ペット(犬・猫)の防災グッズ|環境省ガイドラインの優先順位で揃える
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ペットの備えには、国が示した優先順位があります
犬や猫と暮らしていると「災害時にこの子をどうするか」は考えていても、何をどれだけ用意すればいいかは分かりにくいものです。実はこの点について、環境省が備蓄品を優先順位1〜3に分けて示しています。
自分で考えなくても、この順番に沿って揃えれば抜けが起きにくくなります。
出典: 環境省「人とペットの災害対策ガイドライン」(平成30年3月)
なお、以前公表されていた「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」(平成25年)は、熊本地震の経験などを踏まえて改訂され、現在はこの「人とペットの災害対策ガイドライン」が現行版です。飼い主向けの要約版として「災害、あなたとペットは大丈夫?<一般飼い主編>」も公開されています。
まず知っておきたい「同行避難」の意味
同行避難という言葉は、しばしば誤解されます。ガイドラインは、災害の発生時に飼い主がペットを同行して指定緊急避難場所等まで避難することを同行避難としたうえで、次の注記を置いています。
同行避難とは、避難行動を示す言葉であり、指定避難所でペットを人間と同室で飼養管理することを意味するものではない。
つまり同行避難は「一緒に逃げること」であって、「避難所で一緒の部屋にいられること」の保証ではありません。避難所でペットをどう受け入れるかは自治体や施設ごとに運用が異なるため、お住まいの自治体の受け入れ方針を事前に確認しておくことが、当日の判断を左右します。
フードと水は何日分必要か
ガイドラインでは、指定避難所などにペット用の救援物資が届くまでには時間がかかることがあるとして、ペットフードと水を**少なくとも5日分(できれば7日分以上)**用意しておくとよいとしています。療法食などの特別食を必要としているペットの場合は、さらに長期間分の用意が必要とされています。
人の備蓄が「最低3日・できれば1週間」なのに対し、ペットは少なくとも5日という点に注意してください。人の分だけ数えていると足りなくなります。
優先順位1:動物の健康や命に関わるもの
ガイドラインが最優先に置いているのは次の品目です。避難時にすぐ持ち出せるよう、人の避難用品と一緒に保管するよう示されています。
- 療法食、薬
- ペットフード、水(少なくとも5日分、できれば7日分以上)
- キャリーバッグやケージ(猫や小動物には避難時に欠かせないもの)
- 予備の首輪、リード(伸びないもの)
- ペットシーツ、排泄物の処理用具
- トイレ用品(猫の場合は使い慣れた猫砂、または使用済み猫砂の一部)
- 食器
猫の場合、使い慣れた猫砂を少し持っていくという項目は見落としがちですが、環境が変わったときにトイレを使えるかどうかに関わります。
キャリーバッグは「持っている」だけでは足りません。ガイドラインは、日頃からキャリーバッグやケージに入ることに慣れさせておく必要があるとしています。普段から部屋に出しておき、寝床として使ってもらうのが、当日スムーズに入ってもらういちばんの近道です。折りたたみタイプのソフトクレートは価格帯5,000円台が中心です(2026年7月22日時点)。
優先順位2:情報
2番目に置かれているのが「モノ」ではなく情報である点が、このガイドラインの特徴です。
- 飼い主の連絡先と、ペットに関した飼い主以外の緊急連絡先・預け先などの情報
- ペットの写真(印刷物とともに携帯電話などに画像を保存することも有効)
- ワクチン接種状況、既往症、投薬中の薬情報、検査結果、健康状態、かかりつけの動物病院などの情報
はぐれたときの捜索、預け先での引き渡し、避難先での投薬の継続。どれも情報がないと動けません。ワクチン接種の記録は、預かり施設の利用条件になることもあります。
紙とスマホの両方に持っておくのが基本です。健康手帳タイプの記録帳は価格帯1,000円台が中心で、接種歴や通院歴を1冊にまとめられます(2026年7月22日時点)。
あわせて、マイクロチップの装着と迷子札による所有者明示も、ガイドラインが飼い主の備えとして挙げている項目です。
優先順位3:ペット用品
- タオル、ブラシ
- ウェットタオルや清浄綿(目や耳の掃除など多用途に利用可能)
- ビニール袋(排泄物の処理など他用途に利用可能)
- お気に入りのおもちゃなど匂いがついた用品
- 洗濯ネット(猫の場合は屋外診療・保護の際に有用)
- ガムテープやマジック(ケージの補修、段ボールを用いたハウス作り、動物情報の掲示など多用途に使用可能)
猫と洗濯ネットの組み合わせは、屋外で診察を受けるときや保護のときに使えるものとして挙げられています。軽くてかさばらないので、キャリーに1枚入れておけます。
セットで揃える場合
一つずつ集める時間がないときは、犬猫向けにまとめられたセットが出発点になります。価格帯は1万円台が中心です(2026年7月22日時点)。中身を確認して、上記の優先順位1で足りないものを買い足してください。
保管場所についてのガイドラインの指摘
重い物・大きな物は避難の妨げになるため、いったん避難した後で安全を確認してから持ち出せるよう、屋外倉庫や駐車場など保管場所を工夫することが示されています。優先順位1だけを人の避難用品と一緒にし、残りは別の場所という二段構えです。
この考え方は人の備蓄と同じで、置き場所を分けるほど当日動きやすくなります。
今日できる3つのこと
- 自治体の受け入れ方針を調べる: 「(自治体名) ペット 同行避難」で検索し、避難所の運用を確認する
- フードを5日分に増やす: 普段のフードを1袋多く買い、使いながら入れ替える
- キャリーを部屋に出す: 移動用ではなく、日常の居場所として置いておく
まとめ
- 環境省のガイドラインは備蓄品を優先順位1〜3に整理している
- フードと水は少なくとも5日分、できれば7日分以上。療法食ならさらに多めに
- 優先順位2は「情報」。連絡先・写真・ワクチン接種状況を紙とスマホの両方に
- 同行避難は「一緒に逃げること」で、避難所での同室を意味しない。自治体の方針を事前に確認する
人の側の備えは本当に必要な防災グッズのリストに、置き場所の分け方は賃貸・一人暮らしの防災グッズ置き場所にまとめています。