防災の基本

高齢の親に備えさせる防災|離れて暮らす親と決めておく5つのこと

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送るより先に「決めておくこと」がある

離れて暮らす親の防災というと、防災セットを送って終わりにしがちです。しかし高齢の親にとって本当に困るのは、薬が切れること・自力で避難できないこと・連絡がつかないことで、これらは物を送るだけでは解決しません。順番に整理します。

1. 薬とお薬手帳を持ち出せる状態にする

東京都は体力・体調に不安がある人の備えとして、具体的な日数を示しています。

これは国の基準ではなく東京都の案内ですが、日数の目安として具体的です。同資料は「常に携帯する物」として「常備薬・お薬手帳/老眼鏡・入れ歯・補聴器/口腔ケア用品/健康保険証のコピー・介護保険証のコピー」を挙げています。老眼鏡や補聴器は、代わりが効かないという点で薬と同じ扱いが要ります。

通院している場合は、東京都が「もしものときにどんな対応を取ればよいかを必ず相談しておきましょう」としているとおり、かかりつけ医に事前確認しておくのが確実です。

2. 自治体の名簿に載っているか確認する

自力で避難することが難しい人については、市町村が名簿を作ることが災害対策基本法で定められています。

さらに令和3年の法改正で、一人ひとりの「個別避難計画」を作ることが市町村の努力義務になりました。同指針は計画作成の優先度を判断する際に「独居等の居住実態、社会的孤立の状況」を考慮するとしています。一人暮らしの親は優先度が高く判断されうるということです。

親の住む自治体の窓口(防災担当・福祉担当)に、名簿への登録状況と個別避難計画の有無を問い合わせるところから始めてください。これは物を買うより先にやる価値のある手続きです。

出典: 内閣府「避難行動要支援者名簿・個別避難計画」

3. 連絡手段を1つに頼らない

災害時は電話がつながりにくくなります。総務省は「地震等の災害が発生した場合、通信が混み合って電話がつながりにくくなります」とし、その対策として災害用伝言ダイヤル(171)、災害用伝言板、web171を案内しています。

親と決めておくべきなのは、どのサービスを使うかを1つに絞ることです。複数の手段を教えると、いざというとき迷います。「つながらなかったら171に伝言を入れる」と決めて、平時に一度一緒に試しておくのが確実です。

4. 停電と暑さ・寒さを想定する

高齢者は暑さのリスクが高いことを環境省が説明しています。

夏の停電でエアコンが止まる状況は、高齢の親にとって深刻です。内閣府も在宅避難者への支援について「夏季であれば高温や熱中症への対策、冬季であれば暖を得るための物資を配布する等低温への注意が必要である」としています。飲料水の備蓄は、この観点でも多めに見ておく価値があります。

5. 家の中の危険を先に減らす

東京都は「家族等の助けを借りながら、建物や家具などの安全を確認し、大きな家具には転倒防止対策を」「高齢者等は、河川増水や土砂災害の危険がなければ、出入口に近いところで休むようにしましょう」としています。帰省したときに寝室の家具配置を変える、というのは今日からできる対策です。

割れたガラスから足を守るスリッパ、居場所を知らせるホイッスルは、高齢の親ほど効果が大きい小物です。価格帯は防災スリッパが1,000〜3,000円台、ホイッスルが1,000円未満、防災セットが1〜2万円台、多機能防災ラジオが5,000〜9,000円台が中心です(2026年7月23日時点)。

親へ贈るときの選び方は防災グッズのプレゼントでも整理しています。

まとめ

備えるモノの全体像は防災グッズで本当に必要なものリストを参照してください。