防災の基本

マンション・高層階の防災対策|在宅避難を前提にした備え方

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マンションは「避難所に行かない」前提で考える

東京都は、耐震基準を満たしたマンションについて「被害が軽微であれば在宅避難が可能となります」としています。つまりマンション住まいの防災は、逃げる準備より住み続ける準備が中心になります。

出典: 東京都「マンション防災 〜日頃の備えと地域での連携が必要です〜」(PDF・2025年9月版)

国も在宅避難者を制度上位置づけており、内閣府は「災害によるガスや水道といったインフラの途絶や物流網の途絶、家屋への被害等のため、自らの備蓄を利用し、或いはなんらかの支援を受けて避難生活を送る人」と定義しています(内閣府「在宅・車中泊避難者等の支援の手引き」(PDF))。

制約1:エレベーターが止まる

停電するとエレベーターは動きません。東京都は「故障・停電などで緊急停止し、閉じ込め被害にあう可能性があるため、点検が終わるまでは非常階段を利用します。万が一、閉じ込められたらインターホンで連絡をとり、救助を待ちます」としています。

高層階では、これが買い出しも給水も階段を意味します。備えとして効くのは次の2つです。

制約2:水が止まる可能性がある

高置水槽方式のマンションでは、停電でポンプが止まると断水します。大阪市水道局は仕組みをこう説明しています。

つまり断水は地震で水道管が壊れたときだけでなく、停電でも起こりうるということです。自宅の給水方式は管理規約や管理会社に確認しておくと、備えの見積もりが正確になります。必要量の計算は水の備蓄は何リットル必要?で解説しています。

制約3:トイレを流してはいけない場面がある

マンションで最も見落とされるのがこれです。

東京都のリーフレットも「排水管の復旧が確認できるまでトイレは流さず、携帯トイレ・簡易トイレを使用します」としています。水が出ていても流してはいけないことがある、という点が戸建てとの決定的な違いです。バケツで流す方法を考えるより先に、簡易トイレを人数分そろえてください。必要数の計算は簡易トイレは何回分必要?にまとめています。

高層階特有の揺れへの備え

気象庁は長周期地震動について「長周期地震動により、高層ビルは大きく長時間揺れ続けることがあります」「大きな揺れにより、家具類が倒れたり・落ちたりする危険に加え、大きく移動したりする危険があります」としています(気象庁「長周期地震動について」)。

東京都のリーフレットも高層マンションでの家具転倒を想定しています。キャスター付き家具の固定まで含めて、転倒防止をやり切っておく価値があります。

揃えるものの優先順位

  1. 簡易トイレ(流せない期間をしのぐ。最優先)
  2. (1週間分。階段運搬を減らす)
  3. 電源(エレベーター停止と断水の原因になる停電に備える)
  4. 収納(分散して置ける、フタが閉まる箱)

価格帯は簡易トイレの大容量タイプが1,000円未満から、保存水5年2L×6本が1,000〜3,000円台、ポータブル電源が2万円台〜、収納ケースが3,000〜5,000円台が中心です(2026年7月23日時点)。

まとめ

電源容量の決め方は防災用ポータブル電源の容量の選び方、備え全体の優先順位は防災グッズで本当に必要なものリストを参照してください。