停電時にろうそくを使ってよいか|消防が裸火を避けるよう求める理由
根拠: 消防研究センター(総務省消防庁)「地震後の火災防止について(注意喚起)」(2026年8月6日確認) ほか2件(記事末に一覧)
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結論:停電時のろうそくは、消防が明確に避けるよう求めている
停電で家の中が暗くなったとき、備蓄していたろうそくを使おうと考える方は少なくありません。しかしこれについては、消防側がはっきりした注意喚起を出しています。1
「なるべく避けたほうがよい」ではなく、極力使用しないでくださいという表現です。理由は、地震のあとの屋内が普段とは違う状態になっているためです。
なぜ普段より危ないのか
平常時であれば、ろうそくの周囲には何も置かない状態を保てます。しかし揺れのあとは、本や衣類、カーテン、紙類が床や家具の上に散らばっています。燃えやすいものが、普段は無い場所にあるという点が条件の違いです。2
さらに、火がついてしまった後の状況も普段とは異なります。3
散乱した物が避難経路をふさぎ、断水していれば消火用の水も限られます。着火のしやすさと、着火後の対処のしにくさが同時に上がっているのが停電時の屋内です。
地震のあとに起きる火災の全体像は地震後の火災を防ぐ|通電火災と裸火で扱っています。
揺れがなくても停電中は条件が悪い
台風や設備故障による停電では、家の中は散らかっていないかもしれません。それでも次の点が残ります。
- 暗いので、周囲の可燃物との距離が把握しにくい
- 移動しながら使いがちで、置き場所が安定しない
- 就寝時に消し忘れるリスクがある。停電中は普段の照明の消灯という手がかりがない
- 子どもやペットが動く空間で、倒れる可能性を管理しきれない
つまり地震に限らず、停電中に火を灯したまま人が動くという状況自体が管理しにくいものです。
代わりに何を用意するか
公的な非常持出品のリストでは、灯りは電池式が前提になっています。45
部屋全体を照らす用途については、東京都の資料がランタンを挙げています。6
用途別に整理すると次のようになります。
| 場面 | ろうそくの代わりになるもの |
|---|---|
| 部屋を明るくする | LEDランタン(1部屋に1つ) |
| 移動する・手元を見る | 懐中電灯(1人1つ) |
| 作業する・両手を使う | ヘッドライト |
| 停電が長引く | ソーラー・USB充電併用のランタン |
灯りは部屋用と手元用を1つずつそろえるところから始めます。部屋用は据え置きで使うので明るさを、手元用は移動しながら使うので軽さを優先します。電源の取り方は、乾電池だけの割り切った機種と、電池と充電の両方が使える機種で分かれます。停電が長引く想定なら後者が有利です。
どれも電池の入れっぱなしは液漏れの原因になります。電池は別にして、同じ場所にまとめて置いてください。
選び方は防災用ソーラーランタンの選び方と停電時のランタンと灯りの確保で扱っています。
それでもろうそくしか無い場合
備蓄が間に合わず、手元にろうそくしか無いという状況はあり得ます。その場合でも、前述の注意喚起の趣旨からは次の条件を外さないでください。
- 周囲を片付けてから灯す。半径50cm程度に紙類・布類を置かない
- 倒れない台に置く。不安定な場所や、揺れで動くものの上には置かない
- その場を離れない・寝ない。人が見ていない時間を作らない
- 消火の手段を手元に置く。水を張った容器などをそばに用意する
- 余震の可能性がある間は使わない
ただしこれらは危険を減らす工夫であって、電池式の灯りと同じ安全性にはなりません。代替が手に入り次第、切り替える前提で考えてください。
住宅火災が実際にどこから起きているかは住宅火災の原因、消火器の使い方は消火器の使い方で扱っています。
暖をとる目的でも同じ
冒頭の注意喚起は「明かりや暖をとる目的で」と書かれています。暖房目的の裸火も同じ対象です。停電中に電気も火も使わずに暖をとる方法は防災の冬支度|停電中に暖を取る方法で整理しています。
まとめ
- 消防は停電時の屋内でろうそくなどの裸火を「極力使用しない」よう求めている
- 理由は、地震後の屋内が普段は無い場所に可燃物がある状態になっているため
- 着火後の避難と消火も通常の火災より難しくなる
- 代わりは電池式。部屋にはランタン、移動には懐中電灯、作業にはヘッドライト
- 暖をとる目的の裸火も同じ扱い
- ろうそくしか無い場合も、その場を離れない・周囲を片付けるなどの条件を外さない
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
消防研究センター(総務省消防庁)「地震後の火災防止について(注意喚起)」(PDF)2026年8月6日確認
↩ 本文へ明かりや暖をとる目的で、屋内でろうそくなどの裸火は極力使用しないでください
消防研究センター(総務省消防庁)消防研究センター(同上)2026年8月6日確認
↩ 本文へ地震で物が散乱し、平常時には無い場所に燃えやすいものがあるなど、屋内はいつにも増して裸火から着火しやすい状況にあります
消防研究センター(総務省消防庁)消防研究センター(同上)2026年8月6日確認
↩ 本文へ万が一着火した場合には、避難や消火が通常の火災より困難です
総務省消防庁「非常用持出品チェックシート」(PDF)2026年8月11日確認
↩ 本文へ避難用具のカテゴリには懐中電灯・携帯ラジオ・予備の乾電池・ヘルメット・防災ずきんが挙げられ、懐中電灯はできれば一人に一つ用意したいものとしている
総務省消防庁(同上)2026年8月11日確認
↩ 本文へ懐中電灯はできれば一人に一つ用意したいもの
東京都「「日常備蓄」で災害に備えよう」(PDF)2026年8月6日確認
↩ 本文へ向けた方向しか照らせず片手が塞がってしまう懐中電灯と比べ、部屋全体を明るくできるため室内照明として有用です。家族が同時に使うリビングやキッチン、トイレに1個ずつ用意しましょう