレ60回分・食料3日分)は自宅に置く側で管理します。
こういう選び方は失敗しやすい
- 1つの大型リュックに家族全員分を詰める: 持ち出せる人が1人しかいない場面で、全員分が動かせなくなります
- セットを4つ買って安心し、自宅備蓄をゼロにする: セットの中身は一次持出品です。水36リットル・トイレ140回分といった量は二次持出品として別枠で必要です
- 重さを確認せずに数を揃える: 点数や個数を増やすほど、男性15キロ・女性10キロの目安を超えていきます
- 共用でよいものまで4つ買う: ラジオや工具まで人数分そろえると、重さだけが増えます
買った後にやる2つのこと
- 家族で「誰がどのリュックを持つか」を決めておく: 実際に背負って数分歩き、重さの配分まで決めます
- 中身を一度全部出して、家族の必需品(常用薬・メガネ・モバイルバッテリー・子どものおむつなど)を足す
まとめ
- 4人分は「必要量の合計」と「背負える重さの上限」の2つから逆算する
- 水は3日分で36リットル。持ち出す量ではなく、自宅に置く二次持出品
- 懐中電灯など各自が使うものは人数分、ラジオなど共用品は家族で1つ
- 「4人用セット」は探さず、1人用×4・2人用×2・空リュック+自作から選ぶ
全体の優先順位に迷う場合は防災グッズで本当に必要なものリストを先に確認してください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
総務省消防庁「非常用持出品チェックシート」(PDF)2026年8月11日確認
↩ 本文へ懐中電灯はできれば一人に一つ用意したいもの
神奈川県くらし安全防災局「非常持出品の準備(重さの目安)」2026年8月9日確認
↩ 本文へリュックなどに入れる重さの目安は、男性で15キロ、女性で10キロ程度です
非常持出品には、一次持出品と二次持出品の2つがあります