犬と同行避難するための準備|しつけと備蓄をどこまでやるか
根拠: 東京都保健医療局「『同行避難』するために・・・日ごろからの備えが大切です」(2026年8月4日確認) ほか2件(記事末に一覧)
本記事にはアフィリエイト広告(プロモーション)が含まれています。
準備の目的は「周囲と成立させること」
犬との避難で問題になるのは、犬の体力ではありません。避難所という動物が苦手な人も同じ場所にいる環境で、飼い主が犬をコントロールできるかどうかです。1
しつけは周囲のためだけではありません。2
1. ケージ・キャリーに慣らす
避難所での飼育スペースは、多くの場合ケージです。ここが慣れていないと、到着後に犬も飼い主も消耗します。3
進め方は次の順です。犬は猫より短期間で慣れることが多いものの、閉じ込められた状態で長時間過ごす練習は別に必要です。
- ケージを日常の居場所として置く。扉は開けたまま
- 中で食事や休息をとらせる
- 扉を閉める時間を、数秒から数十分へ段階的に延ばす
- 飼い主が視界から消えた状態でも落ち着いていられるようにする
4つ目が抜けやすい項目です。避難所では飼い主が受付や物資の受け取りで離れる場面があります。
2. 避難所で困る行動を減らす
避難所で問題になりやすいのは次の3つです。優先してこの順に取り組みます。
| 行動 | なぜ問題か | 練習 |
|---|---|---|
| 吠える | 集団生活で最も苦情が出る | 音・人の出入りに慣らす |
| 引っ張る | 混雑した経路で制御できない | 短いリードで歩く練習 |
| 排泄の失敗 | 衛生と臭いの問題になる | 決められた場所での排泄 |
排泄については、指定された場所でできることが効きます。ペットシーツの上で排泄する習慣があれば、避難所でも屋外でも対応できます。
3. 身元表示を二重にする
犬の場合、鑑札と注射済票の装着が法律で定められています。加えて、迷子札とマイクロチップの両方があると戻る確率が上がります。首輪は外れることがあり、マイクロチップは読み取り機が必要だからです。4
飼い主と一緒に写った写真も用意しておきます。所有者の確認が早くなります。
4. 健康管理を切らさない
避難所は他の動物と近い距離で過ごす場所です。予防接種と寄生虫の駆除が済んでいないと、受け入れ側にも他の飼い主にも負担がかかります。狂犬病予防注射、混合ワクチン、ノミやダニの駆除の状況を、記録として持ち出せる形にしておきます。
預け先に渡す場面でも、そのまま使えます。
5. 備蓄は人間とは別に積む
人間の備蓄が3日分でも、ペット用は少なくとも5日分です。支援物資は人間向けが先に配られるため、時間差が出ます。5
- フード・水(食べ慣れたもの。避難所で銘柄は選べない)
- 常備薬・療法食(入手に時間がかかる。優先度が最も高い)
- ペットシーツ・排泄物の処理袋
- 首輪・リードと、その予備
- 食器、ケージ・キャリー
- 健康記録と写真
避難先を先に決めておく
同行避難という言葉の範囲も確認しておきます。6
受け入れの可否と飼育スペースは避難所ごとに違います。事前に確認し、受け入れ不可の場合の第2案(在宅避難・車中泊・預け先)まで決めておきます。
まとめ
- 準備の目的は、動物が苦手な人もいる環境で成立させること
- ケージは「飼い主が見えなくても落ち着ける」まで慣らす
- 吠える・引っ張る・排泄の失敗の3つを優先して減らす
- 鑑札と注射済票に加えて、迷子札とマイクロチップを両方持つ
- ペット用備蓄は少なくとも5日分。人間の分とは別に積む
手順の全体像はペットの同行避難の手順とルール、猫の場合は猫をキャリーに慣らす手順、品目ごとの選び方はペットの防災グッズを参照してください。
出典と根拠
本文の番号に対応する出典と、判断の根拠にした原文の引用です。確認日は当サイトが原文を照合した日です。
東京都保健医療局「『同行避難』するために」2026年8月4日確認
↩ 本文へ安全かつ速やかに避難できるように、また、避難所において周囲に迷惑をかけないように、普段からしつけを行い飼い主がきちんとコントロールできるようにする
環境省「ペットの災害対策」2026年8月4日確認
↩ 本文へしつけはペットの安全確保のみならず、災害時のペットのストレスも軽減させ、あなた自身や周囲の方々への安全・安心の確保にも重要です
環境省「ペットの災害対策」2026年8月4日確認
↩ 本文へ避難するときは、ペットと一緒に避難(同行避難)できるよう、日頃からキャリーバックやケージに入ることなどに慣れさせておくことも必要です
東京都保健医療局「『同行避難』するために」2026年8月4日確認
↩ 本文へはぐれてしまったペットが飼い主の元に戻れるよう、身元表示をしましょう
環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」2026年7月24日確認
↩ 本文へ環境省策定の人とペットの災害対策ガイドラインの公式掲載ページで、同行避難の考え方やペット用備蓄(少なくとも5日分)などを定めている
東京都保健医療局「『同行避難』するために」2026年8月4日確認
↩ 本文へ避難所において人とペットが同一の空間で居住できることを意味するものではありません